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大作の進捗
前回投稿した100号の大作の進捗です。

現在はもう少し手が入っていますが、順を追って投稿していきます。





この段階では下地からレースを描き起こしていっているところです。

白の絵の具を使いレースの輪郭線を浮かび上がらせていきます。

特にグリザイユ技法というわけではありません。

一工程に時間がかかりすぎると大変(精神的に)なのと、

複雑な判断が必要のないように極力一工程あたりの

作業を単純化するという目的から使う絵の具や、

道具を最小化しています。



画面中に配置したレースは全部で30枚あります。

いつものことですが、

その網目やパターンを全て把握して描かないといけません。


この段階では細かいレースの網目パターンは省略して、

とにかく先に進めることだけを考えています。

近くで見るとめちゃくちゃ雑です。




それでも時間がかかってしまいます。


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大作準備中
100号(1303×1620㎜)の大作を

描き始めています。



下地を作り終えた状態のキャンバス。

いつもはここまで手の込んだことはしないの

ですが、これが後々の作業を少しでも楽にし

てくれることを願っています。






今回はレースのシリーズになりますが画面の大

きさに伴い、使うモチーフも大量です。




レースだけでもお腹一杯です。

この上にさらに果物やお菓子などを大量投入す

る予定です。





これらをどう配置するか試行錯誤中。

何度も配置を試しては変更し、自分が納得できる

形の画面を構成しています。

とは言え、細かな変更は画面上で行う予定で

いますからあくまで仮組にとどめておきます。

キリがないので。



この後の作業が上手くいくことを願って進めて

いきたいと思います。



完成作品は来年2022年の1月に京都文化

博物館にて行われる京都府新鋭選抜展にて公

開の予定です。

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ドローイング、デッサン、素描…。
タイトルにもありますように、

ドローイングもデッサンも素描も

意味は同じです。

言語が英語なのか仏語なのか日本語なのか

の違いでしかありません。

いずれも紙などの平面上にモノを描き表す

行為を指します。

私はデッサン、素描と言うことが多いです。


「シルバーのミニカー素描」鉛筆 色鉛筆 水彩


「オレンジのミニカー素描」鉛筆 色鉛筆 水彩


作品紹介ページ


今回はデッサンにてミニカーを描いてみまし

た。以前から一度有色地でデッサンをしてみ

たかったので今回色つきの画用紙を使い、そ

の紙の色を生かしながら描いてみました。

一般的にデッサンというと白い紙に鉛筆など

を使い、白から黒へのグレーの階調で描いて

いくイメージが強いですが、有色地で描くデ

ッサンの場合、地の色を起点に暗い階調を作

こともできますし、逆に地の色から白へ向か

って明るい階調を作っていくこともできます。

要するに紙の地色を中間の調子として扱うと

いうことです。

デッサンでは真っ白のところや真っ黒といっ

た極端な調子を使うことはほとんどなくて中

間のグレーの調子が画面の大部分を占めますし、

そのグレーの階調を作り出すことにデッサンの

作業の大部分を時間を持っていかれることが多

いです。

しかし、デッサンでは暗く見える陰影の部分や、

光を反射して明るく見えるハイライトの部分の

描きこみのほうが大事だったりします。


その大事な部分を集中的に描くために初めから

中間の調子のついた有色の下地を使うと割と

効率が良くものが描けるというわけです。

(簡単に描けるという意味ではないです)


私の憧れる昔の西洋の画家たちも絵画の描き出
しやデッサンなどで有色地のデッサンをしてい
ました。

私も油彩の作品の描き出しでは使うことが良く

あります。しかし、その層は隠れてしまい見え

ることはありません。

ですので今回デッサンの作品を描くことで私の

作品制作のプロセスの一端が残せればと思った

次第です。


今週より展示させていただきますのでご高覧

いただけましたら幸いでございます。



Drawing exhibition

COMBINE/BAMI galleryアーティストによるドローイングの展示会です。
■出品作家 釜匠 八木佑介 宮本大地 小橋順明 松本央 岡部賢亮 佐野暁 公庄直樹 阿部瑞樹 太田夏紀

2021.08.11 (wed) - 2021.08.20 (fri)
OPEN 12:00~18:00
※最終日午後4時閉廊









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ルート9巡環
個展のお知らせです。

来月8月5日より島根県の松江一畑百貨店さん

にて個展を開催させていただきます。

一昨年も同タイトルにて個展をさせていただき

ました。

今回も島根県を中心に現地にて取材を行い制作

した風景作品を中心に発表させていただく予定

です。ご高覧のほどよろしくお願いいたします。





「平田駅」 F10号 パネル、キャンバスに油彩
出雲大社に向かう一畑電鉄の駅である、雲州平田駅を描きました。いまも現役の車両から引退した古い車両が整備され車庫に収まっています。ここは人々の行きかう駅のホームであると同時に車両にとっての家でもあるのです。



「伯耆富士大山」 F10号 パネル、キャンバスに油彩
鳥取県にある大山を描きました。
大山は見る角度によって大きく表情を変える山だと思います。
伯耆富士と言われるように富士山に見える角度もあり、現場に行って確かにそう見えるなぁと一人で納得していました。



「出雲平野築地松」 F8号 パネル、キャンバスに油彩
斐川町周辺の築地松の風景です。
家の北側、西側に配置され強い季節風から家を守る役割をします。きれいに刈り込まれた松林は、角刈りの頑固親父のような威厳を感じます。



「宍道湖夕暮れ」 F6号 パネル、キャンバスに油彩
宍道湖は夕日の名所としてしられています。建物などの遮蔽物がないので山の稜線に消え行く夕日を拝むことができます。描いてはいませんが近くに大きなお地蔵さんがあります。



「朝の宍道湖」 F10号 パネル、キャンバスに油彩
宍道湖の早朝シジミ漁の様子を描きました。偶然にも取材の滞在中に見ることができました。地元の人からしたら日常の風景なのかもしれませんが、少しでも時間や日にちのタイミングずれればこの風景に出会うことはなかったでしょう。



「稲佐の浜から三瓶山を望む」 
F10号 パネル、キャンバスに油彩
出雲大社のすぐ近くにある稲佐の浜より見た三瓶山を描きました。遠くに見える山が三瓶山です。近くの大きな岩は弁天島です。そこには鳥居と社があり、お参りしている人も見かけました。



■ブログhttp://combine-art.com/html/blog/matsumoto/post/blog.php?post_id=2511

松本央油彩画展「ルート9 ‐巡還‐」

私の生まれ育った京都市から始まり、ここ島根県にも通じている国道9号線になぞらえ、私の作品と島根の風景とを結ぶべく、島根県を中心に取材を行い、そこで出会った風景を作品にさせていただきました。今回の個展に臨むにあたり、改めて取材を行う中で新しい発見や素敵な出会いがありました。それらの巡り合わせを作品に還元し皆様へお届けできれば幸いです。

2021年 8/5(木)~8/11(水)作家全日在廊
※最終日は午後4時にて閉場

一畑百貨店5階美術サロン
http://www.ichibata.co.jp/dept/

tel(0852)55-2523
〒690-8555松江市朝日町661

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綴られる世界
本日は明日5月14日より始まります個展、

「綴られる世界」の搬入飾り付けでした。

全9点の展示となります。

ご都合よろしければ是非ご高覧ください。











今回は私が最近力を入れているレースをモチーフにした作品を発表いたします。
私は、はじめレースを自分の絵を構成する要素、モチーフの一つとしてしか見ていませんでした。
しかし、何作かレースをモチーフにした作品を描いたときに、なぜこのモチーフに自分は惹かれたのか、その意味を考えるようになりました。






そして、レースの成り立ちや作り方を調べたり、教えていただいたりする中で、私がレースをモチーフに描くべき理由が見つかったような気がしました。
その理由は大きく2つあります。

1つ目の理由は、レースを油絵で描くことで遠い過去の存在である昔の画家たちと私が精神的なつながりを持てたように思えたことです。
レースは私が憧れている17世紀の西洋絵画の中にもよく登場します。王侯貴族の襟や衣服の装飾としてもよく使われ、その緻密な模様は絵に華やかな印象を与えています。その反面、レースは描くのに非常に手間がかかるのだろうなぁと私は描くことは敬遠していました。





以前に私の憧れの画家であるレンブラントの肖像画を摸写する機会がありました。
その肖像画にはしっかりとレースが描かれていましたので私も描かざるを得ない状況になり、試行錯誤し何とかそのレースの部分を描きあげました。
その時にレンブラントと同じことができたという絵描きとしての自信と喜び、何とも言えない達成感を得ることができました。
それと同時に、彼らが絵画で綴ってきた世界の一端を受け取ったようにも感じました。





2つ目の理由は、手編みのレースの制作方法を知った時にあります。
レース編みは一本の糸で編まれていること、はじめは糸で小さな輪(円)を作るところから始めるところ、どこまでも広げていくことが可能なこと、ほどけば元の一本の糸に戻すことができること、を知りました。
このレース編みの構造や制作過程を知ったとき私はすごく感動しました。
それはレース編みの構造が、私が日頃から考えていたこととよく似ていると思えたからです。
人や物事の出会いやつながりによって私が社会の中で存在でき、そのつながり(目に見えるものだけでなく見えないものも含めた)によって私という人間が形作られている。
始まりは小さなきっかけや出会い(縁)にすぎないかもしれないがその積み重ねで現在の自分がある。
この考えとレース編みの構造が結びついたときに、私の中でレースをモチーフとして選択する意味が大きくなったように思います。






糸によって綴られ、緻密な模様を表現するレースは、その上に置かれたものや周りを明るく華やかに引き立てるだけでなく、ふと眺めたときにその裏側にある構造についても少し考えさせられる。レースは私にとってそのようなモチーフあり、今回の発表する私の作品が皆様にとってもそうであれば幸いです。

松本央 「綴られる世界」
2021.05.14 (fri) - 2021.05.24 (mon)
at BAMI gallery
OPEN 12:00~18:00
※最終日午後4時閉廊




さらに今回はオンラインショップとの

連動企画にもなっておりこちらからも

個々の作品をより詳しくご覧いただく

ことができますのでぜひご確認ください!

オンラインショップ




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