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ヤマトグソクナマズのできるまで1
私は生まれも育ちも京都の町中で育った京都人です。
隣近所の結びつきが強くうっとうしいところもありますが、
この街は好きです。

京都は、多くの外国人観光客で賑わっています。
世界でも有数の観光都市であるらしい。

たしかに、観光名所のみならず街中でに多くの外国人観光客が訪れ
その姿を見ない日はありません。
街中にも外国人観光客向けのゲストハウスが乱立しています。
母が勤めるレンタル着物店も客の多くが外国人であるそうです。。
また、私が受け持つ大学の授業を受講する学生の役3分の1が留学生です。

多くの人が訪れ日本について興味をもち、その文化触れたり
知ってくれること自体は歓迎すべきことですし、誇らしいことです。
実際、観光客が増えることで潤っている人もいることでしょう。

しかし、そこに住んでいる人にとっては
喜ばしいことばかりではないのです。
春、秋の観光シーズンは交通量も増え道が混雑するし、
キャリーケースを持った外国人観光客の増加で、
観光地付近を通るルートの市バスはとても利用できたものではありません。
私でもそう思うのだから、普段の足としているお年寄りは
もっと大変だろうことは想像できます。
文化財に触れたり、スマホ片手に好き勝手に写真を撮り
騒いでいるマナーの悪い観光客も多いです。
このような観光客が多いとせっかく古い寺社仏閣にある
静かな情緒を求めて訪れても雰囲気が台無しです。

これらのようなことに苦々しい思いを持っているのは
私だけではないと思います。。
旅行を楽しんでもらうのはいいのですが、
そこに住んでいる人たちが作っている街の雰囲気や生活も大事に
してもらいたいと切に思います。

文化や伝統は保存するのは大変ですが、
無くなるのは気づかないうちになくなってしまいます。
という実感が私にはあります。
私の実家も明治のころからある町屋でしたが、
修繕し維持するほうがお金がかかるのでやむなく建て直しました。
きっと同じ理由で町屋を取り壊した人は多いのではないでしょうか。
家の近所の立派な町屋が取り壊されるのを何度となく見てきています。
また、私の実家の地域には西陣織に関係する会社や工場がいっぱいありました。
時代の移り変わりの中で西陣織を織る機織り機の音はいつの間にかしなくなり、
大きな工場はマンションや建売住宅になってしまいました。
記憶をたどっても昔立っていた建物や町の面影すら思い出せません。
当たり前すぎるものが無くなると思い出すことすらできなくなります。

私は私が好きな雰囲気、
京都だけでなく日本全体にある形や言葉にならない
当たり前のものが無くなっていかないか心配なのです。

偏った意見かしれませんが、
そんな気持ちが人工UMA「ヤマトグソクナマズ」の背景にはあります。
きっと今回一緒に展示する他の作家にもあると思います。
それが作品やテキストの行間から感じられる面白い企画
だと思うので是非多くの方にご高覧いただき
楽しんでいただきたいと思います。
5月30日からです。






■『人工UMA展』
- Artificial Unidentified Mysterious
Animal Exhibition -
  2018/05/30-06/10
  OPEN 12:00-18:00
※最終日のみ16:00まで
  期間中無休
http://www.combine-art.com/html/gallery/ga_schedule.php

■会場
  BAMI gallery
  〒600-8824
  京都市下京区二人司町21番地
  TEL 075-754-8154
  office@combine-art.com
http://combine-art.com/html/gallery/ga_access.php

■発表者
釜匠 (かま・たくみ33歳)
佐野曉 (さの・あきら37歳)
宮本大地 (みやもと・だいち27歳)
松本央 (まつもと・ひさし35歳)
遠藤良太郎 (えんどう・りょうたろう31歳)
太田夏紀 (おおた・なつき25歳)
岡部賢亮 (おかべ・けんすけ28歳)

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