女子高生物始まりました。
May 26,2015


「狼女子 (wolf girl)」
2015/パネルに紙・鉛筆(pencil on panel)/273×220mm
個展『女子高生物』
ついに19日から始まりました!
会期中最初の週末も無事終え、いよいよ残すところ今週日曜日31日までの展示となりました。
私も今週は金曜日以外全て在廊を予定しております。
19日から在廊しておりましたので、すでに来てくださった方々と沢山お話しする事が出来ました。
やはり皆さん思い思いの女子高生像を投影しながら作品を御覧になっているようで、その反応は作者本人の予想を越える程に多種多様です。
しかし、何より皆さん一様に笑顔で作品に見入って下さる事がとても嬉しいです。


「豚女子 (pig girl)」
2015/パネルに紙・鉛筆(pencil on panel)/273×220mm
今回も個展出品作品を紹介させていただくのですが、
それとは別に一つお話をさせていただきます。
内容としては今回の個展に際して実際に起きた嘘のような出来事についてなのですが、下らない話にも関わらず相変わらずの長文になってしまいますので興味のある方だけ御覧下さい。
「女子高生の写真」
今回の個展をするにあたってまず始め
に行ったのが女子高生についての情報収集でした。
その中でも特に力を入れたのが、作品資料にするための女子高生の写真収集です。
インターネット上に大量に蓄積された物の中から抜粋し、それらをファイリングするために写真印刷する事にしました。
家のプリンタでは作品に仕上げるための精細さに欠けるため、
いつものようにカメラの○タムラさんで印刷してもらう事に。
最初は数枚だけの印刷だったため時間はかからずに店内で印刷待ちをしていました。
「現像でお待ちの釜さん」
呼ばれた私はお会計を済ませようとレジへ。
そこでようやく過ちに気付きました…
(しまった…!)
レジのお姉さんが慣れた手つきで写真を取りだし、
「こちらのお写真で間違いないですか?」
と一言。
その手には女子高生の写真(複数)が…
しかし、ここで下手に慌てると怪しさが倍増なので、あくまで落ち着いて対処。
「はい。間違いありません。」
その帰路、今回の作品資料はカメラの○タムラさんでは印刷出来ないと悟った私は他の方法を考えました。
そして思い付いたのが、コンビニでの写真印刷です。
近頃のコンビニではコピー機に写真印刷機能が備わっているのです。
これだとデータも、刷り上がった写真を見られる事も無い。
我ながら良いアイデアだと思いました。
予想通りこの方法は上手くいき、幾度にも渡るコンビニでの写真印刷を経験した私は、近所のサークル○サンク○のお得意様になっていました。
そしてそんなある日悲劇が起きました。
いつものように近所のコンビニで女子高生の写真(十数枚)を印刷していると、目を疑うような文字がコピー機のディスプレイに表示されました。
「印刷用紙不足です。用紙を補充して下さい。」
私は瞬時に顔面蒼白になりました。
(まずい…)
仕方なく店員さんを呼ぶ事に。
やってきた店員さんがこれまた運悪くバイトの若い女性(おそらく女子高生)でした。
更に運悪く、この店員さんは今までコピー機の写真用紙を補充したことが無いようで、見るからにアタフタしていました。(内心では私の方がアタフタ)
悪い事は重なるもので、その店員さんを救おうと奥から更に店員さん(こちらもおそらく女子高生)が来てくれました。
二人で散々コピー機を弄った挙げ句、開けていいのかわからないような箇所まで開けはじめ、店長に聞かずにそんな行動に移るその姿に
「凄いなぁ…」
と感心すらしていました。
そんな時、ふと気付くと足元に置かれた補充用の写真用紙の箱に補充方法が図で記されている事に気付きました。
私はすぐさまそれを伝えました。
しかし、その図がこれまた不親切な程に解読困難なものだったので更に事態は悪化。
このままでは駄目だと思った私は意を決して、
「良かったらお手伝いさせていただいていいですか?」
困り果てた店員さん達の了解を得て私は用紙の補充を手伝いました。
店員さん達が不安そうに見つめる中、早く帰りたかった私は出来る限りの早さで作業を完了させました。
コピー機の動作音が再開する中、私は店員さん達から何度も感謝の言葉をいただきました。
(あぁ、今回の展示がきっかけで実際の女子高生に感謝されるなんて。この題材にして良かったなぁ。)
そんな事まで考えだし、ちょっとした暖かな気持ちに包まれていた、
その時!
コピー機から“カシャン!”という音が鳴り、
私達の足元に1枚の写真がスーっと流れてきました。
それは私が印刷していた写真の続き。
つまり、女子高生の写真が…
「えっ…」
と、声を上げ見るからに表情が曇った店員さん達。
そう。
先程店員さん達がコピー機のいたるところを開けてしまったせいで写真が直接地面に落ちる状態に。
彼女達の中には用紙補充を手伝ってくれたその人がそんな変態な訳がないという最後の希望があったのか、もしかしたらこれは用紙補充による動作不良かもしれないという思いからか、
「この写真はお客様の写真ですか?」
と一言。
私はもう二度とこのコンビニに訪れる事は無いだろうと覚悟を決めながら、
「はい。間違いありません。」
その後、少しの沈黙の後「ありがとうございました」と一礼をしながら早々と立ち去る店員さん達。
その間も女子高生の写真は止まる事なく私達の足元へ…
その帰路、私は大量の女子高生の写真を抱えながら、
女子高生という存在が自分にとってより一層恐ろしいものになっている事を感じました。
<終>
久しぶり(?)の下らない話にお付き合いいただき有り難うございました。
なかなかこのような出来事に遭遇する事はないのですが、また何かあれば書きたいと思います。


「変色蜥蜴女子 (chameleon girl)」
2015/パネルに紙・鉛筆(pencil on panel)/273×220mm
個展「女子高生物」
今週19日までとなっております。
皆様のご来場をお待ちしております。
女子高生物にむけて
May 13,2015
いよいよ来週19日から開催となります個展『女子高生物』
今回は、
前回に引き続き出品作品の紹介と、テーマである“女子高生”について少し触れておきたいと思います。
(※長文になりますのでご注意ください)


「海亀女子 (Sea turtle girl)」
2015/パネルに紙・鉛筆(pencil on panel)/273×220mm
まず初めに、私が今回この“女子高生”というテーマをなぜ選んだのかという理由について述べるために、
私なりに女子高生という存在をどのように捉えているかをお話しさせていただきます。
女子高生というのはそもそも、ある一定期間における女性の状態を指す言葉でしかありません。
それは具体的な対象を継続的に指し示すというわけではなく、同じ条件下にあるものの常に流動的な存在を指しています。
女子小学生や女子中学生もそうです。
しかし、私はとりわけこの女子高生という言葉が持つ印象が他の同様の言葉と比べて少し特異なものであるという印象を受けます。
生物的には立派な大人であるにも関わらず、社会的には子供というカテゴライズをされる彼女達は、
そのどちらにも属さない不安定な状態であるからこそ、生じる印象が多様であるように感じます。
私がこの個展タイトルを発表したところ、早々に各所から今までに無いほどの反応(ツッコミ)をいただいたのもその印象あっての事だと思います。


「鹿女子 (Deer girl)」
2015/パネルに紙・鉛筆(pencil on panel)/273×220mm
個人的な事になりますが、私は工業高校出身です。
ほとんど男子校に近い学校で高校時代を過ごした私は本来接するはずの期間に同年代の異性とほとんど接することなく過ごしました。
そのせいもあって大学に進学した際には、異性の印象が中学生止まりだった私は同級生とのコミュニケーションが苦手でした。
そういった理由から私にとって“女子高生”は全く未知の存在となりました。
人は未知のものを恐れると言います。
私も女子高生が怖いです。
こう言うと大概は笑われてしまいますが、結構本気だったりします。
個人として接することが出来るので、相手が1人ならまだ大丈夫です。
しかし、これが集団になると大変です。
同じ車両で遭遇した場合は高確率で隣の車両に逃げたりします。
女子高で教員をしている男性を心から尊敬します…
…
さて、私が女子高生に対して感じている印象はこのくらいにして、
次になぜその女子高生というモチーフを選んだのかという事についてもお話しさせていただきます。


「鎧鼠女子 (Armadillo girl)」
2015/パネルに紙・鉛筆(pencil on panel)/273×220mm
今回の作品は人の姿をした動物達を描いています。
この表現は色々なところで結構頻繁に目にするもので、私も学生時代から好んで描いてきました。
ライオンを描くとどこか勇猛な印象になったり、ブタを描くとどこか間抜けに見えたりと、
動物の持つイメージを人間に投影することで、人間をより人間らしく、動物をより動物らしく見せることが出来ます。
更に、今回制作するにあたってまず初めに考えたのは、
せっかく個展として展覧するなら会場内の動物達に共通点を持たせたい、つまり会場内を1つの“群れ”として描いてみたいということでした。
今までも擬人化した動物達を多く描いてきましたが、それはただ漠然と服を着た動物を描いているだけでした。
動物の選択にはこだわりを持っていたものの、人間側の選択ということに関してはほとんど無関心でした。
そこで、今回は“人間”側のモチーフにもこだわり、群れを表現するのに適した集団性を備えた対象を探しました。
そのような経緯からかなり早い段階で“女子高生”という候補に絞り込めました。
更に、
自分にとって未知の存在であるという部分が制作する上でも大きなモチベーションになるだろうと考えこのテーマに統一することを決定しました。


「三猿女子 (Three wise monkey girls)」
2015/パネルに紙・鉛筆(pencil on panel)/273×410mm
個展用文章でも述べていますが、
多くの動物は“群れ”を形成することを好みます。
様々な環境で生きる動物たちはその活動を潤滑にする為に群れを用います。
それは文明社会を築き自然との距離を置いた人類も例外ではありません。
小学生、中学生、高校生、大学生はもちろん、社会人、主婦、高齢者。
更に括りを広げると人種、そして宗教など、私たちは様々な“群れ”を形成して生きています。
繰り返しますが、この群れはそれぞれの生活を潤滑にするために作られているものです。
しかし、だからこそ生じるものもあります。
群れを形成する動物は、他の群れを嫌います。
群れを形成するが故に“争い”が生じるのも事実です。
私にとって未知の存在である“女子高生”はまさに“他の群れ”です。
そして世間的に見てもこの“女子高生”という存在は少し特異な存在として捉えられていると感じています。
その特異な存在だからこそ、動物達を投影した時に生じるものがあるのではないかと考えました。
その生態を自分なりの方法で解き明かしてみたいという思いから、今回“彼女達”を描きました。
結果どのような“群れ”がギャラリー内に現れたのか、是非皆様の目でご覧になってみて下さい。
そして、彼女達“女子高生物”が繰り広げる縄張りを実際にその肌で感じ取って欲しいと思います。
長文になってしまいましたが、最後までお付き合いいただき有り難うございました。
個展期間中は金曜日と日曜日以外は前日在廊予定ですので、お越しの際は是非一声お掛け下さい。
釜 匠
女子高生物
May 6,2015
個展の告知をさせていただきます!
前回の松坂屋名古屋本店での個展から実に約1年振りです。
ホームであるBAMIギャラリーでの久しぶり個展となります!
さらに!
移転した“新BAMIギャラリー”での初めての個展となります!
タイトルは!!
ズバリ!!
『女子高生物』
!!


「縞馬女子 (Zebra girl)」
2015/パネルに紙・鉛筆(pencil on panel)/273×220mm
女子高生と生物を掛け合わせた造語で“じょしこうせいぶつ”と読みます。
くれぐれも“じょしこうせいもの”と読まないでください…
先日個展タイトル含め個展情報をSNS等で告知させていただいたところ、
早々にこのタイトルへの反響(ツッコミ)を各所から頂きました…
予想通りではあるものの、
やはりこの“女子高生”という言葉が持つイメージや、世間がこの言葉に抱いている印象がどのようなものであるかなど、改めて考えさせられる事が多くありました。
そういった要素があることを含めて今回は敢えてこの言葉を用いることにしました。
下部に掲載している個展用文章でも述べているのですが、
この“女子高生”というキーワードを選んだ事については次回のブログにて更に掘り下げてご紹介できればと考えております。
今回は個展情報の掲載と作品を少しだけご紹介させていただきます。


「豹女子 (leopard girl)」
2015/パネルに紙・鉛筆(pencil on panel)/273×220mm


「麒麟女子 (Giraffe girl)」
2015/パネルに紙・鉛筆(pencil on panel)/333×220mm
ご覧の通り一風変わった女子高生物達ですが、彼女達であるからこそ見えてくる営みがあります。
女子高生物達が表現する少し変わった人間の生態を是非ご覧ください。
尚、会期中は金曜日と日曜日以外の全日在廊予定ですのでお立ち寄りの際は是非お声をお掛け下さい。
↓以下、個展情報詳細です↓
「女子高生物」
人は群れを作る。
家庭や学校や会社など様々な環境で生きる人という生物はその活動を潤滑にするために群れでの生活を好む。
そして人は他の群れを嫌う。
私は“女子高生”が怖い。
なぜならば、彼女達は私にとって生態の全く分からない別の群れに他ならないからだ。
しかし、だからこそ私は私にしか出来ない方法で彼女達の生態を解き明かしてみたい。
釜 匠
2015.05.19 (tue) - 2015.05.31 (sun)
OPEN 12:00-18:00
CLOSE 会期中無休
BAMI gallery
京都府京都市下京区二人司町21
TEL/FAX 075-754-8154
「4展」ありがとうございました。
May 6,2015

遅くなってしまいましたが、
先月13日を持ちまして『4展‐Shiten‐』無事終了いたしました。
御越し下さいました皆様、誠にありがとうございました。
今回の展示は一点のみの出品にも関わらず、沢山の方々に御越しいただきとても有り難く感じました。
特に、ホームである京都での展示ということもあり沢山の友人に会うことが出来ました。
今回の展示で試みた事を踏まえて、更に発展させていこうと計画しておりますので乞御期待下さい。
釜 匠
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