March 19,2012
前回はピンクの漬物(さくら漬け)を探し求めるというお話をさせていただきました。
あのくだらない話をきちんと最後まで読んで下さった方がもしいらしたのなら…
よっぽどヒ…
優しい方ですね。
今回も懲りずに、「ぶた弁当」にまつわるその後の小話をさせていただきたいと思います。
さて、
お漬物を入手したところでモチーフは全て揃ったわけです。
が、
それらを飾る肝心の“お弁当箱”がまだ最後に残っています。
前回のお漬物同様、このお弁当箱にもこだわりがありまして、
“赤いプラスチックで黒い縁のあるもの”
この条件で探しました。
これがまた!!
無い!
全然!
よ~し…
こうなったら!
と、
前回のお漬物同様、近所のお弁当屋さんに駆け込みました(汗)
「ここのお弁当ってどんなお弁当箱使ってますか?」
またもやメインのおかずに一切目もくれずに質問しました。
おかずどころか、今回はお弁当の中身ですらなくなってますからね…
それはもう…店員さん苦笑い…
前回のお漬物から時間も経っていなかったので、きっと顔を憶えられてしまったに違いありません…
そこまでしたのにも関わらず、やはり見つからない!!
諦めかけたその時!
ふと脳裏に、あのキーワードが浮かびました…
“業務用スーパー”
1kgという、二度と買わないであろう大きさのピンク漬物を買った、
“業務用スーパー”
私は“もしや”という思いで足を運びました。
淡い期待を胸に店内を物色していると…
…
!
「お!あった!!」
この安っぽい赤いプラスチックに黒い縁!
それは、まさに私が探し求めていた代物でした。
私は意気揚々と棚からお弁当箱を取ろうとしました…
…
が…
いざ取り出してみると、プラスチックのお弁当箱とは思えないくらい
“ずしり”
とした重み…
そう。
だって“業務用”スーパーですもん…
お弁当箱は単品では売っておらず、セット販売のみということで…
その数なんと50…
しかもこれがなかなかのお値段…
恥ずかしながら、手持ちがなかった私は一旦引き返すことに。
やはり描くとなれば、実物を手元に置きたいものです。
簡単に手に入るモチーフならいいのですが、時折入手困難な場合もありまし。
入手困難でないにしても、今回のように大量購入しないといけない場合があります…
そのため、
「なんでこんなんいっぱい持ってんの!?」
と驚かれることがあります…
このポップコーンの羊を描くために用いたカップは100個入りを購入しました…
まだ90個以上あります。
ポップコーン屋さんができますね…
他にも金魚すくいの“すくい”が100枚程あります。
テキ屋さんになれますね…
数え上げればきりがないですが、これは仕方がないことです。
私は腹をくくって、50個のお弁当箱を買おうと決めました。
次の日の朝、
仕事があった私は、お弁当箱を買わずにとりあえず大学に向かいました。
いつもは午後から勤務する私ですが、その日はオープンキャンパスだったため朝からの勤務。
有り難いことにお昼にはお弁当が支給されました。
“無料のお弁当”
昨日の一件もあったっためか、その響きに嬉しくなり、
私はいつにも増して楽しく昼食をとっていました。
…ん?
私はふと、自分が食べているお弁当が気になりました。
「…これ」
私は、もしやとおもい、凄い勢いでお弁当の中身を平らげていきました!
中身が無くなるにつれ次第に明らかになっていくその全貌!
「や…やっぱり!」
なんと、そのお弁当箱こそ昨日業務用スーパーで見つけた“それ”でした。
「あぁ~!!」
私は最高に幸せな気持ちになりました。
空のお弁当箱をまじまじと見つめながら微笑む姿は、まさに不審者のそれでしたが、
そんなことはお構い無しで捨てるはずのお弁当箱を綺麗に洗いました。
「ぶた弁当の制作途中」
こうしてついにモチーフを全て手に入れ、念願の
「ぶた弁当」
を描くことができました。
ちなみに、この作品は2009年の年末に高松天満屋で個展をさせていただいた際、
その会期中に思いついた作品です。
構想に2年…
と言えば聞こえがいいかもしれませんが、
構想というよりは自分の技術がこの作品を再現できるまで2年かかったということです。
もちろん、今の段階で満足などいくはずもなく、日々鍛錬の日々です。
今回の個展では、そういった鍛錬の様子や試行錯誤の証が沢山詰まった展示になりました。
まだまだ未熟者ではありますが、皆様どうぞ宜しくお願い致します。
「ぶた弁当(モチーフ)を食すの図」
あのくだらない話をきちんと最後まで読んで下さった方がもしいらしたのなら…
よっぽどヒ…
優しい方ですね。
今回も懲りずに、「ぶた弁当」にまつわるその後の小話をさせていただきたいと思います。
さて、
お漬物を入手したところでモチーフは全て揃ったわけです。
が、
それらを飾る肝心の“お弁当箱”がまだ最後に残っています。
前回のお漬物同様、このお弁当箱にもこだわりがありまして、
“赤いプラスチックで黒い縁のあるもの”
この条件で探しました。
これがまた!!
無い!
全然!
よ~し…
こうなったら!
と、
前回のお漬物同様、近所のお弁当屋さんに駆け込みました(汗)
「ここのお弁当ってどんなお弁当箱使ってますか?」
またもやメインのおかずに一切目もくれずに質問しました。
おかずどころか、今回はお弁当の中身ですらなくなってますからね…
それはもう…店員さん苦笑い…
前回のお漬物から時間も経っていなかったので、きっと顔を憶えられてしまったに違いありません…
そこまでしたのにも関わらず、やはり見つからない!!
諦めかけたその時!
ふと脳裏に、あのキーワードが浮かびました…
“業務用スーパー”
1kgという、二度と買わないであろう大きさのピンク漬物を買った、
“業務用スーパー”
私は“もしや”という思いで足を運びました。
淡い期待を胸に店内を物色していると…
…
!
「お!あった!!」
この安っぽい赤いプラスチックに黒い縁!
それは、まさに私が探し求めていた代物でした。
私は意気揚々と棚からお弁当箱を取ろうとしました…
…
が…
いざ取り出してみると、プラスチックのお弁当箱とは思えないくらい
“ずしり”
とした重み…
そう。
だって“業務用”スーパーですもん…
お弁当箱は単品では売っておらず、セット販売のみということで…
その数なんと50…
しかもこれがなかなかのお値段…
恥ずかしながら、手持ちがなかった私は一旦引き返すことに。
やはり描くとなれば、実物を手元に置きたいものです。
簡単に手に入るモチーフならいいのですが、時折入手困難な場合もありまし。
入手困難でないにしても、今回のように大量購入しないといけない場合があります…
そのため、
「なんでこんなんいっぱい持ってんの!?」
と驚かれることがあります…
このポップコーンの羊を描くために用いたカップは100個入りを購入しました…
まだ90個以上あります。
ポップコーン屋さんができますね…
他にも金魚すくいの“すくい”が100枚程あります。
テキ屋さんになれますね…
数え上げればきりがないですが、これは仕方がないことです。
私は腹をくくって、50個のお弁当箱を買おうと決めました。
次の日の朝、
仕事があった私は、お弁当箱を買わずにとりあえず大学に向かいました。
いつもは午後から勤務する私ですが、その日はオープンキャンパスだったため朝からの勤務。
有り難いことにお昼にはお弁当が支給されました。
“無料のお弁当”
昨日の一件もあったっためか、その響きに嬉しくなり、
私はいつにも増して楽しく昼食をとっていました。
…ん?
私はふと、自分が食べているお弁当が気になりました。
「…これ」
私は、もしやとおもい、凄い勢いでお弁当の中身を平らげていきました!
中身が無くなるにつれ次第に明らかになっていくその全貌!
「や…やっぱり!」
なんと、そのお弁当箱こそ昨日業務用スーパーで見つけた“それ”でした。
「あぁ~!!」
私は最高に幸せな気持ちになりました。
空のお弁当箱をまじまじと見つめながら微笑む姿は、まさに不審者のそれでしたが、
そんなことはお構い無しで捨てるはずのお弁当箱を綺麗に洗いました。
「ぶた弁当の制作途中」
こうしてついにモチーフを全て手に入れ、念願の
「ぶた弁当」
を描くことができました。
ちなみに、この作品は2009年の年末に高松天満屋で個展をさせていただいた際、
その会期中に思いついた作品です。
構想に2年…
と言えば聞こえがいいかもしれませんが、
構想というよりは自分の技術がこの作品を再現できるまで2年かかったということです。
もちろん、今の段階で満足などいくはずもなく、日々鍛錬の日々です。
今回の個展では、そういった鍛錬の様子や試行錯誤の証が沢山詰まった展示になりました。
まだまだ未熟者ではありますが、皆様どうぞ宜しくお願い致します。
「ぶた弁当(モチーフ)を食すの図」