April 30,2016
いよいよ5月4日から
小橋順明 小さきものたち 佐野曉 ウルピカ
宮本大地 ヒミツ基地探サク中がスタートする。
※宮本大地 ヒミツ基地探サク中は5/5から
それぞれ、この個展にあわせ新作を制作しているのですが、
それぞれに新しい軸=新機軸があります。
今回はその要点を纏めご紹介いたします。
■小橋順明 小さきものたち
会期:2016年5月4日(水)→5月10日(火)
会場:あべのハルカス近鉄本店
タワー館11階 アートギャラリー
午前10時~午後8時
昨年12月にBAMI galleryにて初めて個展形式にてレビュー
した作品群ですが、今回は、モチーフとする昆虫の種類
も多く、
(ミヤマクワガタ、カブトムシ、オオカマキリ、カワトンボ、
羽化するセミ、アサギマダラ、モンシロチョウ、クロアゲハ、
スズメバチ、アシナガバチ、クロオオアリ、冬虫夏草、
オニヤンマ、ダイコクコガネ、オオセンチコガネ等)、、
又、平面作品も加えた構成になっております。

それら作品概要の肉付きもさることながら、
今回の“肝”は作品の精度につきると思います。
12月の個展時においても“これが焼物なのか?”
という来廊客の驚嘆状況を地元紙にも取り上げら
れたのですが、今回はその上をかなり行く精度に
仕上がっています。
平易にその状況を説明するならば、、
昆虫の羽根の造形が“透けている”、、、、


つまり、焼物としての限界値まで突き詰めた極薄い焼成・・・
そこからバランスをとる各モチーフの
微細な造形=例えば手足部分等は圧巻です。

ただし、単純なリアリティーを追求したわけではなく、
土を焼成して生み出す、焼物ならではの色彩、
焼け具合=絵画的表現では到底再現できない
物質としての実存感。

彼は12月のBAMI galleryの個展=初レビューに於いて
語ってくれました。
大事なのは土や技術との距離感、素材理解どれだけ
土に触っていたかが大事。
関係ないように思えるロクロの修行や土づくり、
窯焚きなど備前焼の職人としての15年の修行や
訓練が全て今の造形技術、表現技術に生きている。
今回の個展は、
“火と土と人の手の融合”を微細な昆虫モチーフに
落とし込む小橋順明にしか出来ない挑戦表現として
間違いなく驚き、又楽しんでいただけます。
正しく小橋順明の面目躍如と言って過言ではなでしょう!

彼が今回の個展のステートメントとする
”やきもの" が放つ" いのち" を信じて作っています。
土から生まれた小さきものたちの中の大きな" いのち"
これを余すところなく今回の作品群は感じて
いただけると思います。
■佐野曉 ウルピカ
会期:2016年5月4日(水)→5月10日(火)
会場:あべのハルカス近鉄本店
タワー館11階 アートギャラリー
午前10時~午後8時
今回の彼のステートメントは
これまでと少し違う・・・・・
***********
塗っては研いで 塗っては研いで、はるか縄文の時代から
現代まで日本人を貫き通す天恵の素材「うるし;漆」。
様々な時代、地域によって、漆は実に多様な変奏を奏で、
今日にいたるまでアジア固有の芸術表現として発達して
きました。
美術だ工芸だ、といった堅い理屈はさて置いて従来の
漆の固定概念に囚われない、そんな新しい漆のかたち、
ウルピカな世界へぜひお越しくださいませ。
***********
彼が一貫して追求しているもの、“従来の漆の固定概念に
囚われない、新しい漆のかたち”
今回はその部分が直球として勝負しているのではないか?
と私は感じています。
当然これまでの彼が表現しているキャラクター性を称えた
生き物の造形も今回出品いたしますが、特に今回のメイン
作品の【名代うるし御膳(四膳セット)】にはそのカタチ
が凝縮しているように感じます。

実はこの作品の膳は、あるお客様よりご提供いただいた品で、
佐野くんの制作にとって新たなイマジネーション=創意の
足しになればと、大変ありがたいお申し出を受け、昨年の
8月佐野君共々四国の琴平に貰い受けに行ったものでした。
旧家の蔵に大事に仕舞われていた膳はおそらく昭和初期
もしくは大正末期のもので、そのコンディションも申し
分なく、この膳より創意を得た
【名代うるし御膳(四膳セット)】
は本年度の京都文化博物館で開催された“琳派400年記念
新鋭選抜展-琳派FOREVER-”に於いて
朝日新聞社賞を受賞いたしました。
はるか縄文の時代から現代まで日本人を貫き通す天恵の
素材「うるし;漆」と従来の漆の固定概念に囚われない、
新しい漆のかたちが見事に融合した作品です。
今回の個展には、この作品を展示いたします。
いわゆる通念化した“漆”の造形物との違いはもとより、
漆という素材によるコンテンポラリー表現の可能性を存分
に楽しんでいただけると確信しております。
■宮本大地 ヒミツ基地探サク中
2016.05.05 (thu) - 2016.05.11 (wed)
at 福屋八丁堀本店 7階ギャラリー101
〒730-8548 広島市中区胡町6-26
TEL 082-246-6111(代)
営業時間
10:00〜19:30(金・土20:00)
彼の百貨店個展デビューとなります。
昨年の7月、BAMI galleryにてヒミツ基地ノヒミツと
題して個展を開催。
今回はその発展形となります。お気づきかと思いますが、
私は先ずBAMI galleryにて色んな実験を行い、そして
グループ展の機会にできる限り新作を投入させて、
その反応を見ます。
宮本君に関してはBAMI galleryとその後のグループ展で
の反応から様々な状況をお互い話し合い、今回の個展の
構成を構築していきました。
BAMI gallryでの個展からの彼の新機軸は?と言えば当然、
その描写力、モチーフの選定の精度は格段に且つ飛躍的に
成長しているという事を置いて他にはないと思いますが、
同時に、タイトルが示すように“探サク中”と記す彼の
意欲的な主体的能動性を持った意気込みがなにより一番
ではないかと私は感じています。

その意気込みは肩に力の入ったものではなく、ごくごく
自然に柔軟に今出来る事を余す事無く出そうとする気持
ちだと思います。
特に、今回特筆すべきは、これまでの彼の独特のスタイルは、
これでもかと縦横にモチーフを詰め込んでいた表面でしたが、
今回の一部作品において、、作家独特の抽象的解釈空間の
広がりを見せた作品の出現でした。

もちろんこれまでの密度の高い作品もその精度はあがり
物語としての抑揚もこれまでとは比較にならないほど充実
してきていますが、それ以上に、ある意味“抜けた”空間
を取り入れた作品は、これまでの彼がつむぎ出した作品と
は別の物語の始まりを感じさせるものとして今後の可能性
の幅を感じます。

まだまだ駆け出しではありますが、しかしながら今回の
個展は今後のかれの制作の大きな起点=エポックになる
と確信しております。
以上3個展、ぜひ皆様お立ち寄りいただきますよう
心よりお願い申し上げます。
どの個展も作家は全日在廊です、ぜひ作品を前にして作家達
とも様々な会話を楽しんでください!!
宜しくお願いいたします。
小橋順明 小さきものたち 佐野曉 ウルピカ
宮本大地 ヒミツ基地探サク中がスタートする。
※宮本大地 ヒミツ基地探サク中は5/5から
それぞれ、この個展にあわせ新作を制作しているのですが、
それぞれに新しい軸=新機軸があります。
今回はその要点を纏めご紹介いたします。
■小橋順明 小さきものたち
会期:2016年5月4日(水)→5月10日(火)
会場:あべのハルカス近鉄本店
タワー館11階 アートギャラリー
午前10時~午後8時
昨年12月にBAMI galleryにて初めて個展形式にてレビュー
した作品群ですが、今回は、モチーフとする昆虫の種類
も多く、
(ミヤマクワガタ、カブトムシ、オオカマキリ、カワトンボ、
羽化するセミ、アサギマダラ、モンシロチョウ、クロアゲハ、
スズメバチ、アシナガバチ、クロオオアリ、冬虫夏草、
オニヤンマ、ダイコクコガネ、オオセンチコガネ等)、、
又、平面作品も加えた構成になっております。

それら作品概要の肉付きもさることながら、
今回の“肝”は作品の精度につきると思います。
12月の個展時においても“これが焼物なのか?”
という来廊客の驚嘆状況を地元紙にも取り上げら
れたのですが、今回はその上をかなり行く精度に
仕上がっています。
平易にその状況を説明するならば、、
昆虫の羽根の造形が“透けている”、、、、


つまり、焼物としての限界値まで突き詰めた極薄い焼成・・・
そこからバランスをとる各モチーフの
微細な造形=例えば手足部分等は圧巻です。

ただし、単純なリアリティーを追求したわけではなく、
土を焼成して生み出す、焼物ならではの色彩、
焼け具合=絵画的表現では到底再現できない
物質としての実存感。

彼は12月のBAMI galleryの個展=初レビューに於いて
語ってくれました。
大事なのは土や技術との距離感、素材理解どれだけ
土に触っていたかが大事。
関係ないように思えるロクロの修行や土づくり、
窯焚きなど備前焼の職人としての15年の修行や
訓練が全て今の造形技術、表現技術に生きている。
今回の個展は、
“火と土と人の手の融合”を微細な昆虫モチーフに
落とし込む小橋順明にしか出来ない挑戦表現として
間違いなく驚き、又楽しんでいただけます。
正しく小橋順明の面目躍如と言って過言ではなでしょう!

彼が今回の個展のステートメントとする
”やきもの" が放つ" いのち" を信じて作っています。
土から生まれた小さきものたちの中の大きな" いのち"
これを余すところなく今回の作品群は感じて
いただけると思います。
■佐野曉 ウルピカ
会期:2016年5月4日(水)→5月10日(火)
会場:あべのハルカス近鉄本店
タワー館11階 アートギャラリー
午前10時~午後8時
今回の彼のステートメントは
これまでと少し違う・・・・・
***********
塗っては研いで 塗っては研いで、はるか縄文の時代から
現代まで日本人を貫き通す天恵の素材「うるし;漆」。
様々な時代、地域によって、漆は実に多様な変奏を奏で、
今日にいたるまでアジア固有の芸術表現として発達して
きました。
美術だ工芸だ、といった堅い理屈はさて置いて従来の
漆の固定概念に囚われない、そんな新しい漆のかたち、
ウルピカな世界へぜひお越しくださいませ。
***********
彼が一貫して追求しているもの、“従来の漆の固定概念に
囚われない、新しい漆のかたち”
今回はその部分が直球として勝負しているのではないか?
と私は感じています。
当然これまでの彼が表現しているキャラクター性を称えた
生き物の造形も今回出品いたしますが、特に今回のメイン
作品の【名代うるし御膳(四膳セット)】にはそのカタチ
が凝縮しているように感じます。

実はこの作品の膳は、あるお客様よりご提供いただいた品で、
佐野くんの制作にとって新たなイマジネーション=創意の
足しになればと、大変ありがたいお申し出を受け、昨年の
8月佐野君共々四国の琴平に貰い受けに行ったものでした。
旧家の蔵に大事に仕舞われていた膳はおそらく昭和初期
もしくは大正末期のもので、そのコンディションも申し
分なく、この膳より創意を得た
【名代うるし御膳(四膳セット)】
は本年度の京都文化博物館で開催された“琳派400年記念
新鋭選抜展-琳派FOREVER-”に於いて
朝日新聞社賞を受賞いたしました。
はるか縄文の時代から現代まで日本人を貫き通す天恵の
素材「うるし;漆」と従来の漆の固定概念に囚われない、
新しい漆のかたちが見事に融合した作品です。
今回の個展には、この作品を展示いたします。
いわゆる通念化した“漆”の造形物との違いはもとより、
漆という素材によるコンテンポラリー表現の可能性を存分
に楽しんでいただけると確信しております。
■宮本大地 ヒミツ基地探サク中
2016.05.05 (thu) - 2016.05.11 (wed)
at 福屋八丁堀本店 7階ギャラリー101
〒730-8548 広島市中区胡町6-26
TEL 082-246-6111(代)
営業時間
10:00〜19:30(金・土20:00)
彼の百貨店個展デビューとなります。
昨年の7月、BAMI galleryにてヒミツ基地ノヒミツと
題して個展を開催。
今回はその発展形となります。お気づきかと思いますが、
私は先ずBAMI galleryにて色んな実験を行い、そして
グループ展の機会にできる限り新作を投入させて、
その反応を見ます。
宮本君に関してはBAMI galleryとその後のグループ展で
の反応から様々な状況をお互い話し合い、今回の個展の
構成を構築していきました。
BAMI gallryでの個展からの彼の新機軸は?と言えば当然、
その描写力、モチーフの選定の精度は格段に且つ飛躍的に
成長しているという事を置いて他にはないと思いますが、
同時に、タイトルが示すように“探サク中”と記す彼の
意欲的な主体的能動性を持った意気込みがなにより一番
ではないかと私は感じています。

その意気込みは肩に力の入ったものではなく、ごくごく
自然に柔軟に今出来る事を余す事無く出そうとする気持
ちだと思います。
特に、今回特筆すべきは、これまでの彼の独特のスタイルは、
これでもかと縦横にモチーフを詰め込んでいた表面でしたが、
今回の一部作品において、、作家独特の抽象的解釈空間の
広がりを見せた作品の出現でした。

もちろんこれまでの密度の高い作品もその精度はあがり
物語としての抑揚もこれまでとは比較にならないほど充実
してきていますが、それ以上に、ある意味“抜けた”空間
を取り入れた作品は、これまでの彼がつむぎ出した作品と
は別の物語の始まりを感じさせるものとして今後の可能性
の幅を感じます。

まだまだ駆け出しではありますが、しかしながら今回の
個展は今後のかれの制作の大きな起点=エポックになる
と確信しております。
以上3個展、ぜひ皆様お立ち寄りいただきますよう
心よりお願い申し上げます。
どの個展も作家は全日在廊です、ぜひ作品を前にして作家達
とも様々な会話を楽しんでください!!
宜しくお願いいたします。