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作品に通底するもの



今迄ずっと私の活動や作品を見ていただいている

皆様の中には、最近の作品の変化に驚かれている方も

おられると思います。

風景や花や果実などの静物を描いている作品にも、

過去に私が自画像を描き続けてきたような一貫性が無いため、

一体何を描きたいのか疑問をもっている方もおられると思います。



実際に私自身もそのような質問を受けることも多いのですが、

正直ぱっと答えられるぐらいに考えがまとまっていませんでした。

そこで、私が今何を考え作品を制作しているのか、

自分の為にも考えを整理していきたいと思います。






今年の2月の高松天満屋さんの個展では

今迄自画像一辺倒だったのを、

思い切って花や果物などの静物画や風景画を中心に描き

新しい表現に挑戦させていただきました。



私がなぜ新しい表現に切り替えたかと言うと理由は二つあります。



一つは、私自身の作品の引き出しを増やすためです。

まず、私は大学のころから自分をモチーフにしてきたため

描いているモチーフ自体に非常に偏りがありました。

それに伴い、興味のある作家や表現のジャンルにも偏りがある

という自覚があり、もっと視野を広げて

今迄私が興味の無かったものに目を向けて

吸収していきたいと思いました。



もう一つは、私がそれ迄やっていた作品の制作方法に

行き詰まりを感じたため、一度初心に返る意味でも

オーソドックスな油絵を描き表現してみたいと思ったからです。


以上のような考えを元に、制作した作品を発表させていただき、

新しい表現への自信を持つことができましたのですが、

同時に、私自身に超えなければならない

大きな問題も浮かんできました。





作品に描かれるモチーフはわかりやすくなったが、

何が言いたいのかわからない。

また作品から私らしさがなくなったという

御意見をいただいたことがあります。



おそらく、私の作品から私の思想が感じられない、

私が絵を描く必然性が感じられないという意味だと

私は思いました。



実は、これは今まで私が避けてきた問題でもあります。


私の過去の作品では、自分をモチーフにすることで、

あるいは最初にコンセプトという言葉で作品を固めることや、

技法や技術の問題に置き換えることで、

本来なら作家として真っ先にぶつかるべき

この大きな問題をすり抜けてきたのだと思います。










「例えば、りんご一つ描くことで何が表現できるのか。」

 というアドバイスを受けたことがあります。


「本当に作家が描きたいもの、

表現したいものがあるならば、ただのりんご一つ描くにしたって

作家の思想なり個性が作品を観る人に滲み出てくるはずだ。」

という話です。


「あくまで、りんごというのは例えで、

何を描いても作家の個性が滲みだすのが本当で、

作家の作品に通底して流れている思想こそが作家の個性である。」

という意味であったと私は受け取りました。



正直、このアドバイスを受けるまで

私はリンゴをただ見たままをそっくりに描くということに

満足していました。


完全に私の自己満足の世界です。

客観的に自分の作品がどう観られているか、

どう思われているか理解しようとしていなかった

ということだと思います。

これは恥ずかしながら、指摘されるまで気づかなかった点でした。









上の話を踏まえ私がりんごを描くとしたらどうするのか。



私が表現したいものって何なのだろうか。



私の作品に通底しているものはあるのだろうか。



そのように考えはじめました。







あれこれ考えていくうちに、

私の作品に通底しているものは

「人間」なんじゃないか、と思うようになりました。

これは具体的なモチーフとしての人間という意味では無くて、

人間の行為や、人間が作り出す構造に対して、

私が感じるおかしさや歪みなのではないかと考えています。



まだ抽象的で漠然としてはおりますが、


それを「光と陰」に例えて

今回の個展のステイトメントとさせていただきました。






光と陰は常に存在し、相互作用の関係であり、切り離すことはできないと強く感じます、
私は自分の作品を通して、“光と陰”の狭間に美しく存在するものを描きだしたいと考えています。
              (ステイトメントより一部抜粋)




今年の高松での個展から8か月間、

私の作品をより多くの人に作品を楽しんでもらうために、

また私の表現したいことを作品を通して伝えるために、

自己の作品に足りていないものについて考え、

試行錯誤をくりかえしながら制作してきました。

僅かばかりではありますが、

作品の変化を観ていただけたら幸いです。







小田急百貨店さんの町田店7階 工芸サロン

にて展覧させていただきます。


「松本央 作品展」
2014年11月19日(水)~25日(火)
小田急百貨店 町田店7階 工芸サロン

小田急百貨店 町田店
〒194-8550 東京都町田市原町田6丁目12番20号
TEL:042-727-1111(大代表)


【お問い合わせ】
COMBINE office
http://www.combine-art.com/html/office/oc_contact.php









今回の個展でも様々なモチーフに挑戦していますし、

これからも一つのものにこだわらず描いていきたいと

考えています。


まだまだ至らない点は多数ありますが、

一つ一つ作品が本当の意味で「松本央の作品」

になるように日々精進していきたいと思います。



よろしくお願い致します。

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個展終了致しました!
本日を持ちまして松本央個展「光と陰」は無事に終了致しました。
暑い中、時間を作って足を運んで下さいました皆様、誠にありがとうございました。
また貴重な御意見も多くいただき感謝しております。今後の糧として画業に励んで参りたいと思います。

個展は一つ区切りになりますが、私は引き続きこの後の展開に向けて制作に没頭して参ります。

まだまだ乗り越えなければならない課題や問題がありますが、逃げずに対処して行きたいと思います。

自分の殻を破り、使える引き出しを増やす。そして作品が人の心をしっかり捉えられるよう作家としてもっと成長して参りたいと思いますので、皆様これからも御指導よろしくお願い致します。

ひとまずこの場を借りまして御礼申し上げます。

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光と陰
前回より随分と期間が開いてしまいました。

ご無沙汰しております。

昨日より、BAMIgalleyに置きまして、

個展を開催させていただいております。


松本央「光と陰」
期間6/25~7/31日
open PM12時~18時
close 土日、休日













今回の展示は、高松天満屋アートギャラリーにて

発表させていただきました静物画などの作品表現を

発展させ、表現や作品の構造により深みをもたせる

目的で制作した作品の発表になります。

日々勉強の毎日ですがより良い作品を描くため、

今の自分の抱えている課題をひとつひとつクリアすべく

努力してまいりたいと思います。

皆様、お時間ご都合よろしければ是非御高覧下さい。









追伸になりますが、

拙作の「untitled」が

春の京都二紀展にて黒田重太郎賞、

6/22まで大阪市立美術館で開催されました

第61回関西二紀展において関西二紀賞を

いただきましたことを重ねてご報告させていただきますとともに、

こちらでのご報告が遅くなりましたことをお詫びいたします。




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授賞式と伊勢参り



23日の日曜日、

第9回大王大賞展の受賞式に出席致しました。

志摩市大王公民館で行なわれたのですが、

地元のテレビ局も取材にくるなど立派な式でございました。

受賞式ののち、二紀会常務理事で審査委員の

山本文彦先生より展覧会の講評が行なわれました。

私の作品も批評していただき、いろいろと御意見賜わりました。

これを今後の糧とし、頑張って行きたいと思います。

大王大賞実行委員会の皆様ありがとうございました。




授賞式は午前で終ったので、

ついでに伊勢を観光することにしました。




まずは鳥羽水族館へ





日曜日家族連れでごったがえしている中

ここへ来たのには理由があります。

ここにはアマゾンに生息する

世界最大の淡水魚ピラルクがいるのです。





ご存知のない方もいらっしゃるかもしれませんが

以前一度ピラルクを題材に作品を描いたことがありまして

是非一度しっかり見ておきたいなぁと思ったのでした。

ここには大型の個体が何匹もおり、

雄大に泳ぐ姿を見てやはり龍のようだと思うとともに、

いつか飼ってみたいなぁと妄想しておりました。

その他にも骨格標本や展示物など私の心を

ときめかせるものが多数ありました。






そして、

最後に伊勢神宮へお参りに行きました。

おかげ横丁を通って本宮へ。






実は人生で初めて参拝しました。

本宮までは結構距離があり

しばらく歩きようやくたどり着きました。





式年遷宮の後ということもあり

お社はきれいな状態でした。

そしてやはりここも人がすごく多かったです。



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春への準備
まだまだ寒い日が続いている。

この時期は、学校の授業も無く暇である。

しかし、私にとっては非常に大事な時期だ。




なぜなら、4月ごろから京都二紀にはじまり

6月には関西二紀、7月には京都二紀小品展、

そして9月末には二紀本展の締め切りがせまり、

11月の京都への巡回展を迎え、

気が付けば年末とあっという間に一年が終了する。

今、確定している二紀の予定だけでもざっとこんな感じだ。




その間にも、今年は作りたい作品や、

出したい公募展やコンペなどもある為

この時期にいかに作品や作品の元になるアイデアを

描きためておくかが大事だ。

ここをミスすると一年間が台無しになってしまう。



という訳でせっせと制作するのである。


今年は出品する展覧会全部で勝負する。


このブログでもいいご報告ができるように!





(まだまだ制作途中です。下層描き終了段階)



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