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ザリガニのナイスガイ2


<ザリガニの作品制作のために作った簡易模型>




前回、数時間かけて選び抜いたモデルザリガニのナイスガイと美女ザリガニの2匹。

自宅に帰った私は早速水槽を設置し、3匹を放ちました。
大きな水槽の中を悠々と泳ぐザリガニ達。

子供の時から幾度となく魅了されたその姿に、私は本来の目的も忘れ魅入ってしまいました。


そして次の日、ナイスガイには早速モデルとしてのお仕事をしてもらいました。
スケッチ(裸婦?)に写真撮影等々…。

「少しの間やけどお世話になるな。モデルを終えたら3匹とも池に放ってあげるからな。」

そう言いながら作品を制作し始めました。




制作も順調に進み、ナイスガイ達が来て1週間以上経ったころ…


ナイスガイに悲劇が訪れました…




その日私はバイトに出かけていました。

いつものようにパソコンの前に座っていると突然携帯電話が鳴りました。


「なんか、ナイスガイの水槽が大変なことになってるで!」


私は急いで仕事を終え、帰宅しました。

そして水槽を覗き込むと…


最悪の事態が起こっていました。









なんと共食いです…









し・か・も…


餌食になったのは、水槽内の唯一もメンズであるナイスガイでした…


水槽内に残るナイスガイの美しい甲殻を見て、とてもやるせない気持ちになるとともにナイスガイに対して申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。






餌はきちんとあげていたのです。

水槽も、ザリガニが住むには贅沢過ぎる大きさと設備でした。



残った2匹の美女ザリガニ達を見て私は心の底から思いました。



やっぱり女性って強い…



ザリガニの特徴として、雄は雌を守ったり争ったりするために鋏が大きいんです。
それに比べて雌は鋏が小さいです。


それなのにナイスガイが喰われるなんて…


考えられることは一つです。

おそらくこの美女ザリガニは、2匹で協力してナイスガイを襲ったに違いありません。



…ほんとに女性はすごい。






女性の性別としての強さを象徴しているカマキリ。

カマキリが交尾をした後、そのまま雄は雌に食べられて栄養になってしまうのは有名な話しですよね。


実は幼少時代、私はこの事実が嫌で、交尾を終えた後に雄を救出したことがあります。

しかし…
次の日、雄は一人寂しく死んでいました…





以前お会いした時にルークさんが言っていた、

「いつか女性だけになる」

その言葉がずいずいと頭の中を巡るような、そんな出来事でした。




ごめんなナイスガイ。





初めてのザリガニの作品。


遺影になってしまいました(涙)

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ザリガニのナイスガイ




先月から制作しているF10号の作品。

モチーフは見ての通りザリガニです。

以前日記で書いたザリガニ釣りは、このモチーフであるザリガニを見つけにいくためのものでした。

しかし、それより以前に実はザリガニを三匹、近所の熱帯魚専門店にて購入していました。





アメリカザリガニ…

そのインパクトのある赤と黒の色彩と独特なフォルムで、外来種でありながら子供達のアイドル。


以前からザリガニを描きたい!

そう思っていた私はとにかく本物が見たいと思い、近所に熱帯魚専門店がないか捜索しました。


そうして見つけたお店で早速ザリガニを発見!!

しかもこれがすごい数!!

なんか大きな池に数十匹がひしめき合っているような状況で、少し気味が悪かったです…



その中から最高のモデルを見つけるべく、店員さんに

「すいません。ザリガニが欲しいんですが、この中から好きなのを選んでもいいんですかねぇ?」

「あ…。はい。いいですよ…。鋏まれないように気をつけてくださいね…」


少し怪訝な顔をされましたが、そんな事気にしてられません!


そして…


素晴らしいモデルに出会うために、池の前で数分…
成人男性がザリガニの池の前で数十分…
たまに子供連れのお母さんに気味悪がられながら数時間…
ついには店員からも変な目で見られ始めたその時!

一際大きな鋏を持った真っ赤なナイスガイを発見!


「こいつだ!!」


しかし、ちょっとでも目を離したら見失ってしまうほどの数。

店員さんを呼んでいる暇なんてない!

そして、私は!


思い切って数十匹のザリガニの中に手を突っ込みました!!
そして数匹のザリガニに幾度も鋏まれながら掴んだ栄光。


誇らしげに店員のもとへ行きました。


まさか自分で直接捕獲してくるとは思ってもみなかったんでしょう。

店員は最後に、変態でも見るような眼差しでお会計をしてくれました。



こうして最高のモデルを手に入れた私。


しかしふと思いました。

「このナイスガイにはこれから数ヶ月モデルとして協力してもらうことになる。
そう考えたら…
一匹寂しく水槽の中に居るなんてかわいそうや!」



そうしてその日、ナイスガイ以外に同居海老になってもらう美女海老を購入。
しかも二匹!!




ナイスガイ!!



最高のアバンチュール!









しかし

ナイスガイのための思いが、この後波乱を巻き起こすこととなったのです…


…つづく

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新作「浴室」
また新作発表です。




「浴室」 
パネルにジェッソ・アクリル絵の具
SM 22.7×15.8(cm)


前回アップさせていただいた
「個室」と同じくサムホールサイズの作品であり、
対となる作品です。

前回が‘陰’だとすると今回の作品は‘陽’ですかね。


どうします?
お風呂に入ろうとして、全裸になって扉を開けたらこんなん入ってたら…。






こっちはもうこれ以上ないぐらい無防備で、かつ‘召し上がれ’と言わんばかりの状態ですからね…

もちろん、なんとか逃げ込んだトイレにはオランウータンです(笑)





いつもは動物園にお邪魔させてもらっていますが、たまには動物達が家に遊びに来てくれました。
というコンセプト(妄想)で始めたこの作品達。

描いていたら想像(妄想)がどんどん膨らんできました!

大きな作品でリビングも描きたいし、寝室も…




…時間よ止まれ!!!!

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ミヒャエル・ゾーヴァ
先日、ずっと楽しみにしていた展覧会に行ってきました!




ミヒャエル・ゾーヴァ展
美術館 えき (京都駅内)で好評開催中です。



私はもともと‘好きな作家’というものが、これといって居ないんです。

‘好きな作品’というのなら沢山あるんですが、
その作者が好きかと聞かれたら、う~ん…となります。

そりゃ、尊敬する作家さんや憧れる作家さんは沢山居ますし、生き方のお手本にしたい作家さんも居ます。


しかしこのゾーヴァさんは特別思い入れがあります。
私のアーティストページの好きな作家の欄に唯一挙がっているのもゾーヴァさんです。


実は一度本人とすれ違った事があります!

4年前、大学3回生だった私は、これ以上ないほど制作に行き詰っていました。
というか制作をしていませんでした。
絵を描くのを辞めようと本気で思っていた頃です。


そんな時、JR京都駅の改札に置かれていたチラシにふと目をとめました。
そのチラシがこれ↓




一目で興味を持ちました。

「これは行くしかない!」

そして、後日朝一から展覧会に足を運びました。


平日の朝一という事で会場はガラガラでした。

その誰も居ない空間の中で私はとてつもなく興奮していました。


「こんな作品を描いている人がいたんや!」




見る作品見る作品、私の心に刻み込まれていきました。

あまりに興奮したので、出口に着いた後もう一度引き返し、
2往復したのを憶えています。


その後、軽い財布から有り金を全部搾り出して画集を購入。

その日の夜だけでも膨大な数のドローイングが描けました。


そして、チラシをもう一度よく読んでいると、
なんと!後日ゾーヴァさんがサイン会に来日されるじゃぁないですか!

もう一度行くつもりでいた私には願ったり叶ったり!



…しかし、当日どうしても済まさないといけない用事があり、会場に着いた頃にはサイン会は終了していました…。



サイン会は残念でしたが、作品をもう一度見たいと思っていた私は
うなだれながらも入口に向かいました。


すると…!!


なんと向こうから、サイン会を終えたであろうゾーヴァさんが歩いてくるじゃぁないですか!

画集で何度も見た顔なので間違いない!!

どうしようか!?


ここでサインはさすがに失礼やし、
う~ん!
でもせめて何か一言!!


そして私の横を通り過ぎようとしたその刹那!!

なんとか私の口から出た会心の言葉、イン イングリッシュ!!






「は、はろー」






ゾーヴァさんの横に居た数人の取り巻きの方たちが、私を見て怪訝な顔をしました。

私は冷や汗をかきながら
「やってしまった」と思いその場から立ち去ろうとしました。

するとゾーヴァさんは、
取り巻きの方たちを手で退け、私に向かい手を上げ一言


「ハロー」



画集の中と同じ、可愛いおじいちゃんのような笑顔でそう言ったゾーヴァさん。
絵と同様、優しい人柄を感じ取れました。


その出来事と、画集に描かれていた文章を読んだことによって

当時行き詰っていた私は、そっと背中を押してもらえた気がしました。



それからようやく制作をし始め、なんとか今に至ります。



あの展覧会がなかったら私は描いていなかったかもしれません。

そう思えるぐらい私には思い入れのある展覧会です。





4年振りに見た今回の展覧会。

以前見た作品も初めて見た作品も、今でも変わらず可愛らしくて



そんでもって、とても優しく感じました。









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いのちの食べ方
以前購入して、なかなか見れていなかったDVDを昨晩やっと見ることができました。
最近密かに話題になっているドキュメンタリー映画なのでご存知の方もいらっしゃるかと思います。




「いのちの食べ方」
監督:ニコラウス・ゲイハルター

以下内容紹介(引用)
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「いただきます」って、だれに言いますか?

「食」の不安は、「食」を知ることでしか解決できない!
きっと、誰かに教えたくなる。食べ物があなたの食卓に並ぶまでの、驚くべき旅。

私たち日本人が1年間に食べるお肉(牛・豚・鳥)は約300万トン。だれもが毎日のように食べている膨大な量のお肉。でも、そもそもお肉になる家畜は、どこで生まれ、どのように育てられ、どうやってパックに詰められてお店に並ぶのだろう? 本作は、そんな私たちの生とは切り離せない「食物」を産み出している現場の数々を描いたドキュメンタリー。世界中の人の食を担うため、野菜や果物だけでなく、家畜や魚でさえも大規模な機械化によって生産・管理せざるをえない現代社会の実情。ピッチングマシンのような機械で運ばれるヒヨコの群れ、わずか数秒で解体される魚、巨大なマジックハンドで揺すぶり落とされる木の実、自動車工場のように無駄なく解体される牛…etc。まさに唖然とするような光景の連続。その生産性の高さと、時に絵画のごとく美しい撮影に驚愕しつつも、改めて私たちが生きていることの意味が問い直される!
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―鮭の切り身が出来上がるまで―



この映画は本当にシンプルでした。
BGMも音声も一切ありません。ただ淡々と動物が機械や人の手によって成長させられ、解体されていく映像が流れていきます。

ですので、動物のうめき声等の生々しい音声がクリアーに聞こえてきます。

動物の他にも、トマト、ピーマン、アスパラ等の作物もどのように海外で大量生産されているかも見ることが出来ます。



―牛肉が出来上がるまで―



この映画を見ていて、ふと思い出した出来事がありました。

以前、子供絵画教室に勤めていた時に、課題で海の中に様子を描くというものがありました。
子供達は様々な形の魚を自由に画用紙上に描いていきました。

そんな時、ひとりの子供が
「僕、鮭が好きやから鮭描くわ!」と言い一生懸命画用紙に向かいました。

そして、そろそろ描けたかなと画用紙を覗き込むと、私は衝撃的なものを目の当たりにしました。

そこに描かれていたものは、鮭は鮭でも“鮭の切り身”でした。

その子は、鮭と言うものがスーパーで売っている切り身の状態で海に泳いでいると思っていたのです。




今日本は様々な情報が簡単に手に入る環境です。
しかし、無意味に溢れているだけの情報に揉まれながら生きていくことは本当に恐ろしいことだと感じます。

割り箸を使う日本人、エビを良く食べる日本人…
当たり前に暮らすだけで、他の国にどれだけ多大な犠牲を強いているかを再確認できます。


嫌われ者日本人。


これは宮崎県より先に、どげんかせんといかんです。





ちなみに、
私達が愛用するジーンズの裏で苦しむ、中国の工場に勤める少女達を描いた「女工哀歌」もすごいです。

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