February 10,2010
多分誰も気付いていないとは思いますが、この‘うちの子’シリーズの
豆ちゃんの回
~その2~でストップしていました…
別に忘れていたわけではないんです。
続きを書くかどうか悩んでいました。
しかし、もう書かざるを得ないというか…
先日決定的な出来事が起きたので、今回書こうと決心いたしました。
またまた長文になるとは思いますが、よければ最後までお付き合いください!
前回は、豆がうちにやってきたところで終わっていましたね。
ということで早速続きです…
豆がうちにやってきて、まず初めにしないといけなかったのは
ワクチン接種でした。
まだ一度もワクチンを打っていない状態の生まれたてほやほやの豆を引き連れ、私は獣医へ向かいました。
ちなみに、その日同居人の方は仕事だったので私一人で向かいました。
…この時私は、ちょっとワクチンを打って帰るだけと思っていました。
まさか豆が、先天性の重い病を持って生まれてきているだなんて思ってもみなかったのです。
生まれたばかりの仔犬ということもあり、診察室の中は黄色い声が飛び交っていました。
しかし…
心臓に聴診器をあてた瞬間に獣医師の顔から笑顔は消えました。
獣医から伝えられた内容に私は目の前が真っ暗になりました。
「心臓に重い先天性の疾患があります。この小ささでこの心音は稀なケースです。」
私はついこの間出会うことができたばかりの仔犬を見ました。
豆は何もわからないような顔をして私を見つめていました。
それが本当に辛かったです。
「おそらく1年~2年程しか生きることができないでしょう。心臓の繊細な箇所の異常で、手術も不可能に近いです。」
私は帰りの車中、助手席の豆を見て思いました。
知らされてよかったと。
楽しい人生を作ってあげよう。
わざとらしくなく、自然に。
そう決めました。
その日仕事を終え帰宅した同居人に、私は嘘をつきました。
「‘ちょっと’心臓の音が変って言うてた。でも大丈夫みたい。様子を見ましょうって。」
これは私自身がそう思いたかっただけかもしれません。
その後、月に一度ワクチンを打つために獣医に通いました。
心臓の音は徐々に悪化していきました…
実際、うちにいるときも見てとれる異変が起き始めました。
トントンという変な咳。
突然転んで一瞬意識が飛んだり。
同居人の方も心配していましたが、
それ以上にもっと深刻な事実を知っていた私は不安を拭えずにいました。
それから数カ月…
お陰さまで、豆は無事1才を迎えました!
特に目立った病気の進行はないように思われ、しばらく獣医にも足を運んでいませんでした。
この頃私は、もしかしたら快方に向かっているんじゃないかと思うようになっていました。
しかし
その期待が間違っていたのだと思い知らされました。
2月に入ってから豆の調子が全体的に悪くなり始めました。
食欲がなく
耳も聞こえていないような
いつものように元気に走ることもしなくなりました。
私は以前獣医に言われたことを思い出し、大きな不安を感じました。
そして昨日、規模の大きい動物病院で改めて豆を見てもらうことにしました。
心臓に聴診器をあてた瞬間、獣医師は深刻な表情になり
私はその時全てを覚悟しました。
少し大がかりな検査をしてもらい、私達は診察室の奥まで呼ばれました。
そして、豆のレントゲンを見ながら獣医は言いました。
「かなり進行しています。率直に言うと末期です。」
豆を抱きしめていた同居人はショックのあまり、その場で涙を流しました。
無理もありません。まさかそこまで深刻だとはおもっていなかったでしょうから。
「本当に稀な疾患の、更に稀なケースです。手の施しようがありません。」
帰りの車中、私は嘘をついていたことを謝りました。
傷つけようと思ってしたわけではありません。
もしかしたら良くなるんじゃないかと信じていたかったんです。
全てを認めてしまうのが嫌だったんです。
それが、私がうちの子シリーズの豆の回‘最終回’を書きたくなかった理由です。
今、豆はほとんど御飯も食べず眠っています。
また元気になるか、それとも悪化していくか…
それはわかりませんが、
私は豆に特別何かをしようとは思っていません。
‘10数年生きる犬’を飼ったわけではなく
私は‘豆’を飼いました。
その豆の命が1~2年なら、それで充分です。
今まで通り、楽しく厳しく一緒に過ごします。
ただ…
ちょっとだけ…
ほんのちょっとだけ…
甘やかします(笑)