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次回個展予告!
次回個展のコンセプトシートが
出来上がりましたのでご報告させて
いただきます。

まだ変わる可能性はありますが、
大筋こんな感じでいくと思います。
作品は現在鋭意制作中ですので、
こうご期待‼

Beast Attacks!! 2―over drive―(仮)

ステートメント

量質転化…ある事物において、一定の量を積み重ねることで、質的な変化をもたらす現象。
     物理学用語で「量質転化の法則」といい、「相転移」とも呼ばれる。
 
もはや誰もその全貌を把握することもできないぐらいに肥大化した現代グローバル資本主義システム。その「怪物」は大きくなりすぎた自らの巨体を維持するためだけに、地球上に存在するあらゆる資源を使い日々莫大なエネルギーを食らい続けている。
人々は消費することを強迫観念的に植え付けられ、それが本当に必要な物なのか問い、確かめる時間も与えられないまま、盲目的に大量の物を日々生産させられ、それを消費する。
消費すること、つまり己が欲望を満たす刺激に慢性的に慣らされた人々は、より強い刺激を求めて、自己の欲望の量を増大させていく。
その総量が臨界点に達したとき、どのような質的変化をもたらすのであろうか。
 
コンセプト

「量質転化の法則」というのをご存知だろうか。
ある事物において、一定の量を積み重ねることで、質的な変化をもたらす現象のことである。
 例えば、水に熱を加え続けるとやがて沸騰し、水は水蒸気に物体の性質が変化する。
このような変化を物理学では「相転移」と呼んでいる。
この場合だと水が液体という「相」から、加熱することで沸点(この相が変わるポイントを転移点という)に達し、気体という別の「相」へと転移したというわけだ。
 
このようなことは何も物理現象に限ったことではなく、人の行為、営みにも当てはまる。同じ行為を何十回、何百回と繰り返し量をこなすことで上達し、ある日突然これまでできなかったことができるようになるという質的な変化がおこる。
例えば、自転車に乗れるようになるために毎日練習し、ある日突然乗れるようになるなど、このような例は多くあり、また誰もが経験したことがあるだろう。
ただし、この法則には注意すべき点が一つある。数をこなすことが常に良い質的変化をもたらすとは限らないことである。
例えば、幼少期に正しい箸の持ち方をせず、そのまま何十年も過ごしてきた人が自己流の箸の持ち方が身についてしまい、正しい持ち方ができないことがある。
このように、数を繰り返すことで悪い質的変化をして誤ったものが身についてしまうこともあるのだ。
 
現代において我々が今日の繁栄を築いていることも、多くの先人達がより良い社会を築く為に、たゆまぬ努力や試行錯誤を繰り返し、幾度も社会システムや生活スタイルの質を大きく変化(パラダイムシフト)させたことが大きな要因である。これもいわば「量質転化の法則」の一端と言える。それによってもたらされたモノが我々にとって良い質的変化ばかりならば何も問題は無い。
先ほども述べたように、正しいやり方だろうが、誤ったやり方だろうがある行為を続け一定の量を超えたとき、必ず何か質的な変化がおこる。
では、我々が目先の利益や私腹を肥やすために努力して、他者を省みずに環境や倫理的に問題のある行為を行い続ければどうなるか。
それがたとえ最初は小さなことでも、続けていくことで量が増え、量が質の変化をもたらし、質がさらなる量を求め、誰にもどうすることもできない地球規模の「大きな問題」へと発展する。
我々の住んでいる社会はこのような「大きな問題」をいくつも抱えている。これらはすぐに解決するようなものではない。
しかし、我々は「大きな問題」を解決し先に進んでいかなくてはならない。そのためには人々に良い質の変化をおこすための方向(ヴィジョン)を示さなければならない。
 
人類が我欲にしがみつき地球を貪りつくすのか、それとも地球に住む一生命体として他の生命体と共に生きていくのか。
人々の欲望が増え続けその総量が転移点に達しつつある“いま”がその分かれ目である。


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