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受賞のご報告と反省

本日、私は東京の国立新美術館へ

行ってまいりました。



なにをしに行ったかと言いますと、



10月15日より、上記会場にて

開催されております、

第68回二紀展におきまして、

私の作品が、奨励賞を

授賞したため、

その授賞式に出席する為に

東京へ出かけたのでした。



当ブログではご報告をして

おらず日頃こちらのブログを


ご覧いただいている皆様には

ご報告が遅くなったことを

お詫びしなければならない

のですが、実は6月に

大阪市美術館にて

開催された関西二紀展では、

関西二紀賞をいただきました。


春、夏、秋と全ての展覧会で

授賞させていただくことができ、

非常に嬉しく思うとともに、

数ある作品の中から選んで

いただいたことに感謝いたして

おります。

また日頃から私の活動を

応援し、支えていただいている

皆様にも良いご報告ができ、

嬉しく思っております。



しかし、

私にとっては喜んでばかり

いられないこともあります。

実は、この賞を受賞したのは

全て同じ作品でした。

ですので、今後はしっかりと

大作も描けるように頑張って

まいりたいと思います。

それが、私の取り組んでいる

ことにも連動していくように

したいと考えています。


小品を制作することで得たこと、

大作を制作することで得たこと、

お互いに上手くフィードバック

させていきたい思います。





と、久々に国立新美術館の

本展にかけられた作品群

を観ながら一人発奮しているの

でした。


授賞式は終わりましたが、

国立新美術館での展示は

10月27日まで続きます。


11月には京都市美術館

へも巡回いたします。

ご都合よろしければ御高覧下さい。









巡回展と同時期に個展を

させていただきます。

こちらの方も

是非よろしくお願い致します!


「松本央作品展」

2014年11月19日(水)~25日(火)
小田急百貨店 町田店7階 工芸サロン

小田急百貨店 町田店
〒194-8550 東京都町田市原町田6丁目12番20号
TEL:042-727-1111(大代表)


【お問い合わせ】
COMBINE office
http://www.combine-art.com/html/office/oc_contact.php





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作品に通底するもの



今迄ずっと私の活動や作品を見ていただいている

皆様の中には、最近の作品の変化に驚かれている方も

おられると思います。

風景や花や果実などの静物を描いている作品にも、

過去に私が自画像を描き続けてきたような一貫性が無いため、

一体何を描きたいのか疑問をもっている方もおられると思います。



実際に私自身もそのような質問を受けることも多いのですが、

正直ぱっと答えられるぐらいに考えがまとまっていませんでした。

そこで、私が今何を考え作品を制作しているのか、

自分の為にも考えを整理していきたいと思います。






今年の2月の高松天満屋さんの個展では

今迄自画像一辺倒だったのを、

思い切って花や果物などの静物画や風景画を中心に描き

新しい表現に挑戦させていただきました。



私がなぜ新しい表現に切り替えたかと言うと理由は二つあります。



一つは、私自身の作品の引き出しを増やすためです。

まず、私は大学のころから自分をモチーフにしてきたため

描いているモチーフ自体に非常に偏りがありました。

それに伴い、興味のある作家や表現のジャンルにも偏りがある

という自覚があり、もっと視野を広げて

今迄私が興味の無かったものに目を向けて

吸収していきたいと思いました。



もう一つは、私がそれ迄やっていた作品の制作方法に

行き詰まりを感じたため、一度初心に返る意味でも

オーソドックスな油絵を描き表現してみたいと思ったからです。


以上のような考えを元に、制作した作品を発表させていただき、

新しい表現への自信を持つことができましたのですが、

同時に、私自身に超えなければならない

大きな問題も浮かんできました。





作品に描かれるモチーフはわかりやすくなったが、

何が言いたいのかわからない。

また作品から私らしさがなくなったという

御意見をいただいたことがあります。



おそらく、私の作品から私の思想が感じられない、

私が絵を描く必然性が感じられないという意味だと

私は思いました。



実は、これは今まで私が避けてきた問題でもあります。


私の過去の作品では、自分をモチーフにすることで、

あるいは最初にコンセプトという言葉で作品を固めることや、

技法や技術の問題に置き換えることで、

本来なら作家として真っ先にぶつかるべき

この大きな問題をすり抜けてきたのだと思います。










「例えば、りんご一つ描くことで何が表現できるのか。」

 というアドバイスを受けたことがあります。


「本当に作家が描きたいもの、

表現したいものがあるならば、ただのりんご一つ描くにしたって

作家の思想なり個性が作品を観る人に滲み出てくるはずだ。」

という話です。


「あくまで、りんごというのは例えで、

何を描いても作家の個性が滲みだすのが本当で、

作家の作品に通底して流れている思想こそが作家の個性である。」

という意味であったと私は受け取りました。



正直、このアドバイスを受けるまで

私はリンゴをただ見たままをそっくりに描くということに

満足していました。


完全に私の自己満足の世界です。

客観的に自分の作品がどう観られているか、

どう思われているか理解しようとしていなかった

ということだと思います。

これは恥ずかしながら、指摘されるまで気づかなかった点でした。









上の話を踏まえ私がりんごを描くとしたらどうするのか。



私が表現したいものって何なのだろうか。



私の作品に通底しているものはあるのだろうか。



そのように考えはじめました。







あれこれ考えていくうちに、

私の作品に通底しているものは

「人間」なんじゃないか、と思うようになりました。

これは具体的なモチーフとしての人間という意味では無くて、

人間の行為や、人間が作り出す構造に対して、

私が感じるおかしさや歪みなのではないかと考えています。



まだ抽象的で漠然としてはおりますが、


それを「光と陰」に例えて

今回の個展のステイトメントとさせていただきました。






光と陰は常に存在し、相互作用の関係であり、切り離すことはできないと強く感じます、
私は自分の作品を通して、“光と陰”の狭間に美しく存在するものを描きだしたいと考えています。
              (ステイトメントより一部抜粋)




今年の高松での個展から8か月間、

私の作品をより多くの人に作品を楽しんでもらうために、

また私の表現したいことを作品を通して伝えるために、

自己の作品に足りていないものについて考え、

試行錯誤をくりかえしながら制作してきました。

僅かばかりではありますが、

作品の変化を観ていただけたら幸いです。







小田急百貨店さんの町田店7階 工芸サロン

にて展覧させていただきます。


「松本央 作品展」
2014年11月19日(水)~25日(火)
小田急百貨店 町田店7階 工芸サロン

小田急百貨店 町田店
〒194-8550 東京都町田市原町田6丁目12番20号
TEL:042-727-1111(大代表)


【お問い合わせ】
COMBINE office
http://www.combine-art.com/html/office/oc_contact.php









今回の個展でも様々なモチーフに挑戦していますし、

これからも一つのものにこだわらず描いていきたいと

考えています。


まだまだ至らない点は多数ありますが、

一つ一つ作品が本当の意味で「松本央の作品」

になるように日々精進していきたいと思います。



よろしくお願い致します。

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