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うちの子 ~豆ちゃん・その2~
猫派の私のうちに突如として現れた黒い衝撃。

猫なら飼ったことがあるのですが、犬は…

ましてやこんな黒い犬…






そもそもなぜこのような事態に陥ったかを説明したいと思います…


あれは今年の三月…


私は同居人の方(以下‘同’)と二人でホームセンターへ向かっていました。



釜「なんか家が殺風景やし、観葉植物でも買おか~」

同「ちょっと頑張って大きいやつがええなぁ」



目的は観葉植物(ちょっと大きいやつ)


いつもなら近所のホームセンターに行くのに、その日に限って一つ遠い所にあるホームセンターへ。


ホームセンターに着くと早速目当ての観葉植物を物色。


釜「なかなかええのないなぁ~」

同「う~ん、わざわざ遠い方に来たのになぁ…」


これといって気に入ったものが見つからないまま私達の足はペットコーナーへ…


そこには可愛い動物達が…

もう…たまりません。

ぷりちーなわんちゃん…

そして!にゃんちゃん…


釜「あぁ…アビシニアン…」

私が猫に夢中になっていたその時

同「なぁ!見て!この子…」


そう呼ばれて、覗いたショーケースの中には黒く丸い物体が…


釜「なにこれ…?まっクロクロすけ?」

同「パグ…やって。寝てるんかなぁ…背中しか見えへん。」

釜「パグって、あの不細工な奴やろ?どれどれ…」


そう言って私は、眠っているパグを起こしてやろうとショーケースを小突きました。


すると僅かに動いたパグ。

そして眠そうな仕草でこちらに振り向きました…


















「うっわぁ~~!!!(2人とも)」



なんて不細工…


そう言おうとした私の声を掻き消す声で


同「可愛いぃ!!!!!!!!」


…私の隣の方は、もう目がハートでした。

そりゃもう…本当にハートに見えました…



そこからです…


ホームセンターのキャンプ用品のベンチ(売り物)にて、

‘釜家 緊急犬会議’

が開かれました!!



同「あの子を連れて帰りたい!」

釜「いや、でもさ前に‘猫飼いたい’って言ったら、却下したやん…」

同「あの可愛いお顔…連れて帰ろう!?」

釜「いや、でもさやっぱり犬って大変やと思うねん…」

同「あんな可愛い子見たことないわ~。きっとわざわざ遠いホームセンターまで来たのは、あの子と出会う運命やったんやわ!」

釜「あの…」



勢いで動物を迎え入れることの恐ろしさと無責任さを痛感していた私は、
それを切々と説き、なんとかその場を落ち着かせました。



同「そうか…そうやな…」



犬はペットとしてはあまりにメジャーですが、
爬虫類ばかり飼っていた私にとってはとても大きな動物です。

その大きさの分、病気や介護など手のかかる事が沢山あります。

もちろんどんな動物でもそうですが、生き物と一緒に暮らすというのは責任重大です。


過去に犬を病気で亡くしていた同居人の方も
それは痛いほどわかっていました。



同「じゃぁ、最後にもう一度だけ見に行こう?」

釜「そうやな。挨拶して帰っても罰はあたらへんやろうし…」



そうして私達は最後にもう一度だけパグを見に行くことにしました。



同「可愛いなぁ~」

釜「いい人に飼ってもらえるといいな」





よし!帰ろう!

ようやく誘惑に打ち勝とうとしていた2人…


そこに悪魔が現れたのです…






店員「もしよかったら、抱っこしてみます?」






2人の足がピタっと止まりました…






同「抱っ…こ…?」



あかん…この流れはまずい…





店員「どうぞ~!可愛いですよねぇ~パグ♪」




ゆっくりとパグを抱っこさせる店員…


どうしていいかわからないままそれを受け取る同居人…





スローモーションで時が流れる中…



ついにパグを抱っこ…


その横顔…

満面の笑み…


その眩し過ぎる笑顔を見ながら私は


ああぁぁあぁぁぁああぁぁあぁあぁああぁぁぁぁぁ~~~~………












そうして、

観葉植物を買いに行ったはずの私達。



その帰りの車中には黒い変な犬が居ました…








名を 釜 豆

こう見えて女の子


そして血統書によると、本名はキャサリン…



キャサリン…


この顔でキャサリンて…






つづく…

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