February 6,2024
前回お伝えした通り今回は現在開催中の個展「枠を組む」に出品中の作品をいくつかご紹介したいと思います。
「キバタンのいる階層」 2024/木製パネルに綿布・アクリル絵の具/116.7×91cm(F50)
まずは今回の個展で一番大きな作品であり、新しい試みを取り入れた「キバタンのいる階層」です。
タイトルの通りメインモチーフはキバタンというオウムを描いており、そのキバタンが自然を模した階層(レイヤー)の中にいる様子を描いた作品です。
まるでお遊戯会の舞台や飛び出す絵本のような雰囲気で、描かれているレイヤーは全て張りぼてで出来ているように描いています。
作り物の舞台で偽りの自然の中に佇むキバタンは主役のスポットを浴びるように白く輝いて見えるよう表現しました。
私が従来描いてきた“キャビネット”の作品とは雰囲気が少し違いますが、根底に流れるテーマは同じで、枠組みや仕切りによって分断されたり制約された環境で生きる動物の姿を具現化した作品です。
この作品は新しい試みだったため参考模型をしっかり作成してから取り掛かりました。
この模型作りがかなり頭を悩ませました…
最初に下描きを描き、その下描きを元に模型を作るのですが、下描きはあくまで2次元なので模型で3次元に変換する際に辻褄があわない箇所が多々あります。
しかし、これこそが模型を作る一番の目的であり、自分の考えた想像世界が実在するためにはどこに注意をするべきかを確認することが出来ました。
模型も作品の横に展示しておりますので是非こちらもあわせてご覧ください🐔
「絵画の裏側」 2024/木製パネルに綿布・アクリル絵の具/53×45.5cm(F10)
こちらの作品はタイトル通り「絵画の裏側」を描いたものです。
普段は決してスポットライトが当たることのないキャンバスパネルの裏側を主役にした作品で、15年間いつも作品の裏側から支え続けてくれた裏方にスポットを当てたいと思い制作しました。
また、もう一つのメッセージとして、絵画作品に関わらず美術作品というものは市販品によって作られる事がほとんどです。
画材店に売っているキャンバスに画材店に売っている絵具と筆で絵を描くという点では、絵画作品というのは有名無名に関わらず同じ物質で出来ているにすぎません。
それなのにも関わらず、一方は数千万や数億円になり、かたやもう一方は一銭の価値も持たないという事が起きます。
一体“価値”とは何なのだろうかという問いを込めた作品にしたいという思いも込めてこの作品を制作しました。
ただ、これは決してネガティブな自虐としての作品ではなく、どちらかと言うと「だからこそ美術は面白い」という思いで描いています。
こちらも作品の横に実際のキャンバスパネルの裏側も展示しておりますので、そちらもあわせてご覧ください🐘
少し長くなりましたので続きはまた次回のブログでご紹介させていただきます。
どうぞ引き続きお付き合いください。
そして、個展は開催中となっておりますのでどうぞお越しください!
個展開催中は私も会場におりますので是非お気軽にお声がけください。
↓以下展覧会詳細↓
■釜匠 デビュー15周年記念個展
《枠を組む》
■2024.02.02 (fri) - 2024.02.19 (mon)
OPEN 13:00 - 18:00
※最終日16時閉廊
■BAMI gallery
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