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焼物が続きます。ただし普通じゃないです。
本日より


遠藤良太郎 「幸せなら手をたたこう」


スタートいたしました。


2017.11.25 (sat) - 2017.12.03 (sun)
OPEN 12:00~18:00
期間中無休


幸せとは何か?この問いはきっと人類にとって、
永遠に続くテーマなのではないだろうか。


私には何が幸せで、何が不幸せなのか、その
境界線はよく分からない。 だけど誰かの幸せを
祈ることならできる。そこには善も悪も、何もない。


縁起物は、誰かの幸せを祈って作られたもの。
私は、皆様のご多幸を心より祈念して、縁起物を
作ります。














以前、、そうかなり以前、このブログで少し
書いたことがあったと思うのですが、、

私は、彼、遠藤君の文章をタグクラウドをつむぎ出す
ジェネレーターにかけた事があった。

タグクラウドとは、インターネット用語だが、
ネット上の文字情報を分かりやすく集約した
ものであり、比較的重要視する文言は平面状に
大きく掲示される。つまりその人や組織に
とっての重要度が一目で判然とする。




これはオバマ大統領の就任演説をタグクラウド化
したものである。

「nation」「new」「people」

この3文字が多用された文字である。
ここでオバマを語る必要はないが、
彼の中にある、もしくは今後意識しなくては
ならない、もっと言えば”欺瞞”かもしれない
部分が、、、、

いずれにしてもある側面を浮かび上がらせ
る作用がこのシステムにはある。

話は戻るが、


遠藤君の文章から出てきたものは


境界

曖昧

ゆらゆら

このような感覚の文字が
タグクラウドに躍っていたのを
記憶する。


加えて


先般開催した企画『after80 昭和最後の方の人たち』
においての彼の自らの文脈・・・・


***********


1987年生まれ


新潟県燕市に生まれる。1987年生まれは、いわゆるゆとり
第一世代。要するに旧課程からゆとり教育に移行するため
のお試し世代(実験的な期間)といわれている。また2009年
のリーマンショックにより、就職難を迎えた世代でもある。


中学3年から高校1年の頃、ケータイ電話が急激に普及し
始めた。ケータイ電話の普及により、今までの生活から、
様々なこと(人との接し方、距離感などなど)が一気に変
わりだした。


自分の意思とは関係なく、変化を強要されることが多かった
世代ともいえる。私は、そうした、自分の意志とは関係なく
起こる、様々な変化に抵抗感を覚え、学校教育から距離を置
いた。大きな流れに身を任せること、流れに抗う事、どちら
が正しいのかは分からないけどそういう選択をした。


そうした経験の中から、あらゆる物事は自分の意志とは関係
なく、大なり小なり、色々なスピードで変わっていくことに
気付く。それは自分という存在の小ささを思知った瞬間でも
ある。
 

しかし変化には常に、大きなストレスと、そして同時に人生
の面白さ、喜びが詰まっていた。この星には本当は善も悪も
ない。ただただ全てを丸く飲み込みながら、変わり続け、そ
して生きていく、それだけなんだと思う。私は、その単純で
完璧な構造に魅了されたのだ。



************



この文章と、先のタグクラウドから浮かび上がる
言葉、そして今回の展覧会のテーマ・ステートメント
をレイヤー化(階層化)すると、私は今の彼が如実に
現れ出したと感じている。


このテーマは大事にして欲しい思うと同時に
ここからさらに深く深く掘り下げて拡げて
もらいたい。


COMBINE 遠藤良太郎 『幸せなら手をたたこう』 プレスリリース by COMBINE on Scribd





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さて、続いてですが、


第三回目となる


小橋順明の個展


今回は、


小橋順明 ceramic sculpture
『うまれる いのちつきるように』


2017.12.05 (tue) - 2017.12.17 (sun)
OPEN 12:00~18:00
期間中無休

※作家在廊12月05日(火)


と、銘打って開催いたします。


これまでとは違い


今回は昆虫ではなく


メインを”蓮の花”で臨みます。


そして作品をただ見せるだけではなく・・・


空間インスタレーションを際立たせる
算段だと・・・・・・


だと、、、、と言うのは、、


毎回の事ですが・・・・


私は大まかな構想だけ、


彼も彼の頭の中でだけ・・・


つまり現場にて作る・・・


しかし、これまで結果を残してきた
彼、、、、


過去二年とは


おそらく次元の違う


個展を構築してくれると確信しています。


蓮の微細な造形は”超絶”さは勿論ですが、
それを中心とした空間は、、、果たして
どのような空気が流れるのか???






















COMBINE 小橋順明 ceramic sculpture 『うまれる いのちつきるように』  プレスリリース by COMBINE on Scribd


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宮本大地 ノスタルジアとサウダージ以上に!
先般BAMI galleryで企画した【after90 平成最初の方の人たち】
において、宮本君が書いてくれた文章のある箇所に私はもの
すごくひっかかったというのか?ハッとさせられた・・・


**************



宮本大地:1991年生まれ


僕は誰でも見たことのある場所やモノの中に小さな世界を
造りあげる作品を描いている。


そこには、現代にあるモノ、過去にあったモノ、現実には
存在しないモノ、様々なモノが自由に組み合わさり詰め込
まれている。そこに表れる世界は、自分の人生の蓄積に
よる世の中の見え方の様に感じる。


作品を描けば描くほど、自分がどういう人間なのか、
何に興味があるのか、自分の人生がどう作品に影響を与え
ているのかが見えてくる。?


1991年生まれ、景気が不安定になる中、両親の共働きも
当たり前となっていた。そのため幼少期は祖母と過ごす
時間が多く、1番初めに絵を描く事を教わったのも祖母
だった記憶がある。


遊び道具はもっぱらミニカーにプラモデルにオモチャの
ロボット。それらを使って自分だけの小さな世界を作り、
没入していた感覚は今の作品と大きく繋がっている。


小中学校の頃には世の技術もどんどんと向上し、身の回り
には小型ゲーム機やノートパソコン、携帯電話、ウォークマン。


モノのハイテク化が進む中で、自分も当たり前に順応して
いると思っていたが、どこかで置いていかれている感覚、
便利になりすぎる事への怖さを持ち続けていた。ネットが
発達し、世の人たちの世界が広がり続ける中、自分の望む
世界は幼少期にオモチャを使って遊んでいた様な、自分の
視界におさまる小さな世界、人と人との温もりを感じる
昔ながらの世界だったのだろう。


そこに感じるズレの中で生まれた過去のモノに対する憧れ
や興味が作品のモチーフの選択に表れている。旧車や
黒電話やレコードなど、自分が生まれる前に活躍していた
モノたち。


そこには作り手の温もりを感じ、憧れを感じ、知らない
からこそ魅力を感じ、自分の理想を重ねる。その世界に
こそリアルを感じ、作品に残したい。描き続ける事で
自身を掘り下げ、理解し、また描き続ける。


*************


以上が、彼が今の作品制作に至る自らを掘り下げた文脈
なのだが、、、、私が気になった箇所は、、


『旧車や黒電話やレコードなど、自分が生まれる前に活躍
していたモノたち』


この”活躍”という言葉に大きく魅かれた。。。。


所謂、ノスタルジアやサウダージという言葉が大きな
面積として内包できるのだろうが、、ややそれとは違
うなんとも言えない良い香りが文章から立ち上がって
いた。


ノスタルジアとサウダージをwikiでは以下のように
書いている、


************


人が現在いるところから、時間的に遡って過去の特定の時期、
あるいは空間的に離れた場所を想像し、その特定の時間や空間
を対象として、「懐かしい」という感情で価値づけることを
いう。


通常は、時間的に未来がその対象とされることはなく、
また対象の負の部分は除外され、都合よくイメージが再構成
される場合が多い。


なお、本人がその時間や空間を実体験したかどうかは必ずしも
問われず、第三者からの情報にもとづいて想起し、さらに自己
の創作した想像を加え拡大しこの感情を持つことも可能である。
また、過去や異空間からもたらされた特定のものや人物に即し、
これを媒介としてこの感情を持つこともある。



サウダージとは、郷愁、憧憬、思慕、切なさ、などの意味合い
を持つ、ポルトガル語およびガリシア語の語彙。ポルトガル語、
およびそれと極めて近い関係にあるガリシア語に独特の単語と
され、他の言語では一つの単語で言い表しづらい複雑なニュア
ンスを持つ。


単なる郷愁(nostalgie、ノスタルジー)でなく、温かい家庭
や両親に守られ、無邪気に楽しい日々を過ごせた過去の自分へ
の郷愁や、大人に成長した事でもう得られない懐かしい感情を
意味する言葉と言われる。だが、それ以外にも、追い求めても
叶わぬもの、いわゆる『憧れ』といったニュアンスも含んでお
り、簡単に説明することはできない。



***********


宮本君の絵のエンジンは上記言葉をガソリンにしているのは
間違いないが、ただそれだけでもない。私は彼の文章の、、
この”活躍”という言葉に大きく魅かれた。。。。


あぁ、、そうだよな、、キラキラと輝いていた時間。。。


全てには成り立ちが存在する。今が突然現れた訳ではなく、
道程があり、それをリアルタイムで感受していなくても、
その活躍の芳香を誰しもが嗅ぐ事ができる。それらがキラキラ
していた時間、、そして活躍していた証・・・・


私のギャラリーが今後大いに目指さなくてはならないものとは、
私のギャラリーでしかお見せできない企画であり、それは
先般企画した、


after80.90でそれぞれが自らの文脈を深く掘り下げたものを
源泉として、敢えて僅かな日数で伝える作家其々の明確な
プロットによって構築された物語を企画しなくてはないらない。





つまりそれはギャラリーでしか見ることができない、作家の
もっとも濃いエキスであり、私のギャラリーの存在価値に
つなげるべきものだと感じている。。



さしずめ宮本君の個展はその第一弾となる。


通常の彼の作品から、一歩前にでて主語・作家主体を司る
ロボットを挿入し物語を構築してくれたのもその一環から
である。


そして儚くも作品単体はその後も私の商売としての流通上
には存在するが、彼の今回紡ぎだしてくれた物語とその
物語の空間は僅か9日間しか存在しない。



それが今回の企画の最大の要諦だ!!



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宮本大地 「時屋敷-ロボットの旅-」
2017.11.16 (thu) - 2017.11.24 (fri)
OPEN 12:00~18:00
期間中無休

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