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フェルメール模写-トレース~第一層目-

続きです。前回→フェルメール模写する作品決定。


では実際に描いていきます。



まず元になる画像を拡大コピーしてキャンバスに貼り付け、様子を見ています。複数枚に及ぶので、切ったり貼ったりチリ合わせが大変。
画像はインターネット上にかなり高精細なものがあるのでそれを使用していますが、実物を見たときの印象に近づけるのが第一優先です。





次に拡大した画像のコピーを繋げます。
この後トレースしキャンバスに写します。これだけでもまあまあ大変。もっと文明の利器に頼ればいいのでしょうが…。






トレース終了。
画像は見えづらいので加工してます。
あまり細部まで描きこまず(どうせ後で消えてしまうので)大まかな配置を画面上に記す程度にしておきます。






今回フェルメールを模写するにあたって有色下地やグリザイユから始めませんでした。

理由としては3つあります。


①.この後、絵の具層をどんどん重ねていくため。


②.常に全体の印象を確認しながら進めたいので作業効率を優先し
た。


③.①の過程で結果として同じような作業を繰り返すためです。





ここから下層描きへ移ります。
バーントアンバーやバーントシェンナなど茶系の絵の具で明暗や陰影を確認しながら塗り進めます。白はまだ使いません。溶き油は揮発性の油がほとんどです。この辺りは勢いが大事です。
全体の明暗のバランスにのみ注意します。




茶系はこの2色がお気に入りです。
ホルベインのヴェルネとムッシーニです。どちらも顔料の粒子が細かく発色も良いです。地味な色ではあるからこそ良いものを使った方が良いです。他に良いのがあれば乗り換えるかもしれませんが…。






ざっくりと、全体に色をのせ調子をみる。この段階では陰影重視で。細部は全然描きこんでいません。キャンバスの白地を生かした濃淡で描いていきます。カマイユってところでしょうか。







第一層目が終了です。料理でいうと下処理が終わったところです。
手前の人物と奥の女性との距離を出したかったため加筆。左から差し込む光や空間が出てきたように思う。茶系のみで描いているのは黒を使ってしまうとついつい暗くし過ぎてしまうため最暗部に対して限界をわざと作っています。



最後に私の普段使ってる絵具たちを紹介して終わります。
これでほぼ全ての色をつくります。




絵の具はたくさんの色が売っていますが、正直使いません。やたらと色を揃えても使いこなせ無ければ意味がありません。色数揃えるくらいならよく使う絵具の質を上げたほうがマシです。
緑が無いですが、混ぜたらできますので不用です。

次回は2層目、白も使いながらモデリングに入ります。

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