チャワンムシ 楽茶碗と昆虫
April 29,2023
チャワンムシ 空蝉 作品詳細はコチラ→https://x.gd/0plO9
今年になってから作っている新作、「チャワンムシ」シリーズ。
この数年は小橋が作品のコンセプトやストーリーに即して見つけてきたレディメイドと昆虫の立体とのアッサンブラージュで制作していましたが
茶碗に昆虫をというアイデアをきっかけに
昆虫立体の支持体(茶碗)も作ろうと考えて(特に茶碗に関しては思うものが現状存在しえなかったし、割って継ぎなおす工程が必要だったこともあり)抹茶茶碗も制作しました。
小橋二十有余年の陶芸人生でかつてなく真面目に「茶碗」と向き合っています。
土つくりから、釉薬の調合に悩みながら、楽茶碗用に小さな窯を作り、炭火で一つずつ丁寧に焼きました。
楽焼は一般的な陶芸の窯と違って仕上がりを目視確認しながら一つずつ焼くので、同様の手法でこれまで地面や平面を焼いて作品を作ってきた僕からすると相性がとてもいいと感じました。
そもそも楽茶碗の根底にある禅的思想というのは小橋の作品全体を通しての大きなテーマにもつながっています。
同時に利休、長次郎という人たちがこのような態度によって制作する茶碗というものの高度な精神性の在り様に実践を持って思いをはせることもできてとても幸せな制作でした。
この方向性は今年大事にしていきたいなと思いました。
この茶碗の欠片は作品が誰のもとに行ったとしても、小橋の手元で大切に保管されます。
作品と欠片、作者、持つ人との関係性を見えない線でつなぎつづける作品でもあります。
5月12日~14日に開催されます神戸アートマルシェ2023に出品いたします。
2023年の昆虫作品の新シリーズ チャワンムシの新作と
新しい作品「横たわる大根」を数点出品いたします。
神戸メリケンパークオリエンタルホテル13F
1330号室:COMBINE/BAMIgallery
です。
COMBINE/BAMIgallery@神戸アートマルシェ公式ページ
https://art-marche.jp/2023/gallery/combine%ef%bc%8fbami-gallery/
出品作品は
COMBINE/BAMIgalleryのサイトにて先行してご覧いただけます。
以下リンク
↓↓↓↓
https://x.gd/oRHjo
ぜひご高覧いただきますようよろしくお願い申し上げます。
■展覧会詳細
KOBE ART MARCHE 2023
https://art-marche.jp/2023/
2023.05.12(fri) - 5. 14(sun)
11:00~19:00
神戸メリケンパークオリエンタルホテル13F
チケット¥1000(3日通し券)
会場での当日販売の他にオンライン上での事前販売も予定しております。
詳しくは公式ウェブサイトをご覧ください。
〒650-0042
兵庫県神戸市中央区波止場町5-6
JR、 阪急、阪神、地下鉄「三ノ宮」駅より車で約10分(無料シャトルバスあり)
蟻13匹
February 25,2022
アートフェア東京2022での展示の
もうひとつのメイン作品のご紹介です。
最後の晩餐または13仏
「最後の晩餐または13仏」
約H73×W91×D4cm(30号F、パネル含む)
約H81×W101×D9㎝(アクリルケース額装)
昆虫部分:陶(備前土)
パネル部分:パネルに陶土・珪酸ジルコニウム・釉薬(部分的に高火度焼成)
2022
蟻のシリーズです。
思えば。。
2016年、長野のロマン美術館企画展でのインスタレーションの一部として制作をはじめた蟻。
http://combine-art.com/html/blog/masaaki/post/blog.php?post_id=2104
↑当時のブログの記事
2016年末の京都での個展では、インスタレーション:盛塩に群がる蟻 となり、
http://combine-art.com/html/blog/masaaki/month/blog.php?year=2016&month=12
↑当時のブログの記事
日本陶磁協会発刊「陶説」2017年2月号
2017年には作品「生きる喜び」となりました。ありがとう(蟻が10匹)
2017年末には一輪の蓮に寄り添う一つのいのちとして
http://combine-art.com/html/blog/masaaki/month/blog.php?year=2017&month=12
↑当時のブログの記事
2018にはブリキ箱の中に
2019年には精度をあげるべく一匹ずつの蟻を作りながら、六匹の作品、「六字名号」を作りました。
または瓶を世界に見立てて、死んだ蟻の入った瓶など
http://combine-art.com/html/blog/ueyama/post/blog.php?post_id=2417
↑当時の20年アートフェア東京2020(中止)出品作に関する上山さんのブログの記事
2020年末にはついにクロオオアリを飼い始め
2021年、蟻18匹の作品(羯諦)になりました。
2021年5月1日発行 炎芸術2021 夏 特集「いきもの」造形最前線(阿部出版)より
https://www.amazon.co.jp/dp/4872426215/
そしてまた一匹の蟻
「そこにそれがある=蟻=」に立ち戻り、
2022年、2月。13匹の蟻の作品に至っています。
家で飼っている蟻は今50匹ほどにまで増えました。いまは越冬中。
「最後の晩餐または13仏」については13という数字、背景のことについて少し解説をしてみようと思います。
13匹は「最後の晩餐」イエスと12人の弟子ですが
同時に 大日如来を中心とした13の菩薩と如来、「13仏」でもあります。
13日の金曜日など、忌み数として有名ですが
13は忌み数であると同時に、神聖な数字なのです。
神聖な数字だから忌み数ともされるという見方もあるのではないでしょうか。
素数ということもあり不可触なイメージを持つのではないでしょうか。
トランプでも13は重要な数字です。
トランプで「時計」という一人遊びがあるのですが
12はこれらの中心となるもう一つの点によって統合されています。
見えない1によって12が成り立っているのです。
蟻の背景となる土のパネルは何もないけど何かで満たされた空間です。
真っ白な土の一部分を1200℃の高温で焼くと、最高温度の中心部は融け灰と土が化合することでガラス化し、その周辺に向かうにしたがって温度は低くなっていくことで、それぞれの温度帯で起きる化学変化が特徴を持って目に見える変化となって画面上に表現されます。焼成の痕跡は、ミクロに起きている化学変化の顕在化なのです。
何もないけど何かで満たされた空間のよどみの中に変化が生まれ、それが可視化され、認識できるという現象が、この世の「存在」というものではないかと思ってこのような焼成の化学変化とその顕在化をパネルの上に持ってきているのですが
このような変化という概念を持たせた背景は並んでいる蟻に対して形而上学的な関係を持っていて
無意識、形而上学的という意味ではシュルレアリスムの影響を受けているのかもしれません。
全体の構図はinsectopiaと対応させています。
胎蔵界金剛界曼荼羅のような関係性を持っているというイメージで展示は構成しています。
これは僕の作品制作の動機に当たる部分といった方がよいかもしれません。
普遍的な動機による制作の結果は、あらゆる物語に通じていて、あらゆる見方を許すものだと思っています。
この作品もアートフェア東京2022に展示予定です。ぜひご高覧のほどよろしくお願い申し上げます。。。
■Art Fair Tokyo 2022 出品します■
ロビーギャラリー/ギャラリーズ
★COMBINE/BAMI gallery【ブースNO:L015】
【ギャラリー/作品紹介ページ】
https://artfairtokyo.com/2022/galleries/607
★【小橋の出品作品】
https://artfairtokyo.com/artworks?artistName=%E5%B0%8F%E6%A9%8B+%E9%A0%86%E6%98%8E&button=&fair_id=18&era=&gallery_id=607
★開催日時 2022年3月10日(木)−13日(日)
〇2022年3月10日(木)
プレスビューイング(11:00~)
プライベートビューイング(12:00~)
ヴェルニサージュ(16:00~19:00)
〇2022年3月11日(金)
パブリックビューイング 11:00~19:00
〇2022年3月12日(土)
パブリックビューイング 11:00~19:00
〇2022年3月13日(日)
パブリックビューイング 11:00~16:00※
★会場
東京国際フォーラム
ホールE/ロビーギャラリー
東京都千代田区丸の内3-5-1
”insectopia”
February 14,2022
2022のアートフェア東京、COMBINE/BAMI galleryブースでの展示で小橋のメインになる作品
「insectopia」が完成しました。
"insectopia"
小橋順明
2022
約H73×W91×D10cm(30号F、パネル含む)
約H81×W101×D13㎝(アクリルケース額装)
昆虫部分:陶(備前土・磁器土・プラチナ釉裏彩・金彩・ラスター)
パネル部分:パネルに陶土・珪酸ジルコニウム・釉薬(部分的に高火度焼成)
2022
3段階くらいの距離感と9個くらいの焦点と3つくらいの視点で見てはじめて物理的な内容がわかるような作品になってます。しかも縦でも横でもどの辺が上になっても成立する作品にしました。解像度を変えながら見ていくとタダの白いところも「何もない」けど「何もない」わけではなし、内容的にもいくつかの見方があると感じていただけるといいなと思います。
とにかく、写真ではなかなか内容が伝わりにくいものになってます。
ぜひ直接見ていただけたらいいなあと思のですが。。。
今回の小橋のAFT2022での展示のテーマタイトルも「insectopia」です。
短編集のタイトルと短編集の中の(短編集全体を象徴するような)一つの物語、のような関係のつもりです。
これまでの昆虫作品を総括すると同時に
これからの展開を象徴するタイトルになっているかなと思います。
insect(昆虫) topia(場所・里)
という2つの言葉を合わせた造語ですが
・昆虫の世界とわたしたちの世界
・昆虫の命の所在の不明(のように見える)
・「昆虫の世界を見るわたしたち」という視点・立場
というような、僕が作品を作るときに考えていることを込めました。
つまり
ここにあるのは「世界」なのだということ。
そうはいっても
鑑賞する方は、その人の資質や文脈を持って
自由に、(でも真剣に、または楽しんで)見ていただけたらと思います。
どのように見ていただいたとしても(真剣に向き合ってくださる限りは)
認識が千差万別であったとしても、例えば先入観があろうと、誤解や曲解が生まれようと、
無意識下で起きている出来事は普遍性を持っていると僕は思っていて
感想や思考などで自覚できる認識や言語は、これらの「出来事」から表出してきた、
結果的な生成物であって、作品を取り巻く現象そのものは別の次元で起こっている気がしています。
だから
僕が欲しいのは対峙しているという「状況」で
鑑賞の瞬間・鑑賞の時間・観察・思考
の時に生まれる
無自覚(無意識下)の出来事だったりします。
そういう意味では
目の前にあるのは昆虫(形象)ですが
昆虫というモチーフ自体触媒に過ぎないのかもしれないです。
じゃあ昆虫じゃなくても、なんでもいいじゃないかと言われたら、そうかもしれないのですが、、
でも、そうじゃないからこうして作っているはずで
大きく作品の存在意義から見たときには
土や焼き物や昆虫といった作品を構成する要素が、どれも必然だけども、どれとも言えないくらいに「一部」になっていてほしいと願って制作に取り組んでいるということです。
モチーフやテーマは大きく言えば縁ともいえるし
結果的にかもしれませんが、昆虫じゃないとできなかった表現でもあると言えると思うのです。
そんなこんなで、私たちの世界をできるだけ普遍的なものとして昆虫の姿で提示できると思いました。
昆虫の世界を見る私たちの視点は、私たちを見る神のようなものではないのでしょうか。
作品には、できるだけ沢山の意味や階層が発生するようにしたいし、フックを設けたいと思っていますが、提示する要素はできる限り減らしたいし、僕の個人的なバイアスのかかった思想を作品で表現したいわけではありません。
むしろ、見方によって矛盾した内容を受け取ることができるような作品を目指してもいます。
僕の作品を鑑賞することで、その鑑賞者なりの「作品の認識」が鑑賞者の中にそれぞれ創発されるような作品になったらいいなと思います。
そうすれば、物としての僕の作品を起点に、または触媒にして沢山の対義や矛盾をも孕んだような、大きな思考の塊が形而上的にできあがるのではないかと思っています。
現実的に鑑賞者同士がつながって思考をすり合わせたりすることはないだろうけど、
時間や場所を超えて、作品を起点とした、対峙という出来事が起きたという事実は理論的にはつなぐことができるはずです。
だんだん自分でも何を言いたいのかわからなくなってきました。
何も言ってないようなことを言っている気がしてきました。
一生懸命がんばって作品を作ったので
真剣に、楽しみながら、自由に
見ていただけたらうれしいです。
という話でした。
小橋順明の出品作品のページです。
https://artfairtokyo.com/artworks?artistName=%E5%B0%8F%E6%A9%8B+%E9%A0%86%E6%98%8E&button=&fair_id=18&era=&gallery_id=607
■Art Fair Tokyo 2022 出品します■
ロビーギャラリー/ギャラリーズ
★COMBINE/BAMI gallery【ブースNO:L015】
【ギャラリー/作品紹介ページ】
https://artfairtokyo.com/2022/galleries/607
★【小橋の出品作品】
https://artfairtokyo.com/artworks?artistName=%E5%B0%8F%E6%A9%8B+%E9%A0%86%E6%98%8E&button=&fair_id=18&era=&gallery_id=607
★開催日時 2022年3月10日(木)−13日(日)
〇2022年3月10日(木)
プレスビューイング(11:00~)
プライベートビューイング(12:00~)
ヴェルニサージュ(16:00~19:00)
〇2022年3月11日(金)
パブリックビューイング 11:00~19:00
〇2022年3月12日(土)
パブリックビューイング 11:00~19:00
〇2022年3月13日(日)
パブリックビューイング 11:00~16:00※
★会場
東京国際フォーラム
ホールE/ロビーギャラリー
東京都千代田区丸の内3-5-1
小橋順明 Art Fair Tokyo 2022 に出品のお知らせ
January 22,2022
2022年になりましたね。
気が付くともう一月も下旬。。。
今年も
Art Fair Tokyo 2022
に出品します。
昨年と同様にCOMBINE/BAMIgalleryから、
岡部君、釜君、宮本君との4人展です。
年にして9歳から15歳くらい違う作家さんたちですが
話したり作品を見ていると学びや気づきが多くて
いつもお会いするのが楽しみです。
Art Fair Tokyoも毎年沢山のギャラリーや作品が出てくるので
すごく刺激的です。
その中に僕の作品もあって、見比べられてしまうのだと思うと
いい年して不安になったりします。
それでも、
小橋順明45歳、不惑から5年目、我が道を信じて行くで、今年も精いっぱい頑張りたいと思います。
今年の展開はとにかく小橋の全部を見てもらう!
ということで、テーマも「insectopia」として
持っていけるすべての作品を持っていきます。
小橋順明の出品作品のページです。
https://artfairtokyo.com/artworks?artistName=%E5%B0%8F%E6%A9%8B+%E9%A0%86%E6%98%8E&button=&fair_id=18&era=&gallery_id=607
■Art Fair Tokyo 2022 出品します■
ロビーギャラリー/ギャラリーズ
★COMBINE/BAMI gallery【ブースNO:L015】
【ギャラリー/作品紹介ページ】
https://artfairtokyo.com/2022/galleries/607
★【小橋の出品作品】
https://artfairtokyo.com/artworks?artistName=%E5%B0%8F%E6%A9%8B+%E9%A0%86%E6%98%8E&button=&fair_id=18&era=&gallery_id=607
★開催日時 2022年3月10日(木)−13日(日)
〇2022年3月10日(木)
プレスビューイング(11:00~)
プライベートビューイング(12:00~)
ヴェルニサージュ(16:00~19:00)
〇2022年3月11日(金)
パブリックビューイング 11:00~19:00
〇2022年3月12日(土)
パブリックビューイング 11:00~19:00
〇2022年3月13日(日)
パブリックビューイング 11:00~16:00※
★会場
東京国際フォーラム
ホールE/ロビーギャラリー
東京都千代田区丸の内3-5-1
小橋順明個展2021@京都COMBINE/BAMI galleryはじまりました。
December 1,2021
◆小橋順明 個展
〜短編集〜
「うっかり食べてしまう」
はじまりました。
11月30日(火)〜12月15日(水)☆作家は初日と12月7日在廊
会期中無休
COMBINE/BAMI gallery
京都市下京区二人司町21
E-Mail:office@combine-art.com
●3点の新作を発表します。
作品の中の物語を、短編集を読むように鑑賞していただけたらと思います。
一見関係ないように思える3つの物語は、同じ空間に広がる別の宇宙。別の物語ですが、同時に発生する一つの大きな物語でもあるのです。
●3つの物語
◎「うっかり食べてしまう」(皿の上のカマキリの交尾)
交尾中。カマキリのメスがオスを食べてしまう。
うっかり食べてしまう。
オスが、目の前に現れるものだから。
オスはオスで、気を付けていたのに。
うっかり、目の前に出てしまう。
2匹とも、うっかり。
でも、まあ、いいか。
◎「《浴槽の2人の女》へのオマージュ」(2つの蘭の花)
私のお腹の中には彼の子が宿っているの。彼とは結婚したいと考えているの。
そうして、一枚の絵画が描かれた。
しかし
願いはかなわず、彼女は死ぬ。
すべてが決められた運命である宗教画のように
絵にはモチーフの内容とは全く違う次元の宇宙が同じ画面に現れていた。
◎「あなたがたも、わたしの手の中にある。」
エレミヤ書/ 18章より
陶器師は、粘土で制作中の器を自分の手でこわし、再びそれを陶器師自身の気に入ったほかの器に作り替えた。
それから、私に次のような主のことばがあった。
イスラエルの家よ。この陶器師のように、わたしがあなたがたにすることができないだろうか。
――主の御告げ。――
見よ。粘土が陶器師の手の中にあるよう に、イスラエルの家よ、あなたがたも、わたしの手の中にある。
18:4 When the vessel that he made of the clay was marred in the hand of the potter, he made it again another vessel, as seemed good to the potter to make it.
18:5 Then the word of Yahweh came to me, saying,
18:6House of Israel, can't I do with you as this potter? says Yahweh. Behold, Like the clay in the potter's hand, so are you in my hand, house of Israel.
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