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綴られる世界
本日は明日5月14日より始まります個展、

「綴られる世界」の搬入飾り付けでした。

全9点の展示となります。

ご都合よろしければ是非ご高覧ください。











今回は私が最近力を入れているレースをモチーフにした作品を発表いたします。
私は、はじめレースを自分の絵を構成する要素、モチーフの一つとしてしか見ていませんでした。
しかし、何作かレースをモチーフにした作品を描いたときに、なぜこのモチーフに自分は惹かれたのか、その意味を考えるようになりました。






そして、レースの成り立ちや作り方を調べたり、教えていただいたりする中で、私がレースをモチーフに描くべき理由が見つかったような気がしました。
その理由は大きく2つあります。

1つ目の理由は、レースを油絵で描くことで遠い過去の存在である昔の画家たちと私が精神的なつながりを持てたように思えたことです。
レースは私が憧れている17世紀の西洋絵画の中にもよく登場します。王侯貴族の襟や衣服の装飾としてもよく使われ、その緻密な模様は絵に華やかな印象を与えています。その反面、レースは描くのに非常に手間がかかるのだろうなぁと私は描くことは敬遠していました。





以前に私の憧れの画家であるレンブラントの肖像画を摸写する機会がありました。
その肖像画にはしっかりとレースが描かれていましたので私も描かざるを得ない状況になり、試行錯誤し何とかそのレースの部分を描きあげました。
その時にレンブラントと同じことができたという絵描きとしての自信と喜び、何とも言えない達成感を得ることができました。
それと同時に、彼らが絵画で綴ってきた世界の一端を受け取ったようにも感じました。





2つ目の理由は、手編みのレースの制作方法を知った時にあります。
レース編みは一本の糸で編まれていること、はじめは糸で小さな輪(円)を作るところから始めるところ、どこまでも広げていくことが可能なこと、ほどけば元の一本の糸に戻すことができること、を知りました。
このレース編みの構造や制作過程を知ったとき私はすごく感動しました。
それはレース編みの構造が、私が日頃から考えていたこととよく似ていると思えたからです。
人や物事の出会いやつながりによって私が社会の中で存在でき、そのつながり(目に見えるものだけでなく見えないものも含めた)によって私という人間が形作られている。
始まりは小さなきっかけや出会い(縁)にすぎないかもしれないがその積み重ねで現在の自分がある。
この考えとレース編みの構造が結びついたときに、私の中でレースをモチーフとして選択する意味が大きくなったように思います。






糸によって綴られ、緻密な模様を表現するレースは、その上に置かれたものや周りを明るく華やかに引き立てるだけでなく、ふと眺めたときにその裏側にある構造についても少し考えさせられる。レースは私にとってそのようなモチーフあり、今回の発表する私の作品が皆様にとってもそうであれば幸いです。

松本央 「綴られる世界」
2021.05.14 (fri) - 2021.05.24 (mon)
at BAMI gallery
OPEN 12:00~18:00
※最終日午後4時閉廊




さらに今回はオンラインショップとの

連動企画にもなっておりこちらからも

個々の作品をより詳しくご覧いただく

ことができますのでぜひご確認ください!

オンラインショップ




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本日スタートです!ルート2
昨日搬入を終え、

飾り付けが無事終了いたしました。

本日より、広島にある福屋八丁堀本店

7階美術画廊にて、

私の個展「ルート2」が開催されます。

会場の様子を写真に収めましたので

公開させていただきます。

私も15日までは会場におりますので、

是非会場でもご高覧いただければ、

と思います。

よろしくお願いいたします。


新作の個々の作品の詳細についてはTwitterに

あげていますので、

Twitterもご確認下さい。

よろしければフォローもお願い致します。

Matsumoto HIsashi @hisa69
















































新作のレースと林檎を描いた50号の大作です。

実はこの中のモチーフのリンゴには

本物が一つしかありません。

あとはフェイクフルーツです。

是非探してみてくださいね。



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個展のお知らせ Route2
フェルメールの摸写の投稿が途中ですが、

個展のお知らせです。

3月11日より広島県の福屋八丁堀本店さん

にて個展を開催させていただきます。

宜しくお願い致します。



「呉 造船所」455×530mm F10  
パネルキャンバスに油彩

あの戦艦大和も作っていた造船所です。
今も新しい船を建造中のようでした。
ブラタモリでも呉の街が紹介されていて
思わず見てしまいました。
今こうやって建造中の船を普通に見れる
ことができなかった時代があったのだと。
初めて知りました。







松本央油彩画展 Route2(ルート2)

私は、西洋古典絵画に憧れその技法を

ベースに時代や地域の差を超える作品を

目指し制作しています。

広島も私の生まれ育った京都も長い歴史

のある国際都市です。

そこで出会った素晴らしい事物や風景を、

自分なりに解釈も加えつつ、

次の新しい時代へつなぐように願いをこめ

作品を制作いたしました。

国道2号線が広島から、京都を結ぶように、

今回の展示が皆様と私の作品とを

つなぎ、過去、現在、未来とを結ぶ道の一つ

となれば幸いです。

会期 2021年3月11日(木)~3月17日(水)
会場 福屋八丁堀本店7階美術画廊

福屋八丁堀本店



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フェルメール模写-トレース~第一層目-

続きです。前回→フェルメール模写する作品決定。


では実際に描いていきます。



まず元になる画像を拡大コピーしてキャンバスに貼り付け、様子を見ています。複数枚に及ぶので、切ったり貼ったりチリ合わせが大変。
画像はインターネット上にかなり高精細なものがあるのでそれを使用していますが、実物を見たときの印象に近づけるのが第一優先です。





次に拡大した画像のコピーを繋げます。
この後トレースしキャンバスに写します。これだけでもまあまあ大変。もっと文明の利器に頼ればいいのでしょうが…。






トレース終了。
画像は見えづらいので加工してます。
あまり細部まで描きこまず(どうせ後で消えてしまうので)大まかな配置を画面上に記す程度にしておきます。






今回フェルメールを模写するにあたって有色下地やグリザイユから始めませんでした。

理由としては3つあります。


①.この後、絵の具層をどんどん重ねていくため。


②.常に全体の印象を確認しながら進めたいので作業効率を優先し
た。


③.①の過程で結果として同じような作業を繰り返すためです。





ここから下層描きへ移ります。
バーントアンバーやバーントシェンナなど茶系の絵の具で明暗や陰影を確認しながら塗り進めます。白はまだ使いません。溶き油は揮発性の油がほとんどです。この辺りは勢いが大事です。
全体の明暗のバランスにのみ注意します。




茶系はこの2色がお気に入りです。
ホルベインのヴェルネとムッシーニです。どちらも顔料の粒子が細かく発色も良いです。地味な色ではあるからこそ良いものを使った方が良いです。他に良いのがあれば乗り換えるかもしれませんが…。






ざっくりと、全体に色をのせ調子をみる。この段階では陰影重視で。細部は全然描きこんでいません。キャンバスの白地を生かした濃淡で描いていきます。カマイユってところでしょうか。







第一層目が終了です。料理でいうと下処理が終わったところです。
手前の人物と奥の女性との距離を出したかったため加筆。左から差し込む光や空間が出てきたように思う。茶系のみで描いているのは黒を使ってしまうとついつい暗くし過ぎてしまうため最暗部に対して限界をわざと作っています。



最後に私の普段使ってる絵具たちを紹介して終わります。
これでほぼ全ての色をつくります。




絵の具はたくさんの色が売っていますが、正直使いません。やたらと色を揃えても使いこなせ無ければ意味がありません。色数揃えるくらいならよく使う絵具の質を上げたほうがマシです。
緑が無いですが、混ぜたらできますので不用です。

次回は2層目、白も使いながらモデリングに入ります。

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フェルメール模写する作品決定。
明けましておめでとうございます。

いよいよ2021年が始まりました。

年末にいろいろと整理していましたら、昨年は36点の作品を描いておりました。最多の制作数になります。当サイトの私のページのworks
より確認することができますので是非見て見てください。
昨年はコロナの関係で、私自身いろんなもの今までの在り方の見直しを迫られる機会が多くありました。今年はより多くの方に私自身のことや自身のことや、作品を知ってもらう機会を増やしていこうと考えております。ブログの更新頻度も挙げていきたいと思いますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、前回投稿からからずいぶん期間が空いてしまいましたが、フェルメール模写の続きを書いていきます。


まず、今回模写する作品ですが、こちらのフェルメールのマスターピースである「絵画芸術」に決めました。フェルメールの「絵画芸術」に関するあれこれを書くと長くなるので気になる人はグーグル先生にて調べてください。



絵画芸術 (フェルメールの絵画)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』



私がこの作品を選んだ最大の理由は、この目で実際に見たことがある作品であることです。フェルメールの他の作品も見たことがありますが、(よく日本で展覧会やってますので)この絵ほど記憶や印象に残っていないのでこれにしました。確か神戸の美術館で見た記憶があります。色んな作品が展示してありましたが、この作品だけ画中に吸い込まれるような感覚に陥ったのでよく覚えています。何とかその時受けた印象や感覚が再現できるように努力するつもりです。


フェルメールの模写で触れておかざるを得ない作品が一つあります。
本当にフェルメールの完全な技法の再現が見たければこちらの映画作品をお勧めします。


フェルメールの謎 ~ティムの名画再現プロジェクト~ (字幕版)



素人が途方もない時間をかけフェルメールの絵画技法を再現しようとした実験です。
私も観ましたがこの映画に近い方法を使っていると思います。かなり核心に迫っていると思うので興味あれば一度鑑賞されることをお勧めします。

しかし、私が行う今回の模写では描画材料や技法上の制約などもあるので完全に彼の製作工程の一つ一つを追うようなやり方はしません。
現在の作品の表面からわかることを手掛かりに、私なりのやり方も加えつつ、現在手軽に入手できる道具を使いどうすれば彼らのような絵画作品を描くことができるのか、また再現することができるのか、といったようなことを試行錯誤しながら取り組んでいきます。
この記録が西洋の古典画家のような作品を描こうと一人で勉強していた大学時代の自分のような人たち、これから絵画や油絵をはじめたいと考えている人たちの参考となれば幸いです。
次回はいよいよ実際に作品の模写へと入っていきま

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