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Drawing Exhibition "Future"
2022年8月10日(水)よりBAMI galleryにてドローイング展が始まります。



今回描いたドローイングは、昨年から描き始めたメカ化した人の作品の
世界観を構築するため、そしてタブローへと昇華するためのドローイングです。

世界観を構築するにあたり、プロローグも考えてみました。

■プロローグ____________________

ここは機械の身体を持った人々が暮らす未来。


科学技術は旧時代と比較して飛躍的に発達し、
地上と宇宙を繋ぐエレベーターの完成により宇宙開発も活発になり、
月では当たり前のように人々が生活しています。
 

さて、脳以外の肉体を捨てて地上と宇宙で生きていく選択をした人類は、
どのような感覚を抱くのでしょうか。
人が抱く様々な欲は?性別の差は?生と死の概念は?魂の在処は?
果てしない未来を通して人とは何かを観察してみたいと思います。
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遠い未来に、環境汚染、未知のウイルス、核戦争...何かが起こり、
人が脳以外の肉体を捨てて機械の身体を手に入れざるを得ない時がくるとして、
その先に人はどう生きているんだろう。
その時代の科学は、文化は、経済は...。
肉体を捨てた先に人に起こる様々な事象を通して、
人とは何かを考えてみたいと思っています。


今回はリアル展示と平行してBAMI galleryオンラインストアでも作品を公開しております。

■出品作品
https://combine-art.stores.jp/?category_id=610b68890f9a220b831b707c

是非ご高覧くださいませ。


▼以下展覧会詳細▼
【阿部瑞樹/宮本大地 Drawing Exhibition "Future”】

2022.08.10(wed)-2022.08.19(fri)
OPEN 13:00~17:00 ※最終日16:00閉廊
※8月12日(金) Close
BAMI gallery
〒600-8824
京都市下京区二人司町21番地

▼展示概要
https://combine-art.stores.jp/news/62ec82b45d05ec74ddc40caf


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迷彩柄の新作
2020年8月6日(木)より京都のBAMI galleryにて開催される、
【ZERO HOUR exhibition】に新作を2点出品いたします。

絵画における最小規定サイズ、0号のみで構成される本展。
140×180㎜という小さな矩形の中で、
どれだけ自分の世界観を詰め込んで構築し表現できるか。
今回制作した2作について解説していきたいと思います。

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▼一作目

「0の河」
180×140×21mm (H×W×D)
綿布、アクリル絵具、パール、金箔

ZERO HOUR exhibitionに向けて描いた1作目です。
ZERO HOURという言葉は直訳すると0時ですが、
決定的瞬間、または軍事における作戦開始時刻を意味します。

なので今まで描いてたようなものを単純に0号にダウンサイジングするのではなく、
次のステップに繋がるような密度の高いものにしたいと考えました。

また同時期にしていたドローイングも何か本画に生かせないかと考えていた際、
画面を迷彩柄に分割し、現代の風景を構成するような様々な要素を
当てはめていくという手法を思いつきました。

(段ボールや紙ゴミなどにアクリル絵具、鉛筆でドローイング)

今までの「画面の奥に何かがあり、それを水で歪ませる」という手法から
レイヤーを増やしてより複雑に表現できる事と、
周囲の風景に溶け込ませる、つまり無(0)に見せる迷彩を使う事で
ZERO HOUR exhibitionにもマッチするのではないかと考えました。

迷彩といえばアンディ・ウォーホルのCamouflageが思い浮かびますが、
洛中洛外図も金雲によって物理的空間を超越してつなげていき、風景画として成立させる
ある種の迷彩のようだという印象が個人的に強くあったので、
作中の迷彩柄の一部には金箔を押しました。


現代に溢れている物や光景、その下に蠢く0と1のデータの世界。
人間の作り上げたものも自然の圧倒的な力の前では儚く崩れる事、
また、情報化しきった社会により生まれた「歪み」を水滴に託して、
自分の視界を解剖していくような感覚で描いた作品です。


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▼二作目

「層」
180×140×45mm (H×W×D)
ミクストメディア

一作目を描いているときに思いつき、どうしても作りたくなった作品です。
いつも作品を描いている時に感じているレイヤー感覚を、
直接物理的に表現してみようという試みです。


板パネルにカーボンシートを貼り、電子基板を接着。



迷彩柄にカットした台紙に新聞紙を貼り、墨でたらし込みしたもの。
水滴はアクリル絵具で描写。



段ボールを迷彩柄にカットし、アクリル絵具で水滴を描写。



一番上のレイヤーの金を付ける前の段階。
この後、台紙に和紙を貼り金箔を押したものを接着して完成。



横から見ると結構立体的です。


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コロナ禍で大変なご時世ですので移動の際には気を付けつつ...。
可能であれば実際にご覧いただけますと幸いです。

また本展はBAMI gallery公式オンラインストアとも連動しており、
作品画像も細かいところまでUPされているので、
よかったらチェックしてみてください。

▼Online Store

※画像をクリックするとストアが開きます。


■展覧会情報
【ZERO HOUR exhibition】
020年8月6日(木)~8月19日(水)
OPEN 12:00-18:00(最終日16:00まで)
会期中無休

COMBINE/BAMI gallery
〒600-8824
京都市下京区二人司町21
http://combine-art.com/html/gallery/ga_access.php



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干支・吉祥展がはじまります
本日より2020年1月5日(日)まで
紀伊國屋書店梅田本店さんの
西側ウインドギャラリーにて
干支・吉祥展が開催されます。

来年の干支は子。
十二支が一回りしましたが
この12年を振り返ってみると
変化の大きさに目眩がしそうです。

今年はタブロー3点、色紙6点を
出品させていただきます。
干支のねずみをモチーフにした作品はもちろん
蛙や亀などの縁起物・吉祥を
モチーフにした作品も並びます。

是非ご高覧くださいませ。

【干支・吉祥展】

2019年12月3日(火)〜2020年1月5日(日)
※2020年1月1日(水)店休日
10:00〜22:00 (※最終日17:00まで)
紀伊國屋書店梅田本店 西側ウインドギャラリー
大阪市北区芝田1-1-3 阪急三番街
TEL06-6372-5821


▼出品作品▼

<タブロー>
※全て273×220mm (F3号)


「反射する鼠」
麻紙、顔料、アクリル、膠


「潜む龍」
麻紙、顔料、膠


「福鬼」
麻紙、顔料、墨、金箔、膠


<色紙>
※全て標準色紙サイズ(272×242mm)


「硝子鼠」
色紙、墨、アクリル絵具


「ねねね」
色紙、アクリル絵具


「銀鼠」
色紙、新聞紙、墨、アルミ粉、膠


「蓑亀」
色紙、顔料、墨、膠


「瓢箪から青蛙神」
色紙、墨、アクリル絵具


「不動明王頭」
色紙、アクリル絵具

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水滴モンスター
3月20日からBAMI galleryにて個展を開催させていただきます。
水滴で描いたモンスターたち(龍などの幻獣)を展示します。
是非ご高覧くださいませ。

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阿部瑞樹 個展
「水滴モンスター」



3/20(水)〜3/26(火)

12:00〜18:00 (※最終日16:00まで)

COMBINE/BAMI gallery

■ステートメント

水は、普段は水蒸気として存在していても見えないが、
霧や結露になって景色をぼかしたり、
雨として降りその水滴越しの景色は反転したり歪んで見えたりする。

「物事が正確に見えない」

という現象は現代に生きているとよく感じる事がある。
一見様々な物事が可視化されて見えすぎるほど見えているように感じるが、
その実は誰かが切り取って編集したものだったり、
嘘だったり空虚だったりすることが多々ある。

不確かな情報社会の姿を昔から人々が空想してきた
存在不確かなモンスターにたとえ、
どこにでも存在し、映る景色を歪ませる水滴というモチーフで
描く事で姿形を捉えてみたい。



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青と赤の思考メモ
いよいよ明日から八木君との二人展「Black & Blue/Red」がはじまります。

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阿部瑞樹・八木佑介二人展
「Black & Blue/Red」
2018.5.16(wed)-22(tue) ※最終日16:00まで
山口井筒屋5階美術ギャラリー
http://www.izutsuya.co.jp/storelist/yamaguchi/access/
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今回の自分のテーマは青もしくは赤です。

青と赤について少し具体例を出してみると、
トイレの男女マークの色、
赤青鉛筆、カスタネット、リトマス試験紙、
床屋のくるくる回るサインポール、
赤と青の3Dメガネ、道路の信号...などなど。
よく見ると様々なものに赤と青が使用されています。

また、青と赤をイメージするものとして、
一日の始まりと終わり(深く青い朝と赤く色づく夕方)、
水と大地、生と死、
動脈と静脈、温度を表す色...など。
赤と青に対する色々なイメージもいつの間にか私達の頭に根付いています。


以上の例から、青と赤からは相反する色でありながらも
循環するイメージがあると自分は考えています。

そのきっかけは、恐らく以前も書いた祖父の山での死という出来事でしょう。
山で行方不明になり、半年後にほぼ白骨化して見つかった時、
遺体確認のために警察の方に画像を見せてもらった時のはっと気づくような感覚。
今ある肉体が土に還り、木々や水蒸気(空気の一部)になる。
まさに赤→青。そして青→赤という循環を強く意識した体験でした。

また、青と赤の境界について考えていく事も面白い。
赤青鉛筆の芯の境界は何色なのか?
境界だから紫ということは無いでしょう。
これが赤と青の境界です!と言いきる事ができない、
不可視で曖昧でカオスな部分が境界には存在していると考えます。

自分の作品ではその不可視な部分を、
"透明なもの"として仮に可視化して(いるように見せかけて)
表現してみたものも今回の展示作品に入っています。

青と赤、単純な色として見えてくるものだけではなく、
・相反するもの
・循環するもの
・見えない境界とその曖昧さ
などが今後の作品テーマになってくる予感がしています。
今回はそのはしりと言えるでしょう。

山口県で関西から少し離れますが機会がありましたら是非よろしくお願いします。

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