May 25,2009
前回は、初めてのカメレオンの旅立ち。
そしてレオンとの出会い、成長まで書きました。
では早速続きを…
レオンが来て一年が過ぎ、すっかり大人のカメレオンになった頃
自室の大きな温室には他にも数多くの動物が仲間入りしていました。
温室でしっかり管理し、当時の私は動物飼育のコツのようなものを掴んでると自負していました。
そして、本当に
本当に大変なことをしてしまいました。
高校生活にも慣れ、勉強と部活に忙しい毎日を過ごす内に少しずつ動物の飼育の手を抜くようになっていました。
そして、ある日温室の電源を抜いていることも忘れ2~3日家を空けたのです。
その間の動物達の世話は当時幼かった弟に任せました。
用事を済ませ、家に帰った私を待ち受けていたのは残酷な現実でした。
稼動していない温室内の動物達はほとんど死に絶え、残った数少ない動物も虫の息でした。
そして亡くなった中にレオンも含まれていました。
私が出かけている数日の間に徐々に動物達は亡くなっていき、それを目の当たりにしていた弟は、世話を上手に出来なかった自分の責任だと思い込み泣きながら私に謝ってきました。
もちろん完全に私だけの責任です。
弟をなだめ、動物達を弔い、空っぽになった温室を眺めながら
自分という存在が酷く恐ろしく思えました。
スイッチ一つで目の前の生命をコントロールしていたこと、動物と仲良く暮らしているという勝手な幻想、
全てはただの自己満足なんだと思い知らされました。
動物を‘買う’そして‘飼う’ということがいったいどういう事なのか…
ものすごい自己嫌悪の日々でした。
それから、残った数匹の動物をペットショップに預け、部屋からは温室を除きました。
殺伐とした部屋の中、唯一自分への戒めとして残したものがありました。
それはレオンがかつて暮らしていた水槽です。
それから私は動物を多く描きはじめました。
つづく