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ヤマトグソクナマズのできるまで2



ヤマトグソクナマズは様々な種類の魚がかけ合わされて作られたハイブリッドな魚である。どのように作られたのかその詳細は不明であるが、かけ合わされたと思われる魚の種類についてはその大部分が判明している。
主なベースとなっているのはナマズ類である。
日本に生息してるマナマズ、イワトコナマズ、ビワコオオナマズのDNAが検出されている。
そこに古代魚の一種で甲冑のような鱗を持つ、南米産の鎧鯰であるプレコ類や、カリクティス・カリクティスのような外見的特徴も見受けられる。

またエラからはハイギョやベタのようにラビリンス機関とよばれる短時間であれば空気呼吸ができる組織も発見されている。これはかけ合わされた古代魚が影響している可能性もある。

さらにはヨーロッパオオナマズやメコン川流域に生息しているメコンオオナマズのもかけ合わされているようだ。これらのナマズは非常に大型化する。現地のヨーロッパでは水辺の鳥や人間の子供を丸飲みにしたという報告もある。ヤマトグソクナマズも最大まで成長すると3メートル近い巨体となったと推測される。そうなった場合、きわめて縄張り意識が強く、積極的に他の魚に対して攻撃をしかける気性の荒さがあるヤマトグソクナマズは人間に危害を加える可能性も否定はできないだろう。

最後に外見の模様であるが、これがどの種の魚をかけ合わされてできたものなのかが全く分からない。一説によると金魚や錦鯉のように突然変異した種類をかけ合わせ選別を繰り返した可能性もある。それにしては研究室にいたのが一匹だけというのが気がかりである。
もしや他の場所で生かされていたり、すでに放流された個体がいるのでは…。
そんなことが無いように祈りたい。


■『人工UMA展』
- Artificial Unidentified Mysterious
Animal Exhibition -
  2018/05/30-06/10
  OPEN 12:00-18:00
※最終日のみ16:00まで
  期間中無休
http://www.combine-art.com/html/gallery/ga_schedule.php

■会場
  BAMI gallery
  〒600-8824
  京都市下京区二人司町21番地
  TEL 075-754-8154
  office@combine-art.com
http://combine-art.com/html/gallery/ga_access.php

■発表者
釜匠 (かま・たくみ33歳)
佐野曉 (さの・あきら37歳)
宮本大地 (みやもと・だいち27歳)
松本央 (まつもと・ひさし35歳)
遠藤良太郎 (えんどう・りょうたろう31歳)
太田夏紀 (おおた・なつき25歳)
岡部賢亮 (おかべ・けんすけ28歳)

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ヤマトグソクナマズのできるまで1
私は生まれも育ちも京都の町中で育った京都人です。
隣近所の結びつきが強くうっとうしいところもありますが、
この街は好きです。

京都は、多くの外国人観光客で賑わっています。
世界でも有数の観光都市であるらしい。

たしかに、観光名所のみならず街中でに多くの外国人観光客が訪れ
その姿を見ない日はありません。
街中にも外国人観光客向けのゲストハウスが乱立しています。
母が勤めるレンタル着物店も客の多くが外国人であるそうです。。
また、私が受け持つ大学の授業を受講する学生の役3分の1が留学生です。

多くの人が訪れ日本について興味をもち、その文化触れたり
知ってくれること自体は歓迎すべきことですし、誇らしいことです。
実際、観光客が増えることで潤っている人もいることでしょう。

しかし、そこに住んでいる人にとっては
喜ばしいことばかりではないのです。
春、秋の観光シーズンは交通量も増え道が混雑するし、
キャリーケースを持った外国人観光客の増加で、
観光地付近を通るルートの市バスはとても利用できたものではありません。
私でもそう思うのだから、普段の足としているお年寄りは
もっと大変だろうことは想像できます。
文化財に触れたり、スマホ片手に好き勝手に写真を撮り
騒いでいるマナーの悪い観光客も多いです。
このような観光客が多いとせっかく古い寺社仏閣にある
静かな情緒を求めて訪れても雰囲気が台無しです。

これらのようなことに苦々しい思いを持っているのは
私だけではないと思います。。
旅行を楽しんでもらうのはいいのですが、
そこに住んでいる人たちが作っている街の雰囲気や生活も大事に
してもらいたいと切に思います。

文化や伝統は保存するのは大変ですが、
無くなるのは気づかないうちになくなってしまいます。
という実感が私にはあります。
私の実家も明治のころからある町屋でしたが、
修繕し維持するほうがお金がかかるのでやむなく建て直しました。
きっと同じ理由で町屋を取り壊した人は多いのではないでしょうか。
家の近所の立派な町屋が取り壊されるのを何度となく見てきています。
また、私の実家の地域には西陣織に関係する会社や工場がいっぱいありました。
時代の移り変わりの中で西陣織を織る機織り機の音はいつの間にかしなくなり、
大きな工場はマンションや建売住宅になってしまいました。
記憶をたどっても昔立っていた建物や町の面影すら思い出せません。
当たり前すぎるものが無くなると思い出すことすらできなくなります。

私は私が好きな雰囲気、
京都だけでなく日本全体にある形や言葉にならない
当たり前のものが無くなっていかないか心配なのです。

偏った意見かしれませんが、
そんな気持ちが人工UMA「ヤマトグソクナマズ」の背景にはあります。
きっと今回一緒に展示する他の作家にもあると思います。
それが作品やテキストの行間から感じられる面白い企画
だと思うので是非多くの方にご高覧いただき
楽しんでいただきたいと思います。
5月30日からです。






■『人工UMA展』
- Artificial Unidentified Mysterious
Animal Exhibition -
  2018/05/30-06/10
  OPEN 12:00-18:00
※最終日のみ16:00まで
  期間中無休
http://www.combine-art.com/html/gallery/ga_schedule.php

■会場
  BAMI gallery
  〒600-8824
  京都市下京区二人司町21番地
  TEL 075-754-8154
  office@combine-art.com
http://combine-art.com/html/gallery/ga_access.php

■発表者
釜匠 (かま・たくみ33歳)
佐野曉 (さの・あきら37歳)
宮本大地 (みやもと・だいち27歳)
松本央 (まつもと・ひさし35歳)
遠藤良太郎 (えんどう・りょうたろう31歳)
太田夏紀 (おおた・なつき25歳)
岡部賢亮 (おかべ・けんすけ28歳)

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展示完了しました!
本日作品を搬入致しました。

途中メジャーを壊すなど

ハプニングもありましたが、

無事に展示完了いたしました!

その展示風景を公開致します。

いよいよ明日から開催です。

私は明日17日、19日、20日と

在廊させていただく予定でございます。

是非ご高覧ください!



























combine-art.com/data/blog/upload_images/matsumoto/15264613661.jpg" width="400px" >

松本央 solo exhibition 『私淑の憧憬』

2018.05.17 (thu) - 2018.05.25 (fri)

OPEN 12:00~18:00

期間中無休
※最終日午後4時閉廊

COMBINE office /BAMI gallery

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レンブラントの技法とレンブラント派

今回の個展では2点を模写した。
1つはレンブラントの作品、
もう一つはロンドンナショナルギャラリーに所蔵されているレンブラントのフォロワーの作品『A Man Seated Reading at a Table in a Lofty Room』である。
残念ながら調べても作者の名前が分からなかった。
レンブラントの有名な弟子、門下生ならば名前がはっきりしているし、署名でわかることも多いが、英語でフォロワーと記載されていることからレンブラント様式を使って描かれた無名の画家の作品ということなのかもしれない。
いずれにせよ、レンブラントの影響を受けた絵描きということには違いないだろう。




原題『A Man Seated Reading at a Table in a Lofty Room』
  『部屋で佇む男』
  



レンブラントの作品には常に真贋の問題が付きまとっている。ついこの間までレンブラントの作品と思われていたものが覆されることはよくある。私の好きな「黄金の兜の男」もレンブラントの作品ではないらしい。

前回の記事で少し触れたが、17世紀当時の画家というのは、現在の日本の漫画家のようなシステムで工房スタイルをとっていた。フランドルの画家ルーベンスなどは分業制をとり、工房内の職人と作業を分担していたようである。なのでどこをルーベンス本人が担当していたのか分かりやすい。また絵の注文者とのやりとりの文書も残っているようでどの部分をルーベンスが描くか、何日くらいで仕上げたかまでわかっている。作品によっては動物を描くのが得意な画家に動物を描いてもらったりと外注をして仕上げている作品もある。このようなことができた背景として油彩の技法や様式が統一されていたことことがあげられる。描き方が同じなので作者が変わったとしても違和感なく同じ世界観で見ることができたのである。また、弟子にはヴァン・ダイクなど画家として有名になったものもいるし、本人も外交官として活躍しており、かなり仕事のできる男のイメージを受ける。

一方、レンブラントはというと工房の運営にしても割といい加減で、自分で全部描くか弟子や他人に全部描かすかという状態だったようだ。また弟子が描いたすぐれた作品に自分の署名をしたり、自身の自画像すら弟子に描かしていたこともあるらしい。彼の技法自体は難しいものではなく、優秀なものであれば模倣することができた。そこが真贋をややこしくしている原因らしい。少しでもルーベンスの手が入っているのと比べ、一見レンブラント風に見えてもまったく本人が関わっていないのであればコレクターとしてはたまったものではないだろう。のちに破産したり悲惨な目にも合うレンブラントは割といい加減でだらしない人だったのだろう。その辺りのことを学生時代に知り、芸術家に聖人のような潔白さを求めいた私は非常に幻滅したのであった。

 しかし、弟子が模倣しやすい技法や作風を確立させた点については優れていると思う。模倣しやすいということは技法がシンプルで分かりやすいということだ。明暗のコントラストを強めたり明るい部分の絵の具を厚塗りしたりと少し観察するだけでも特徴ははっきりしている。それらを取り入れるだけで手軽にレンブラント風の作品に仕上げられる。シンプルかつ効果は絶大なのだ。そして今なお熱狂的なファンがいることからも明らかである。絵画の世界だけでなく舞台照明やインテリア設置の際にレンブラントライトという名前で、ライティングの演出方法は広く知られている。

 今回、2点模写したが私も特別なことはほとんどしていない、伝統的な油彩の技法を守りレンブラントスタイルを意識して描いただけである。スタイルを模倣した作品の無名の作者も模倣するくらいだから、レンブラントへの尊敬や憧れもすこしはあったに違いない。そう思うと私も時間は隔てているがレンブラントのフォロワーであり、レンブラントの一派であるといえると思う。というか思いたい。

松本央 solo exhibition 『私淑の憧憬』

2018.05.17 (thu) - 2018.05.25 (fri)

OPEN 12:00~18:00

期間中無休
※最終日午後4時閉廊

COMBINE office /BAMI gallery


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私淑の憧憬
個展のご案内です。

5月17日より個展

『私淑の憧憬』を開催いたします。






今回の個展は、私が画家を志すきっかけとなった

画家である、17世紀オランダのレンブラント

に対する私の憧れや尊敬の念を打ち出した

作品を出品致します。

2002年に京都の国立博物館にて開催された

大レンブラント展を見たことが、

私がこの道に進む原因となったと言っても

過言ではありません。

それほどまでに、彼の作品から影響を

受けた部分はおおきいです。

本物の作品を見て作品から発せられる

エネルギーに感動し、

こんな世界があるのかと

絵描きという存在が心底かっこよく思え、

私には眩しく輝いて見えたのでした。

そうして、彼のような絵が描きたい、

そう思ったのが始まりです。






今までに紆余曲折ありましたが、

常に心の片隅にはレンブラントはじめ、

西洋の古典絵画の先達に対する憧れが

あったように思います。

要は私にとっての原点であり、

絵の基準であり、

目指すべき目標なのです。





私が学生時代には、勝手な

芸術家に対する幻想に陥り、

(芸術家至上主義のようなすべて一人の

作家が作品を生みだしているという妄想、)

当時は工房スタイルで作品がつくられており、

弟子が何人もいることや、

本人が描いてない作品もあること、

に対して幻滅したりもしました。


しかし、私も就職しわずかな期間では

ありましたが、京都の某老舗和菓子店にて

和菓子職人として働いていたことがあり、、

職人の世界を体感したこともあって

職人には職人の凄さや素晴らしさがある

ことを身をもって知りました。

職場には高卒の若者から

高齢の職人さんまで幅広い年齢で

色々な方がおられましたが、

仕事に対すること心構えなど

本当に多くを学ばせていただきました。






そのような体験や人生経験を得て、

次第に偏った幻想を抱くことなく

レンブラントや古典作家

と向き合うことができるようになり、

改めてその良さを知ることができていると

今は感じています。

私自身、絵描きとしても一人の人間としても

道半ばではありますが、

レンブラントや先達が残した遺産を

受け継ぎでいきたいと思います。







松本央 solo exhibition 『私淑の憧憬』

2018.05.17 (thu) - 2018.05.25 (fri)

OPEN 12:00~18:00

期間中無休
※最終日午後4時閉廊

COMBINE office /BAMI gallery


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