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そうだフェルメール描こう!
私は個展などのステイトメントにも書いてある通り、この道に進んだきっかけとして大きな影響を受けたのが17世紀オランダの画家レンブラントの個展を観たのがきっかけなのですが、レンブラントだけではなく他の古典作家の作品も好みではあります。特にバロックといわれる時代主に17世紀の絵画が好きでこの時代の絵画展があればよく見に行っていました。ベラスケス、ルーベンス、カラヴァッジョなど絵画の黄金時代と呼ばれることもあるようにこの時代に描かれた作品は好きなものが多いです。


レンブラント・ファン・レイン



私は、私が尊敬している彼らがその技法を用い現代のものや日本の風景を描いたらどうなるのか、というのを一つの作品コンセプトとして掲げています。現在の自分の立ち位置や技術、絵画の考え方などを確認、さらなる研究をするうえで定期的に彼らの作品を模写することは必要なことだと考えております。あくまでも私は画家であり、美術館の学芸員ではないのであまり言葉で語ることはしたくありません。ただ彼らの作品を実際に模写するというレベルで初めてわかることもあると思うのでその辺りを発信することができれば意義のあることになるのではないかと考えています。

今回模写をしようと思ったフェルメールもこの時代の作家の一人です。レンブラントと同じく日本でも人気のある画家の一人ですがその作品の魅力について模写を通して知りたいと思ったことが選んだ理由です。


ヨハネス・フェルメール



少しフェルメールについての背景を書いておきたいと思います。
17世紀と言えば、ちょうど日本では江戸時代の初めころであり、西洋では暗黒時代と呼ばれた宗教支配の強い中世が終わり、古典や古代の自然美の復興をうたったルネサンスの時代を経て大航海時代の後半にあたります。
フェルメールはオランダの画家であり1632年に生まれました。レンブラントは1606年に生まれているので28歳もの年の差があります。フェルメールが生まれたころ、レンブラント「テュルプ博士の解剖学講義」などの代表作を既に描いており画家としての名声を得ていたことがわかっています。つまり、フェルメールが画家になるころにはレンブラントは巨匠だったわけです。レンブラントの弟子の一人でファブリティウスという方がいるのですが彼の所属している画家組合(ギルド)にフェルメールも所属していたようで二人をつなぐ共通の知人であったとと言われています。ファブリティウスのほうがフェルメールより10歳年上で先輩にあたります。
もしかしたらファブリティウスは「あの親父、人使いが荒いんだよねぇー」とかフェルメールに愚痴っていたのかもしれません。


カレル・ファブリティウス


冗談はさておき、ほぼ同時代を生きたフェルメールとレンブラントの作品の特徴はずいぶんと異なります。レンブラントはスポットライトのような劇的な光をもちいた陰影効果を駆使した派手な演出の利いた作品が特徴です。一方フェルメールは日常の一場面を切り取ったかのような明るい光の中の静かな演出の絵画が特徴です。レンブラントについては以前にも模写したことがあるので、作品や技法からわかる人物像について大体の想像はつきます。フェルメールはどのような人物だったのかその辺りが絵を模写するうちにプロファイルできれば面白いなと思います。
長くなってきたので今回はこの辺で。次回は模写する絵の説明や使う道具なども説明していきます(多分)。

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