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八木佑介 日本画展 午前二時 あべのハルカス近鉄本店 7/9(木)~
いよいよ来週7/9(木)から


八木くんの個展があべのハルカス近鉄本店で
スタートする。


昨年の松坂屋名古屋での個展から約8ヶ月が経った。


何時ものことだが、私は個展の数ヶ月前にメイン画像と
ステートメントを要求する。


今回指示したのは、短く纏めてという事のみだった。



暫くして彼が出してきたメイン画像とステートメント



午前二時十三分
F12 606×500(㎜)

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電灯が誰もいない都市を照らし出す。

午前二時、私は明るい夜に立つ。

街は時が止まったように静かで、遠く
どこまでも光が闇へと進行する。

大河に寄り添い築かれた人類の営みは、

今、私の眺めるこの光の道と共に流れていく。


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まるで、“詩”じゃないか。。


しかも強烈な”展開視座”が感じられる。


特に、、


“大河に寄り添い築かれた人類の営み”


この言葉に目が留まった。


道を大河に見立てている・・・



午前二時九分
S12 606×606(㎜)

確かにこれまで彼が描いてきた作品の要諦は、、



“人類が築き上げた文明による風景は私の生
まれた時からここにある”



という事だ。



如何なる文明も太古、大河の恵によって形成さ
れてきた。


現代は??


現代も高度なモータリゼーション=道路網=資本
=欲望の大河と象徴的に置き換えられなくもない風景


その発達?否、、変貌が、、、


この資本主義=個々の現代の生活を支えて
おり、彼、八木においては、その風景は
若年時より疑問なく厳然と自らの前に存在した
光景である。



文明が後退しないという前提が我々にはある。
ある意味の強迫観念でさえある。



午前二時十五分
S4 333×333(㎜)


そうなると現代の風景は太古の大河から引き
継がれた文明の昇華?


その過程なのだろうか?



自然の恵みを享受しながら緩やかに肥大化した
ものとは違う一抹の違和感。


加速度的に人工物が林立するこの風景は果たし
て太古から脈々と繋がるものなのだろうか?


彼の作品とステートメントに、、


一人の人間として、、、私は切ない詩を感じる




午前二時十分
S4 333×333(㎜)




それは、「萩原朔太郎の青猫」にも通ずるような・・・



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この美しい都会を愛するのはよいことだ


この美しい都会の建築を愛するのはよいことだ


すべてのやさしい女性をもとめるために


すべての高貴な生活をもとめるために


この都にきて賑やかな街路を通るのはよいことだ


街路にそうて立つ桜の並木


そこにも無数の雀がさへづつてゐるではないか。


ああ このおほきな都会の夜にねむれるものは


ただ一疋の青い猫のかげだ


かなしい人類の歴史を語る猫のかげだ


われの求めてやまざる幸福の青い影だ。


いかならん影をもとめて


みぞれふる日にもわれは東京を恋しと思ひしに


そこの裏町の壁にさむくもたれてゐる


このひとのごとき乞食はなにの夢を夢みて居るのか。



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八木佑介 日本画展 午前二時

会期/2015年7月9日(木)→7月15日(水)

午前10時~午後8時 

※最終日は午後5時で閉場させていただきます。
会場/あべのハルカス近鉄本店
   タワー館11階 アートギャラリー


最寄駅 地下鉄御堂筋線・谷町線 「天王寺」駅・
JR 「天王寺」駅・近鉄南大阪線・
「大阪阿部野橋」駅・阪堺電軌上町線 
「天王寺駅前」駅

COMBINE 八木佑介 日本画展 午前二時 あべのハルカス近鉄本店 プレスリリース by COMBINE


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遠藤良太郎のにおい
遠藤くんの個展を最初に開催したのは今から
約3年前の2012年だった。


その後、今回を入れて4回、私のギャラリーで
個展を開催している。



毎回彼のステートメントには特徴があり、
かなり抽象的だが同じ事を繰り返し探索している
感がある。


そして表現するものの空間性にも毎回強烈な
共通の臭気がある。個展を4回重ねてきたのは、
ある意味、二人でこの臭気を確認しているよ
うな気が私はするのである。



これまでの彼の個展のステートメントを列記する。


その上で面白い実験を行う。


ステートメントからワードクラウドを作ってみた。
画像はその結果だ!画像を見たうえでステートメント
を読んでいただくもよし、ステートメントを読んだ
上で画像を確認していただくもよし。



単純な実験だが、案外面白いものが浮かび上がる。



彼と私の会話ではカタカナの”アート”という
言葉は使わない。私も個人のブログ・SNSでもアート
という言葉は極力使わない。常に”芸術”という言葉
を持って世界観の共有を図るようにしている。










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■遠藤良太郎 Ceramic Works
ゆらゆらと行方知れずの小宇宙
2012.09.07 (fri) - 2012.10.12 (fri)



幼い頃に持っていた自由な遊び心は自身の
小宇宙を形成する。好きなようにルールを
作りそのルールの中で限りなく自由に遊ぶ。

しかしそれは時が経つにつれていつのまに
か行方をくらました。確かにあったはずな
のに圧倒的スピードで押し寄せる膨大な
情報の波にもまれて小宇宙と離れ離れに
なってしまった。

だが決して消えたわけではない。あの頃の
ように五感を研ぎ澄まし変化を望めばきっ
とまた出会えるだろう、あの頃よりも素晴
らしい小宇宙と。



■裏アイデンティティは放たれた
遠藤良太郎 Ceramic Works
2013.03.01 (fri) - 2013.03.25 (mon)
gallery close 3/2.3.9.10.16.17.20.23.24



あらゆるものが自らの意識とは別に猛烈な
勢いで簡略化されていく現代社会において、
自分自信が受ける「生への実感」が薄れて
いっているように私は感じている。 自らの
実感が薄れていくにつれて、自分が自分で
あるという意味のアイデンティティという
言葉の裏に潜む胡散臭さは肥大化していく
ように思う。


自分が自分であるという認識は、表面的な
情報から形成されるものだけではなく、自
らが受けた生々しい実感と合わさることで
はじめて成立し得るのではないか?


そうした考えから、私は人間の本能に響く
感動を大切にしたいと思った。そして芸術
にはその力があると思った。


人の心を動かすような感動が、私が現代
社会に欠けていると思う「生への実感」
につながると信じて、私は私なりの感動
を表現をする。



■私は私をやめることは出来ぬ
遠藤良太郎 Ceramic Works
2013.11.25 (mon) - 2014.01.31 (fri)



強い信仰の対象も、謎の土器も、輝く石も、
神々しく、そして意味があり、貴重なも
のだが、ある側面から見たとき、それらは
ただのオブジェクトになり得る。

まったく同じモノなのに、そこに向かう
人間の想像力は強く、醜く、美しい、まさ
に自由自在だ。

今日も私は実像と虚像の狭間で心地良く
ゆれている。



■卵の惑星
遠藤良太郎 忘れられた宇宙遊泳記
2015.06.16 (tue) - 2015.06.29 (mon)



今回のテーマになっている卵。
人間社会における卵は、生まれるため
に存在しているはずなのに、一方的に
消費されるという矛盾を孕んでいる。


そうした矛盾を作り出している人間もまた、
豊かさを得るための代償の大きさに矛盾を
抱えている。 心霊写真、UMA、未知の大陸
など、想像力を掻き立てる存在が減少し、
合理化されていく社会が人間の本能を蝕む。
私が考える人間の本能、それは「遊ぶ」
ことです。



私は空想の宇宙の中、卵で遊んだ。

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遠藤良太郎 卵の惑星 京都新聞(京日記)
昨日、京都新聞さんに取材していただきました

記事が本日(6/20)朝刊の社会1面に掲載して
いただきました。(TV欄裏面)

ひじょうに良いスペースに掲載していただいた事
に感謝いたします。


京都新聞さんありがとうございます。






卵の惑星
遠藤良太郎 忘れられた宇宙遊泳記
2015.06.16 (tue) - 2015.06.29 (mon)
OPEN  : 12:00-18:00
CLOSE : 会期中無休



COMBINE 遠藤良太郎 Ceramic Works 忘れられた宇宙遊泳記 -卵の惑星- プレスリリース by COMBINE


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隔月刊ハート 八木佑介 インタビュー
先日、八木君の取材をしていただきました


隔月刊ハート様の電子書籍がアップロード
されました。

ぜひご覧ください。


2ページにわたり八木君へのインタビューが
掲載されています。


尚、冊子も配布されています。配布先は15Pに
掲載されています。





↓↓↓ クリック

http://he-art.link/19/index.html#/0

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鮮魚 魚一
松本くんの会期中



多くの知り合いが来てくれたのだが、、、



数日前



バイクに乗った男女



男は身体の大きな、、



バイクを降りるとキャップをかぶり中々の面構え



女性は、男とは中々のコントラスト



おとなしい可愛い感じの人だった、、、、




男は、、、申し訳ないが、、


昔ちょっと”やんちゃ”だったかな?
と思える感じ、、、




声をかける




「知り合い?」



「あっ、、ハイ、、高校の、、」



風体とは違い、素直な良い感じの良い子ではないか、、
どちらかと言うと私の好きなタイプの男だ、、、、
(ホモっぽいけど)



しばらくカウンターで様子を見ていると



女性は丹念に真剣に



男は、、、



ソワソワと、、、所在なげ・・・



居たたまれない感じも・・・



うん?



あっ、そうか、、



あまり興味はないけど友人だから付き合いで??



帰り際、、松本君には伝えておくよ、と言うと



「あっ、ハイ、、居ないのは分かってたんですが、、」



良い子じゃないか!



「そうだね、でも、ありがとう。まだ会期があるから、
土曜日、時間あったら、、彼、来てるから」



「あっ、はい、ありがとうございます」



礼儀正しい良い子だ!



その時



彼の被っているキャップを見ると側頭部に


白いマジックで手書きの文字



”鮮魚 魚一”


あー、魚屋さんか、、失礼ながら風体がそんな感じ、
多分日頃威勢の良い”あんちゃん”なんだけど、、
ギャラリーでは普段の調子もでないか?と感じた。。。。



それから数日たった今日、松本君個展最終日




在廊に来た松本君に



「あー!そういえば、、この間、魚屋の友だちが来たよ!」



「えっ??魚屋??」



「うん、魚屋さん、覚えない?高校の時の友だちって言ってたよ」



「???・・・・・」



二人で芳名帳を確認し



「あっ、この子!」



「・・・・彼、、、魚屋じゃなくて、、
フリーランスのプログラマーで、自分で
会社やってます・・・」




「なにぃぃぃぃいぃぃ?、、、社長??・・・・」



そうなのである、、、webのプログラマーでプログラムソース
を書ける相当な技術者・・・・しかも社長。。。。



えっ?でも



そうなると、あのキャップの側頭部の



”鮮魚 魚一”は何??



それを松本君に問いただすと



「いやぁぁ・・・分かりません・・・」



なんだぁ~?なんか興味が、、、、



すると松本君が




「彼、今日来ますよ」



「なに!そうか」



楽しみに待っていると



今度は一人自転車で現れる


この間と同じ格好だ!




もう、こうなると絵なんか観なくていいから




君のこのキャップにある”鮮魚 魚一”
とはなんだ?と聞いた!




「あっ!これっすか、、これ、、ウサギ・・・」



「あ~、、、ウサギ??」



「えぇ、、ウサギ飼ってるんですけど、、
こいつが生まれ変わったら多分魚屋になって
屋号はこれ、”鮮魚 魚一”に間違いなくなると
思うンすっよ!!!」




・・・・




松本君と顔を見合わせて、、、腹を抱えて笑った!!!




えっえっえっ・・・ちょっと待てよ、、、妄想??




「妄想ちゃいますよ、、、”鮮魚 魚一”
に間違いないんすよ!」



あはははっははははははははははっは!



笑っては悪いが・・・・



そんな事を真剣に語る彼がもの凄く素敵に感じた・・・



しかも、白いマジックで、自分の被る帽子に大きく



”鮮魚 魚一”



失礼だが、、、風体とこの屋号ピッタリ!




「いやぁ、、なんか、旅行で市場とか行くと同業者として
皆喋りかけてくるんすよ!」




・・・・・・・・多分、、そうだと思う。。。




「あっ、でも、そういえばこの間、、所在なげで
ソワソワ早く帰りたい感じだったのに又来てくれたんやね?」




「いやぁ~なんか生まれて初めてこんなとこ来たから、、、
なんちゅうんですか。。図書館とか、、ホラ、、静かにせな
あかんやないですか、、なんかこう、、ちょっと緊張する
というか・・・・」




ちょっと嬉しかった。



それでも



友の頑張りを応援したくて来てくれたんや!



訳知り顔の訪問者より、、ずっとリスペクトしてくれている
感じが、とても嬉しかった。



気持ちの良い、、良い男だ!



松ちゃん!



ええ友やないか!

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