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鬼蜻蜒
今朝、散歩をしていたら遠くの民家の塀から異様な存在感を感じて思わず歩み寄った。







オニヤンマの羽化を見たのは生まれて初めてだった。

巨躯でありながら繊細なその姿に感動した。


そして何より、離陸間近の戦闘機のような緊張感や威圧感があり少し怖かった。


それまで暮らした水中から新たな世界へと飛び立つ。

一度飛び立てば命が潰えるまで休む事はないのだという覚悟がひしひしと伝わってきた。



しばらく観察してからその場を離れ、ふと振り返った時にはすでに姿はなかった。

貴重で意味のある瞬間に出逢えて光栄だった。

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