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ルート9巡環
個展のお知らせです。

来月8月5日より島根県の松江一畑百貨店さん

にて個展を開催させていただきます。

一昨年も同タイトルにて個展をさせていただき

ました。

今回も島根県を中心に現地にて取材を行い制作

した風景作品を中心に発表させていただく予定

です。ご高覧のほどよろしくお願いいたします。





「平田駅」 F10号 パネル、キャンバスに油彩
出雲大社に向かう一畑電鉄の駅である、雲州平田駅を描きました。いまも現役の車両から引退した古い車両が整備され車庫に収まっています。ここは人々の行きかう駅のホームであると同時に車両にとっての家でもあるのです。



「伯耆富士大山」 F10号 パネル、キャンバスに油彩
鳥取県にある大山を描きました。
大山は見る角度によって大きく表情を変える山だと思います。
伯耆富士と言われるように富士山に見える角度もあり、現場に行って確かにそう見えるなぁと一人で納得していました。



「出雲平野築地松」 F8号 パネル、キャンバスに油彩
斐川町周辺の築地松の風景です。
家の北側、西側に配置され強い季節風から家を守る役割をします。きれいに刈り込まれた松林は、角刈りの頑固親父のような威厳を感じます。



「宍道湖夕暮れ」 F6号 パネル、キャンバスに油彩
宍道湖は夕日の名所としてしられています。建物などの遮蔽物がないので山の稜線に消え行く夕日を拝むことができます。描いてはいませんが近くに大きなお地蔵さんがあります。



「朝の宍道湖」 F10号 パネル、キャンバスに油彩
宍道湖の早朝シジミ漁の様子を描きました。偶然にも取材の滞在中に見ることができました。地元の人からしたら日常の風景なのかもしれませんが、少しでも時間や日にちのタイミングずれればこの風景に出会うことはなかったでしょう。



「稲佐の浜から三瓶山を望む」 
F10号 パネル、キャンバスに油彩
出雲大社のすぐ近くにある稲佐の浜より見た三瓶山を描きました。遠くに見える山が三瓶山です。近くの大きな岩は弁天島です。そこには鳥居と社があり、お参りしている人も見かけました。



■ブログhttp://combine-art.com/html/blog/matsumoto/post/blog.php?post_id=2511

松本央油彩画展「ルート9 ‐巡還‐」

私の生まれ育った京都市から始まり、ここ島根県にも通じている国道9号線になぞらえ、私の作品と島根の風景とを結ぶべく、島根県を中心に取材を行い、そこで出会った風景を作品にさせていただきました。今回の個展に臨むにあたり、改めて取材を行う中で新しい発見や素敵な出会いがありました。それらの巡り合わせを作品に還元し皆様へお届けできれば幸いです。

2021年 8/5(木)~8/11(水)作家全日在廊
※最終日は午後4時にて閉場

一畑百貨店5階美術サロン
http://www.ichibata.co.jp/dept/

tel(0852)55-2523
〒690-8555松江市朝日町661

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綴られる世界
本日は明日5月14日より始まります個展、

「綴られる世界」の搬入飾り付けでした。

全9点の展示となります。

ご都合よろしければ是非ご高覧ください。











今回は私が最近力を入れているレースをモチーフにした作品を発表いたします。
私は、はじめレースを自分の絵を構成する要素、モチーフの一つとしてしか見ていませんでした。
しかし、何作かレースをモチーフにした作品を描いたときに、なぜこのモチーフに自分は惹かれたのか、その意味を考えるようになりました。






そして、レースの成り立ちや作り方を調べたり、教えていただいたりする中で、私がレースをモチーフに描くべき理由が見つかったような気がしました。
その理由は大きく2つあります。

1つ目の理由は、レースを油絵で描くことで遠い過去の存在である昔の画家たちと私が精神的なつながりを持てたように思えたことです。
レースは私が憧れている17世紀の西洋絵画の中にもよく登場します。王侯貴族の襟や衣服の装飾としてもよく使われ、その緻密な模様は絵に華やかな印象を与えています。その反面、レースは描くのに非常に手間がかかるのだろうなぁと私は描くことは敬遠していました。





以前に私の憧れの画家であるレンブラントの肖像画を摸写する機会がありました。
その肖像画にはしっかりとレースが描かれていましたので私も描かざるを得ない状況になり、試行錯誤し何とかそのレースの部分を描きあげました。
その時にレンブラントと同じことができたという絵描きとしての自信と喜び、何とも言えない達成感を得ることができました。
それと同時に、彼らが絵画で綴ってきた世界の一端を受け取ったようにも感じました。





2つ目の理由は、手編みのレースの制作方法を知った時にあります。
レース編みは一本の糸で編まれていること、はじめは糸で小さな輪(円)を作るところから始めるところ、どこまでも広げていくことが可能なこと、ほどけば元の一本の糸に戻すことができること、を知りました。
このレース編みの構造や制作過程を知ったとき私はすごく感動しました。
それはレース編みの構造が、私が日頃から考えていたこととよく似ていると思えたからです。
人や物事の出会いやつながりによって私が社会の中で存在でき、そのつながり(目に見えるものだけでなく見えないものも含めた)によって私という人間が形作られている。
始まりは小さなきっかけや出会い(縁)にすぎないかもしれないがその積み重ねで現在の自分がある。
この考えとレース編みの構造が結びついたときに、私の中でレースをモチーフとして選択する意味が大きくなったように思います。






糸によって綴られ、緻密な模様を表現するレースは、その上に置かれたものや周りを明るく華やかに引き立てるだけでなく、ふと眺めたときにその裏側にある構造についても少し考えさせられる。レースは私にとってそのようなモチーフあり、今回の発表する私の作品が皆様にとってもそうであれば幸いです。

松本央 「綴られる世界」
2021.05.14 (fri) - 2021.05.24 (mon)
at BAMI gallery
OPEN 12:00~18:00
※最終日午後4時閉廊




さらに今回はオンラインショップとの

連動企画にもなっておりこちらからも

個々の作品をより詳しくご覧いただく

ことができますのでぜひご確認ください!

オンラインショップ




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本日スタートです!ルート2
昨日搬入を終え、

飾り付けが無事終了いたしました。

本日より、広島にある福屋八丁堀本店

7階美術画廊にて、

私の個展「ルート2」が開催されます。

会場の様子を写真に収めましたので

公開させていただきます。

私も15日までは会場におりますので、

是非会場でもご高覧いただければ、

と思います。

よろしくお願いいたします。


新作の個々の作品の詳細についてはTwitterに

あげていますので、

Twitterもご確認下さい。

よろしければフォローもお願い致します。

Matsumoto HIsashi @hisa69
















































新作のレースと林檎を描いた50号の大作です。

実はこの中のモチーフのリンゴには

本物が一つしかありません。

あとはフェイクフルーツです。

是非探してみてくださいね。



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個展のお知らせ Route2
フェルメールの摸写の投稿が途中ですが、

個展のお知らせです。

3月11日より広島県の福屋八丁堀本店さん

にて個展を開催させていただきます。

宜しくお願い致します。



「呉 造船所」455×530mm F10  
パネルキャンバスに油彩

あの戦艦大和も作っていた造船所です。
今も新しい船を建造中のようでした。
ブラタモリでも呉の街が紹介されていて
思わず見てしまいました。
今こうやって建造中の船を普通に見れる
ことができなかった時代があったのだと。
初めて知りました。







松本央油彩画展 Route2(ルート2)

私は、西洋古典絵画に憧れその技法を

ベースに時代や地域の差を超える作品を

目指し制作しています。

広島も私の生まれ育った京都も長い歴史

のある国際都市です。

そこで出会った素晴らしい事物や風景を、

自分なりに解釈も加えつつ、

次の新しい時代へつなぐように願いをこめ

作品を制作いたしました。

国道2号線が広島から、京都を結ぶように、

今回の展示が皆様と私の作品とを

つなぎ、過去、現在、未来とを結ぶ道の一つ

となれば幸いです。

会期 2021年3月11日(木)~3月17日(水)
会場 福屋八丁堀本店7階美術画廊

福屋八丁堀本店



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フェルメール模写-トレース~第一層目-

続きです。前回→フェルメール模写する作品決定。


では実際に描いていきます。



まず元になる画像を拡大コピーしてキャンバスに貼り付け、様子を見ています。複数枚に及ぶので、切ったり貼ったりチリ合わせが大変。
画像はインターネット上にかなり高精細なものがあるのでそれを使用していますが、実物を見たときの印象に近づけるのが第一優先です。





次に拡大した画像のコピーを繋げます。
この後トレースしキャンバスに写します。これだけでもまあまあ大変。もっと文明の利器に頼ればいいのでしょうが…。






トレース終了。
画像は見えづらいので加工してます。
あまり細部まで描きこまず(どうせ後で消えてしまうので)大まかな配置を画面上に記す程度にしておきます。






今回フェルメールを模写するにあたって有色下地やグリザイユから始めませんでした。

理由としては3つあります。


①.この後、絵の具層をどんどん重ねていくため。


②.常に全体の印象を確認しながら進めたいので作業効率を優先し
た。


③.①の過程で結果として同じような作業を繰り返すためです。





ここから下層描きへ移ります。
バーントアンバーやバーントシェンナなど茶系の絵の具で明暗や陰影を確認しながら塗り進めます。白はまだ使いません。溶き油は揮発性の油がほとんどです。この辺りは勢いが大事です。
全体の明暗のバランスにのみ注意します。




茶系はこの2色がお気に入りです。
ホルベインのヴェルネとムッシーニです。どちらも顔料の粒子が細かく発色も良いです。地味な色ではあるからこそ良いものを使った方が良いです。他に良いのがあれば乗り換えるかもしれませんが…。






ざっくりと、全体に色をのせ調子をみる。この段階では陰影重視で。細部は全然描きこんでいません。キャンバスの白地を生かした濃淡で描いていきます。カマイユってところでしょうか。







第一層目が終了です。料理でいうと下処理が終わったところです。
手前の人物と奥の女性との距離を出したかったため加筆。左から差し込む光や空間が出てきたように思う。茶系のみで描いているのは黒を使ってしまうとついつい暗くし過ぎてしまうため最暗部に対して限界をわざと作っています。



最後に私の普段使ってる絵具たちを紹介して終わります。
これでほぼ全ての色をつくります。




絵の具はたくさんの色が売っていますが、正直使いません。やたらと色を揃えても使いこなせ無ければ意味がありません。色数揃えるくらいならよく使う絵具の質を上げたほうがマシです。
緑が無いですが、混ぜたらできますので不用です。

次回は2層目、白も使いながらモデリングに入ります。

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