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拡張される身体2


私達が作り出したの身の回りにある道具の数々。

これらは身体機能を延長したものであり、身体機能の拡張といえる。

マーシャル・マクルーハンは、テクノロジーやメディアは人間の身体の「拡張」であり、自動車や自転車は足の拡張、ラジオは耳の拡張であるというように、あるテクノロジーやメディア(媒体)は身体の特定の部分を「拡張」するとの主張した。

前回の記事で私はインターネット(やそれにアクセスする為の端末)を外付けの記憶装置と言ったが、頭脳だけでなく、身体機能に関しても同様に拡張は進んでいる。

というか、むしろこちらのほうが起源が古い。
我々人類は道具を作り出し、それらを使うことで進化してきた。

その代償に他の動物達が持っている強靭な肉体、あるいは身体能力の多くを失った。

それにも関わらず、人類は今日こんなにも繁栄を迎えている。

なぜなら、他の生物が持つ能力よりもはるかに強力な、外付けの身体を手にしたからに他ならないからだ。

刃物や銃などの武器はもちろん、車や飛行機などの乗り物、人の代わりに働く巨大な工業機械やロボット、電気や水道などライフラインに至るまで、

テクノロジーよって得た私達の身体能力を拡張させた外付けの身体は、他の生物の能力を圧倒していると言えるだろう。

ただ、私達がテクノロジーによって新しい身体の拡張能力を手にしそれに依存するたびに、元の生の肉体が司っていた能力というのは退化していく。

やがて生命維持装置のように外付けされた新しい身体がなければ生きていけなくなるような気がしている。

現にライフラインが断たれればまともな生活ができない状況になってきているし、

そういったことも踏まえれば、既に私達の身体というのは、自分で認識しているよりも遥かに巨大なものになってきているように感じる。

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