April 12,2016
本拠地京都のBAMI galleryにおいて現在好評開催中の、
『4展 -Shiten-』
ギャラリー2階で制作する4人の作家が、毎回新たなテーマにより制作した新作1点ずつの計4点により展開される展覧会。
4ヶ月に1度開催される4展ですが今回で4回目となります。
それは同時にギャラリー2階アトリエが始動して1年が経ったということにもなります。
記念すべき1周年である今回のテーマは、
【ゴミ】
です!
私は紙幣と雑誌に擬態したコノハムシを描きました。
<作品紹介文>
生息域の減少により人類が暮らす都市に紛れて生きていかざるを得なくなった架空の生物。
我々に見付からないように生きるためには、我々の身の回りに溢れ尚且つ誰も気に留めないモノに擬態しなければならない。
たとえそれが我々にとって価値のあるモノでも、ゴミであったとしても、彼等にとっては等しく“身の回りに溢れているモノ”に変わりはない。
釜 匠
「擬態‐ヒデムシ‐」
2016/パネルに麻布・アクリル/455×380mm(F8)
今回はこのような架空の生物を描きましたが、描く上で思い描いていた設定があります。
それを基に、“この生物が実際に存在したら”という視点から作品の文章とは別に“生物の紹介文”も展覧会用に特別に作成しました。
読んでいただく事で作品への面白さが更に増すのではないかと思いますので、そちらも掲載させていただきます。
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「ヒデムシ」
コノハムシの一種。
本来は木の葉に巧みに擬態することからその名で呼ばれる昆虫だが、その生息域の減少により都市に移り住み適応した個体群。
体色のバリエーションは多岐に渡り、雑誌や新聞紙、包装紙等の紙状の物に擬態している。
この個体のように紙幣に擬態するものもいるが極めて稀である。
バリエーションは多いが全て一種のコノハムシだと考えられている。
そのため、このヒデムシのようにバリエーション毎に“通称”で呼ばれている。
ヒデムシの名の由来は紙幣に描かれている野口英世から来ている。
餌は紙類全般。
幼体は白く、成長に伴い様々な体色になる。
体色は育った環境によって異なる事から、食べた餌によって変化すると考えられている。
生息場所は都市で、主にゴミ置き場等の紙が散乱している場所でよく見かけられる。
その他にも本屋やコンビニ等にも生息し、このヒデムシのように紙幣に擬態した個体は最近ではショッピングモールでよく見かけられるようになった。
ヒデムシ自体も稀な存在だが、更に一回り大きな「イチハムシ」「フクムシ」と呼ばれる固体も存在する。
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今回は更に、ヒデムシ以外にももう1点作品を制作しました。
この2点を合わせて「擬態」という作品として出品しております。
「擬態‐コミムシ‐」
2016/パネルに麻布・アクリル/410×318mm(F6)
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「コミムシ」
コノハムシの一種。
コミムシは漫画雑誌に擬態した個体群を差し、都市に移り住んだコノハムシの
バリエーションの中で最もよく見かけられる。(それでも滅多に見つけることはできない)
コミムシという名もヒデムシ同様に“通称”でその由来は漫画=コミックから来ている。
コミムシは主に本屋やコンビニ等の雑誌が販売されている場所に生息しているが、中でも最もよく見かけられる場所はゴミ置き場である。
特に古紙回収の日によく現れる。
誤って古紙回収車に積まれてしまうケースが頻発している。
コミムシと一言にいってもその柄や体色は様々で、近頃はカラーの個体も見られるようになり、そちらはアメコミムシと呼ばれている。
体の柄は幼体期からどのように餌を摂取したかで大きく変化する。
特定の雑誌を継続して摂取した場合は体の柄は明瞭になり、
不特定多数の雑誌を摂取した場合は柄が不明瞭になる。
この個体のように体の柄が明瞭な個体はとても珍しく“一冊喰い”と呼ばれ、
その標本は高値で取引される。
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今回の作品ですがSNS等でご紹介させていただいた後、あまりにも
「これ立体作品?」
「標本に直接描いてるの?」
等の“これは絵なの?”というお声が多いです。
私の作品は“箱”を意識した作品が多いため、そのようなお声はいつも多いのですが、今回は特に顕著です。
安心してください。描いてますよ。
…
というわけで、このように昆虫本体も標本箱も全て描いています。
今回の作品は私たちの身の回りにありふれている“モノ”に擬態した生物を描きました。
コノハムシが木の葉に擬態するのは、彼らが住む環境に一番ありふれている“モノ”だからです。
私たち人類が住む都市という環境で一番ありふれている“モノ”とは一体何でしょうか。
「ヒデムシ」「コミムシ」を見て、是非それを考えてみて下さい。
↓以下展覧会詳細です↓
■『4展 -Shiten-』 テーマ【ごみ】
at BAMI gallery
2016.04.10 (sun) - 2016.04.22 (fri)
OPEN : 12:00-18:00
期間中無休
■お問い合わせ
BAMI gallery
http://combine-art.com/html/gallery/ga_access.php
〒600-8824
京都市下京区二人司町21番地
TEL.075-754-8154 FAX.075-754-8154
www.combine-art.com
office@combine-art.com
『4展 -Shiten-』
ギャラリー2階で制作する4人の作家が、毎回新たなテーマにより制作した新作1点ずつの計4点により展開される展覧会。
4ヶ月に1度開催される4展ですが今回で4回目となります。
それは同時にギャラリー2階アトリエが始動して1年が経ったということにもなります。
記念すべき1周年である今回のテーマは、
【ゴミ】
です!
私は紙幣と雑誌に擬態したコノハムシを描きました。
<作品紹介文>
生息域の減少により人類が暮らす都市に紛れて生きていかざるを得なくなった架空の生物。
我々に見付からないように生きるためには、我々の身の回りに溢れ尚且つ誰も気に留めないモノに擬態しなければならない。
たとえそれが我々にとって価値のあるモノでも、ゴミであったとしても、彼等にとっては等しく“身の回りに溢れているモノ”に変わりはない。
釜 匠
「擬態‐ヒデムシ‐」
2016/パネルに麻布・アクリル/455×380mm(F8)
今回はこのような架空の生物を描きましたが、描く上で思い描いていた設定があります。
それを基に、“この生物が実際に存在したら”という視点から作品の文章とは別に“生物の紹介文”も展覧会用に特別に作成しました。
読んでいただく事で作品への面白さが更に増すのではないかと思いますので、そちらも掲載させていただきます。
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「ヒデムシ」
コノハムシの一種。
本来は木の葉に巧みに擬態することからその名で呼ばれる昆虫だが、その生息域の減少により都市に移り住み適応した個体群。
体色のバリエーションは多岐に渡り、雑誌や新聞紙、包装紙等の紙状の物に擬態している。
この個体のように紙幣に擬態するものもいるが極めて稀である。
バリエーションは多いが全て一種のコノハムシだと考えられている。
そのため、このヒデムシのようにバリエーション毎に“通称”で呼ばれている。
ヒデムシの名の由来は紙幣に描かれている野口英世から来ている。
餌は紙類全般。
幼体は白く、成長に伴い様々な体色になる。
体色は育った環境によって異なる事から、食べた餌によって変化すると考えられている。
生息場所は都市で、主にゴミ置き場等の紙が散乱している場所でよく見かけられる。
その他にも本屋やコンビニ等にも生息し、このヒデムシのように紙幣に擬態した個体は最近ではショッピングモールでよく見かけられるようになった。
ヒデムシ自体も稀な存在だが、更に一回り大きな「イチハムシ」「フクムシ」と呼ばれる固体も存在する。
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今回は更に、ヒデムシ以外にももう1点作品を制作しました。
この2点を合わせて「擬態」という作品として出品しております。
「擬態‐コミムシ‐」
2016/パネルに麻布・アクリル/410×318mm(F6)
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「コミムシ」
コノハムシの一種。
コミムシは漫画雑誌に擬態した個体群を差し、都市に移り住んだコノハムシの
バリエーションの中で最もよく見かけられる。(それでも滅多に見つけることはできない)
コミムシという名もヒデムシ同様に“通称”でその由来は漫画=コミックから来ている。
コミムシは主に本屋やコンビニ等の雑誌が販売されている場所に生息しているが、中でも最もよく見かけられる場所はゴミ置き場である。
特に古紙回収の日によく現れる。
誤って古紙回収車に積まれてしまうケースが頻発している。
コミムシと一言にいってもその柄や体色は様々で、近頃はカラーの個体も見られるようになり、そちらはアメコミムシと呼ばれている。
体の柄は幼体期からどのように餌を摂取したかで大きく変化する。
特定の雑誌を継続して摂取した場合は体の柄は明瞭になり、
不特定多数の雑誌を摂取した場合は柄が不明瞭になる。
この個体のように体の柄が明瞭な個体はとても珍しく“一冊喰い”と呼ばれ、
その標本は高値で取引される。
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今回の作品ですがSNS等でご紹介させていただいた後、あまりにも
「これ立体作品?」
「標本に直接描いてるの?」
等の“これは絵なの?”というお声が多いです。
私の作品は“箱”を意識した作品が多いため、そのようなお声はいつも多いのですが、今回は特に顕著です。
安心してください。描いてますよ。
…
というわけで、このように昆虫本体も標本箱も全て描いています。
今回の作品は私たちの身の回りにありふれている“モノ”に擬態した生物を描きました。
コノハムシが木の葉に擬態するのは、彼らが住む環境に一番ありふれている“モノ”だからです。
私たち人類が住む都市という環境で一番ありふれている“モノ”とは一体何でしょうか。
「ヒデムシ」「コミムシ」を見て、是非それを考えてみて下さい。
↓以下展覧会詳細です↓
■『4展 -Shiten-』 テーマ【ごみ】
at BAMI gallery
2016.04.10 (sun) - 2016.04.22 (fri)
OPEN : 12:00-18:00
期間中無休
■お問い合わせ
BAMI gallery
http://combine-art.com/html/gallery/ga_access.php
〒600-8824
京都市下京区二人司町21番地
TEL.075-754-8154 FAX.075-754-8154
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