RECENT POSTS
アートフェスティバル2022あべのハルカス近鉄本店
慌ただしかった1月も終わり、気づけば2月になっておりました。
奈良での初の開催となる近鉄奈良での公庄直樹さんとの二人展、京都BAMIgalleryでの個展などご報告が遅くなりましたが無事に終了いたしました。









そして、1月の後半から大作を展示しておりました京都府京都新鋭選抜展2022のほうも2月6日を持ちまして会期終了いたしました。
一時は同時3会場での展示という自身初の事態となっておりましたがいずれも無事に終了し、ほっとしております。
会期中ご高覧くださいました皆様、誠にありがとうございました。











さて、2月16日からあべのハルカス近鉄本店にて開催されますアートフェスティバル2022に10WAVESの作家の一人として作品を出品させていただきます。
今回は京都府新鋭選抜展で展示させていただきました100号の大作を中心に、最近私が力をいれて製作しておりますレースをモチーフとした作品を展示させていただく予定です。

アートフェスティバル2022
2022年2月16日(水)~22日(火)
午前10時~午後8時(最終日は午後3時閉場)
あべのハルカス近鉄本店ウィング館9階催会場


私も会期中の16日、19日、22日の3日間在廊させていただきます。ご都合よろしければぜひご高覧ください。








ちなみに大作のタイトルでもある「綴られる世界」というのは昨年のBAMIgalleryでの個展のタイトルでもあります。その際のステイトメントになぜレースをモチーフとしているのか書いていますのであらためてご紹介します。

私は、はじめレースを自分の絵を構成する要素、モチーフの一つとしてしか見ていませんでした。
しかし、何作かレースをモチーフにした作品を描いたときに、なぜこのモチーフに自分は惹かれたのか、その意味を考えるようになりました。
そして、レースの成り立ちや作り方を調べたり、教えていただいたりする中で、私がレースをモチーフに描くべき理由が見つかったような気がしました。
その理由は大きく2つあります。1つ目の理由は、レースを油絵で描くことで遠い過去の存在である昔の画家たちと私が精神的なつながりを持てたように思えたことです。
レースは私が憧れている17世紀の西洋絵画の中にもよく登場します。王侯貴族の襟や衣服の装飾としてもよく使われ、その緻密な模様は絵に華やかな印象を与えています。その反面、レースは描くのに非常に手間がかかるのだろうなぁと私は描くことは敬遠していました。
以前に私の憧れの画家であるレンブラントの肖像画を摸写する機会がありました。
その肖像画にはしっかりとレースが描かれていましたので私も描かざるを得ない状況になり、試行錯誤し何とかそのレースの部分を描きあげました。
その時にレンブラントと同じことができたという絵描きとしての自信と喜び、何とも言えない達成感を得ることができました。
それと同時に、彼らが絵画で綴ってきた世界の一端を受け取ったようにも感じました。
2つ目の理由は、手編みのレースの制作方法を知った時にあります。
レース編みは一本の糸で編まれていること、はじめは糸で小さな輪(円)を作るところから始めるところ、どこまでも広げていくことが可能なこと、ほどけば元の一本の糸に戻すことができること、を知りました。
このレース編みの構造や制作過程を知ったとき私はすごく感動しました。
それはレース編みの構造が、私が日頃から考えていたこととよく似ていると思えたからです。
人や物事の出会いやつながりによって私が社会の中で存在でき、そのつながり(目に見えるものだけでなく見えないものも含めた)によって私という人間が形作られている。
始まりは小さなきっかけや出会い(縁)にすぎないかもしれないがその積み重ねで現在の自分がある。
この考えとレース編みの構造が結びついたときに、私の中でレースをモチーフとして選択する意味が大きくなったように思います。
糸によって綴られ、緻密な模様を表現するレースは、その上に置かれたものや周りを明るく華やかに引き立てるだけでなく、ふと眺めたときにその裏側にある構造についても少し考えさせられる。レースは私にとってそのようなモチーフあり、今回の発表する私の作品が皆様にとってもそうであれば幸いです。


▲TOP