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最近思うこと
去年に更新してからかなりの時間がたってしまった。

その間に何もしていなかったわけではない。

フェイスブックではチョコチョコ画像を載せたりしているが、

こちらがほったらかしになっていたので近況の報告がてら、

作品を公開する。


去年の夏ごろ年末用の「かぶく干支展」にて、

上山さんから今年の干支「巳」にちなんだ

作品を作って欲しいと依頼を受けた。

「わかりました、やります。」と返事はしたものの

直前になってかなり頭を抱えた。

ご存知の通り私の作品は自分をモチーフとした「自画像」が

メインになっている。

それに干支である「巳」つまりはヘビというモチーフを

どう組み合わせるのか。

さっぱり完成像が浮かんでこない。

しかし、ただ単にヘビを描いてお茶を濁すのも

嫌だった(というか私より誰かがもっと上手くやるだろうと思った)ので、

「かぶく」という言葉に注目し、

最悪怒られても仕方がないという覚悟の中、

あまり干支に関わりも無く「ヘビ」でも無いものを

描かせてもらった。





私が何を描いたのか、

端的にいうと人間の頭蓋骨である。

新年を祝う縁起の良いもの、ましてやデパートの

店頭に並ぶものに不謹慎あるいはふさわしくない

と思われても仕方ないなぁと思いつつ、

構想をまとめ作品を作った。

私が普段から思考してることをベースに、

個展「BeastAttack!」でやりきれなかったことも

盛り込みつつ、普段の作品を作る姿勢からは

少し離れたところで思い切って自分なりの遊びを入れて制作した。



ところがこの作品が自分でも思っても見ないことだったのだが、

自分をモチーフに制作していたときには、出せなかったものが

出せたように思う。

去年の個展のときに感じたある種の「限界」というか「不自由さ」

見たいなものの正体がわかった気がした。



自分で言うのもなんだが「BeastAttack!」

で打ち出したコンセプトに自信はあった。「絶対面白いハズ!」

と考えた当初は思ったものだ。

しかし、いざ制作してみると何かがつっかえ

作品として表れてくるのを拒むのである。

単に技術や知識が不足しているというのもあっただろう。

今思えば、このときは考えが専行していて絵を描く楽しさ、制作の喜び

のようなものに向き合えていなかったように思う。

先に出来上がった自らのコンセプトを表現するために作品が後を追う

ような形になってしまっていて、自ら制作のモチベーションを疲弊

させてしまったような気がしている。


そんなことにならないように気をつけながら制作すること、

絵を描くこと自体を楽しみながらやっていければと思う今日この頃。

画像は年末の「かぶく干支展」で出した作品を

少しアレンジし、油彩で描いたものです。





「Rebirth」F40(部分)2013

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