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”insectopia”

2022のアートフェア東京、COMBINE/BAMI galleryブースでの展示で小橋のメインになる作品
「insectopia」が完成しました。


"insectopia"
小橋順明
2022
約H73×W91×D10cm(30号F、パネル含む)
約H81×W101×D13㎝(アクリルケース額装)
昆虫部分:陶(備前土・磁器土・プラチナ釉裏彩・金彩・ラスター)
パネル部分:パネルに陶土・珪酸ジルコニウム・釉薬(部分的に高火度焼成)
2022

3段階くらいの距離感と9個くらいの焦点と3つくらいの視点で見てはじめて物理的な内容がわかるような作品になってます。しかも縦でも横でもどの辺が上になっても成立する作品にしました。解像度を変えながら見ていくとタダの白いところも「何もない」けど「何もない」わけではなし、内容的にもいくつかの見方があると感じていただけるといいなと思います。
とにかく、写真ではなかなか内容が伝わりにくいものになってます。
ぜひ直接見ていただけたらいいなあと思のですが。。。

今回の小橋のAFT2022での展示のテーマタイトルも「insectopia」です。
短編集のタイトルと短編集の中の(短編集全体を象徴するような)一つの物語、のような関係のつもりです。

これまでの昆虫作品を総括すると同時に
これからの展開を象徴するタイトルになっているかなと思います。

insect(昆虫) topia(場所・里)
という2つの言葉を合わせた造語ですが

・昆虫の世界とわたしたちの世界
・昆虫の命の所在の不明(のように見える)
・「昆虫の世界を見るわたしたち」という視点・立場

というような、僕が作品を作るときに考えていることを込めました。
つまり
ここにあるのは「世界」なのだということ。


そうはいっても
鑑賞する方は、その人の資質や文脈を持って
自由に、(でも真剣に、または楽しんで)見ていただけたらと思います。

どのように見ていただいたとしても(真剣に向き合ってくださる限りは)
認識が千差万別であったとしても、例えば先入観があろうと、誤解や曲解が生まれようと、
無意識下で起きている出来事は普遍性を持っていると僕は思っていて
感想や思考などで自覚できる認識や言語は、これらの「出来事」から表出してきた、
結果的な生成物であって、作品を取り巻く現象そのものは別の次元で起こっている気がしています。

だから
僕が欲しいのは対峙しているという「状況」で
鑑賞の瞬間・鑑賞の時間・観察・思考
の時に生まれる
無自覚(無意識下)の出来事だったりします。

そういう意味では
目の前にあるのは昆虫(形象)ですが
昆虫というモチーフ自体触媒に過ぎないのかもしれないです。
じゃあ昆虫じゃなくても、なんでもいいじゃないかと言われたら、そうかもしれないのですが、、
でも、そうじゃないからこうして作っているはずで
大きく作品の存在意義から見たときには
土や焼き物や昆虫といった作品を構成する要素が、どれも必然だけども、どれとも言えないくらいに「一部」になっていてほしいと願って制作に取り組んでいるということです。
モチーフやテーマは大きく言えば縁ともいえるし
結果的にかもしれませんが、昆虫じゃないとできなかった表現でもあると言えると思うのです。

 そんなこんなで、私たちの世界をできるだけ普遍的なものとして昆虫の姿で提示できると思いました。
昆虫の世界を見る私たちの視点は、私たちを見る神のようなものではないのでしょうか。
作品には、できるだけ沢山の意味や階層が発生するようにしたいし、フックを設けたいと思っていますが、提示する要素はできる限り減らしたいし、僕の個人的なバイアスのかかった思想を作品で表現したいわけではありません。
むしろ、見方によって矛盾した内容を受け取ることができるような作品を目指してもいます。
 僕の作品を鑑賞することで、その鑑賞者なりの「作品の認識」が鑑賞者の中にそれぞれ創発されるような作品になったらいいなと思います。
そうすれば、物としての僕の作品を起点に、または触媒にして沢山の対義や矛盾をも孕んだような、大きな思考の塊が形而上的にできあがるのではないかと思っています。
 現実的に鑑賞者同士がつながって思考をすり合わせたりすることはないだろうけど、
時間や場所を超えて、作品を起点とした、対峙という出来事が起きたという事実は理論的にはつなぐことができるはずです。


だんだん自分でも何を言いたいのかわからなくなってきました。
何も言ってないようなことを言っている気がしてきました。


一生懸命がんばって作品を作ったので
真剣に、楽しみながら、自由に
見ていただけたらうれしいです。
という話でした。


小橋順明の出品作品のページです。
https://artfairtokyo.com/artworks?artistName=%E5%B0%8F%E6%A9%8B+%E9%A0%86%E6%98%8E&button=&fair_id=18&era=&gallery_id=607


■Art Fair Tokyo 2022 出品します■
ロビーギャラリー/ギャラリーズ
★COMBINE/BAMI gallery【ブースNO:L015】
【ギャラリー/作品紹介ページ】

https://artfairtokyo.com/2022/galleries/607
★【小橋の出品作品】
https://artfairtokyo.com/artworks?artistName=%E5%B0%8F%E6%A9%8B+%E9%A0%86%E6%98%8E&button=&fair_id=18&era=&gallery_id=607

★開催日時 2022年3月10日(木)−13日(日) 
〇2022年3月10日(木) 
プレスビューイング(11:00~)
プライベートビューイング(12:00~) 
ヴェルニサージュ(16:00~19:00)
〇2022年3月11日(金)
パブリックビューイング 11:00~19:00
〇2022年3月12日(土)
パブリックビューイング 11:00~19:00
〇2022年3月13日(日)
パブリックビューイング 11:00~16:00※
★会場
東京国際フォーラム 
ホールE/ロビーギャラリー
東京都千代田区丸の内3-5-1

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