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【釜匠 太田夏紀『スキマのケモノⅡ』】
こんにちは。

6月に入って、
ついに暑い日が多くなってきましたね。

気温が高くなってくると…

作業机の目の前に窯を置いているので、
窯をたいている日は暑くて暑くてたまりません!

狭い部屋で
巨大なストーブをつけているようなものなので、
寒いうちは温かくてとても有難かったのですが…


昔は冬よりも夏の方が好きだったのに、
今年からは夏が嫌いになりそうです。笑




さて、

そんな6月がスタートしたところですが、
展覧会のお知らせをさせていただきます。


6月11日(月)~6月18日(月)

BAMIgalleryにて、

同じ京都精華大学出身の先輩、
釜さんと2人展をさせていただきます!




【釜匠 太田夏紀 スキマのケモノⅡ】









去年の7月、
【スキマのケモノ】の第一弾に参加させていただいてから
約1年が経ちました。


去年は、2人展を経験した事が無いどころか
絵画作品と共に、私の作品をギャラリーに
展示させていただいた事が無く、
何もわからない私にとって、とても刺激的な展覧会でした。

あれからまだ1年しか経っていませんが、
思い返せば、
この2人展をさせていただいた事をきっかけに、
作品を作るうえでのいろんな意識が
少しずつ変わり始めたような気がします。


変わり始めたうちの1つとして、
このころから、
生き物の姿をした作品を作ることについて
自分は何がしたかったのか、考え直すようになりました。

先日もブログでお話しさせていただいたように、
生き物に興味を持ち始めて、
作品を作り始めたわけなのですが、

でも、
それを自分はいったいどう作品にしたかったのか?
何を形にしたかったのか?と、
今まで、あいまいにしてきた部分を
改めて見つめなおすきっかけになったと感じています。







今回、
展示させていただく作品のうちの1つ

「人魚になる(マナティ)」は

今年の4月に制作したものです。








しかし、

この作品は、
4年ほど前から、何度か私のメモ帳のスケッチに
定期的にいろんな姿をして登場しているモチーフで

実際、
私が学生の頃、
約140cmの大きなマナティの作品を
そのスケッチ達をもとに、制作したことがあります。


そして、未だに
その大きなマナティの作品を作ったあとにも
何度か無意識にスケッチに登場していましたが、

大きなマナティを作って以来、
作品として形になることはありませんでした。




そのメモ帳には、
マナティ以外にもいろんな事を書き込みます。


数年前から、
その日見たもの、感じたもの、直感で頭に浮かんだもの、etc…を
とりあえず、
単語、文章、絵、いろんな形で
メモ帳に描き残すようにしています。

しかし、
それは日記ではないので、
毎日かならず描く、というわけではありません。

なんとなく数日連続で描くこともあれば、
2週間に1度、一言だけの時もあります。


頭で考えている事が消えないうちに
焦ってメモをとるような感覚なので、

後で見返すと、
自分でも何が何やらわからない時が多いのですが…



メモに描いた内容を忘れた頃に
なんとなく見返すと、

ここ最近になって、
今の私に必要なものはここにしまってあったのか!
というような、不思議な感覚になることが多くなりました。


それは、自分がどうしたいのか、が
ほんの少しずつ、とてもゆっくりと、
明確になってきたからではないかな
と、私は思います。


私は、物事を理解することがとても遅く
自分で考えていることでさえも、理解するのに
時間がかかってしまうことが多い事にこの頃気がつきました。


以前は、作品について、
端から端まで、言葉で完璧に説明することに
違和感のようなもの感じていましたが、

誰かに伝えるためだけではなく
自分自身で理解するためにも
ある程度、言葉で整理することは大切なんじゃないかなと

メモ帳に何度も登場する
このマナティの姿をした少年と、この展覧会で感じた事をきっかけに
そう思い始めました。


そんな事を考えつつ
制作した「人魚になる」は
以前制作した作品よりもはるかに小さい
手に収まる大きさで、
作品がぷらぷらと釣り下がる形になっています。





釣り下がることによって、壁を泳ぐ、小さな人魚達です。


正直、まだまだ手さぐりで、
自分の思っていることを整理できていない部分も
ありますが、

焦らずゆっくり、寄り道しながら確実に、
引き続き作品を作っていければいいなと思います。








(展覧会情報)


【釜匠 太田夏紀『スキマのケモノⅡ』】


2018年6月11日(月)~6月18日(月)

12:00-18:00
(※最終日は16:00閉廊)

会期中無休


プレスリリース

COMBINE/BAMIgallery

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個展のお知らせと、制作について
 

新しい生活になってから、約3カ月が経ちました。

あっという間に3カ月過ぎたような、
まだ、3カ月しか経ってないような…

少しずつ、
制作や生活面で出来る事が増えてきて嬉しい一方、
自分の苦手な事もわかってきて、
毎日「なんで私はこんなに要領が悪いんやろか…」
と落ち込む日々です。笑

苦手な事といえば、
文章を書くことも少し苦手です。
この記事を書くだけでも実は数日かかってしまっているのですが、
これから、今、私が思っている事や、気づいた事を残すために、
書く事にも少しずつ慣れていければいいなと思います。









さて、

そんな私ですが、


来月の6月20日(水)~26日(火)

阪神梅田本店9階の阪神美術画廊にて、

個展を開催させていただきます。









今回の個展では、

2017年度に制作した作品とともに、
今年度、新しい生活になってから制作した作品を
10点以上展示させていただく予定です。

今年に入ってから、すでに参加させていただいたグループ展では、
新しい作品を展示させていただきましたが、
まとめて新しい作品を発表するのは、今回が初めてになります。



今年度に入ってからの作品制作は
新しい試み…とは、
また違うと思うのですが
以前に比べて変わった点が少しだけありますので

今回の記事では、
個展で発表する作品達に関することなどを
お話させていただければと思います。










去年度までは、
生き物の姿をデフォルメしたような作品を中心に制作していました。

昔から、家で犬や鳥を飼っていたこともあり、
生き物の事は大好きでしたが、

2015年に、何気なくアルマジロの作品を制作した事をきっかけに
本格的に生き物に興味を持ち、
“生き物の姿をした作品を作りたい”と思い始めました。



(確か、アルマジロを作ろうと思ったきっかけは、
以前から、甲羅部分の模様や体の構造などが気になっていたから
だとか、そんな単純な理由だったような気がします…)







そのまま、毎日制作しているうちに、
自然の中を生き抜く“強い”生き物ではなく、
私達にとって身近な存在であり、
可愛らしい赤ちゃんのような“弱い”生き物達に
魅力を感じているとことに気がつきました。


そうして、
丸みを帯びた姿をした、ランチュウや亀、犬、鳥、蛙…等を制作してきましたが、
なぜ、自分がそれらの生き物に対して魅力を感じているのか
正直わかりませんでした。




もちろん、
私の「好み」と言ってしまえばそれまでなのですが、

私ではなくても、生き物の赤ちゃんの姿を見れば、
だいたいの人達は彼らを可愛いと思うだろうし、
ハムスターや小鳥など、か弱い生き物に魅力を感じる人は少なくない…
私の「好み」にもある程度の理由があるはず…。



そんな事を思いながら制作していたら、
なぜが私の子どもの頃の事を思い出す事が多くなりました。

私の幼少期はというと、
友達がいたんだか、いないんだか、記憶があいまいですが、
自分勝手な毎日を、それなりに過ごしている
なんだか夢見がちで自信家な少女だったような気がします。
(私が、もし別の人間だったとして、その頃の私と友達になりたいか
と聞かれたら絶対友達にはなりたくありません…笑)

今も十分自分勝手に過ごしてはいるし、
子どもの頃のままの部分は多々ありますが、
その頃の私は特に、ずっと何かに不満を抱いていたように思います。

不満があったからといって、
窓ガラスを割ってやる!とかではなく…

それは それは 肝っ玉の小さい私にはそんな度胸はないので、
ほんの些細ないろんな事に対して小さく反抗していました。






何をするにも大人の助けが必要な自分が嫌だったし、
なんで大人に褒められる為にそんな事しなきゃいけないんだろう、とか…

どう頑張っても弱い立場にいる自分に腹を立てながらも、
それと同時に
なんで私はもっと物分かりの良い子になれないのだろうか…
と、呆れていました。





それらの感情は今でも鮮明に覚えています。

そして、そんな情けない自分の子どもの頃に対しての
憧れのようなものが、私の中にあります。

子どもの頃、
もっと、小さい頃はいろんな事が単純で、可愛がってもらえていたはず…







そんな事を考えつつ、


今まで、

生き物達に対して
無意識に感じていた魅力の理由を探っていくうちに、

頭の中でフワフワと浮かんでいたものが形になり、
生き物の姿をまとった子どもの作品が完成しました。




きっと、彼らに感じていた魅力は、
私からの勝手な憧れのような気がします。



子どもの顔をした作品達は、私自身ではありません。

小さい頃の私はもう居ないので、「小さい頃の誰か」です。

なので、個展のタイトルにあるように
“私”ではなく、“僕”と呼ぶことにしました。










個展まで、あと1カ月を切りました。


また個展までに、作品制作についでなど
ブログに書ければいいなと思います。






すごく長くなってしまいましたが…!

最後まで読んでくださってありがとうございました。










(展覧会詳細)

【 太田夏紀 陶展 『あしもとの僕』 】

会期:2018年6月20日(水)~6月26日(火)

場所:阪神梅田本店9階、阪神美術画廊
(最終日は午後5時まで)

阪神梅田本店 HP



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人工UMA展 -Artificial Unidentified Mysterious Animal Exhibition-
2017年の6月。

京都の街で発見した未確認生物の存在を、目撃した作家達が自ら報告しあう
【未確認生物UMA展】がBAMIgalleryにて開催されました。

そこに私も参加させていただき、“未確認生物”を「ホポポオウム」と名付け、
発見した時のエピソードと共に、報告させていただきました。


(▲ホポポオウム)


そして、2018年5月30日。

【人工UMA展 -Artificial Unidentified Mysterious Animal Exhibition-】
として開催される展覧会に、再び参加させていただきます。


前回とは違い、“発見された生き物”ではなく、“生み出された生き物”達が集まります。


今回、私は不思議な「ゆめ坊や」の存在について発表させていただきます。

少し長くなってしまいますが、
一足先にこのブログでご紹介させていただければと思います。






・・・
・・・・・・・










ある日、少年は言いました。


“僕、この頃、何もかも嫌なんだ。

大きくなるにつれて、わがままは言えなくなるし、「子どものくせに」って馬鹿にされたと思ったら、「もう子どもじゃないんだから」とか呆れられるたりするんだよ。

他のみんなも、僕みたいに悩んでいたりするのかな。

いっそのこと、他の何かになれば、楽になれたりするのかな。

もし、僕があの子みたいに素直だったら。
もし、僕が鳥みたいに空を飛べたら。
もし、僕が魚みたいに泳げたら。

どうせ、この考えも「そんな事考えたって無駄。」って言うつもりなんでしょ。
その他に言われるとすれば、ないものねだり、とか、隣の芝は青く見えるとか赤く見えるとか、かな。

もちろん、生きるために不自由な事はないのだけれど、僕の言いたいことはそういう事じゃなくて…
ああ。つまらない。いつも反論したい気持ちでいっぱいなのに、言い返したって聞いてくれないんだから、意味無いんだ。

きっと、僕の周りにいる生き物達なんか、そんな事考えたことないんだろうな。
僕からすれば、彼らは好きな事して、自由に遊んでいるように見える。
彼らは何も悩んではいない!
・・・それは僕が勝手に思っているだけだけど。たぶん、きっと、そう思ってる。たぶん。

どうせ、今までも相手の想っている事なんかわかりっこ無かったし、同じでしょう。“




話を聞いているうちに少年は、不甲斐ない自分と彼らを重ねているように思えた。

弱い立場の自分と、身近な生き物の存在。少年は、変わらない現実と理想の間で葛藤していたのだ。きっと、何物でもない、今の自分以外の存在になりたいのだろう。
まだ誰も知らない、未確認の生き物になれたら、と。

私はどうすれば少年の助けになれるのか考えた。

しかし、少年は生きている限り、これからどんどんわがままは言えなくなるし、もっと理不尽な事に悩まされ続けるだろう。
現実は変えられない。

ならば、自分の見えている世界だけを信じるしかないのだ。
目をつぶって、瞼の裏を見る。

わがままの許されていた小さい頃は、世界の中心は自分だったはず。その頃を思って、他の生き物の姿を纏い、好きな自分になればいい。

なんだか難しいことはよくわからないけれど、そうすれば少年の悩みも少しは和らげる事が出来ると思ったのだ。





――― そうして生まれた、少年ではない少年の存在の事を「ゆめ坊や」と名付けて、私は見守る事にした。

そのうち、ゆめ坊やの姿は、
過去に“もしも”を想った事のある人間ならば彼の姿を確認出来る事や、少年とは別の場所で生まれる事、
また、少年が別の思考になると、少年の意思とは別に、その意識を引き継いだままの新しい生き物として存在し続ける事もわかった。


あの日以来、私は少年と会ってはいない。

しかし、突然、ポツリとゆめ坊やが現れることがある。

まだ、わからない事もたくさんあるが、
あの「ある日」から少年のゆめ坊やは少しずつ増え続けているのだろう。




・・・
・・・・・・



(展覧会情報)

【人工UMA展 -Artificial Unidentified Mysterious Animal Exhibition-】

▼会期
2018年5月30日(水) - 6月10日(日)
12:00-18:00(会期中無休)
※最終日のみ16:00まで
http://www.combine-art.com/html/gallery/ga_schedule.php

▼発表者
釜 匠 (かま・たくみ33歳)
佐野 曉 (さの・あきら37歳)
宮本 大地 (みやもと・だいち27歳)
松本 央 (まつもと・ひさし35歳)
遠藤 良太郎 (えんどう・りょうたろう31歳)
太田 夏紀 (おおた・なつき25歳)
岡部 賢亮 (おかべ・けんすけ28歳)

▼会場
BAMI gallery
〒600-8824
京都市下京区二人司町21番地
TEL 075-754-8154
office@combine-art.com http://combine-art.com/html/gallery/ga_access.php

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新しい生活が始まりました。
こんにちは。

この度、ギャラリーのホームページに新しくページを開設していただいた
太田夏紀です。

展覧会のお知らせや、制作について、私生活での発見、等々、、、
少しずつ、ここに記録できればいいなと思いますので、
どうぞよろしくお願いいたします^^



今回は、

太田の新しい生活について、お話させていただきたいと思います。


私はこの春、
大学院を修了し、はじめて「引っ越し」というものを経験しました。

24年間過ごしてきた大阪から、十分な制作場所を求めて福井県へ!


引っ越してきてからも、
朝起きて、ご飯を食べて、作品を作る。。。

これらの事には、なんら変わりないのですが、
その他の生活に関しては、ほとんどの事が大きく変化しました。


例えば、
365日、ほとんど毎日乗っていた【電車】。

高校生の頃から9年間、
ほぼ毎日、数時間電車に揺られる生活を送っていたのですが、
福井県に来てからは、電車に乗る機会が全くなくなりました。

おそらく、ここに住んでいる以上
今までのように毎日電車に乗る事はないような気がします。。。

朝の満員電車や、知らない人の隣に座る事の無い生活。

大勢の人と接する機会が減り、長い移動時間も無くなったおかげで、
1日、1日が少し長く感じて
以前よりも毎日が充実しているように感じます。
(…引っ越してからまだ1か月ちょっとしか経っていませんが、、^^;)



その他にも、
学生ではなくなった事、身近にいた家族と離れたこと。。

今までは当たり前に私の生活の中にあった
いろんな物、事、が変わりました。


これからも、

生活だけではなく、
モノの見方や感じ方、
作りたいもの、

いろんな事が変わっていくとは思いますが、

毎日の変化を大切にしながらも、作品を制作していきたいと思います。




・・・・・・・・・・・・・・・・・


写真は、先週までぷっちり食べごろだった庭に生えているフキノトウ。

小学校1年生の頃、
はじめて国語で習ったお話が「ふきのとう」というお話でした。

蕾もお花も可愛いので、大好きです。

春になると無心でフキノトウ探しをしてしまいます。



以上です。

最後まで読んでくださってありがとうございました!



太田夏紀

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