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田村さんとの出会い 6
期待値商品という言葉がある。


この30年間で日本の流通業において
変化した点を考えると、やはりコンビニエンスストアー
という存在は大きい。


もちろん営業時間の24時間制もそうだが、多分、日本
独特の商品構成やシステムが多の国のコンビニエンス
ストアーとは違う側面をもっているというのが象徴的な
特徴かな?と思えるのである。


諸説あるが、コンビニの第1号は私の認識では確か昭和49年
1974年、今から35年前に出来たセブンイレブンが最初だった
と思う。


この始まりから、後発ながら他の流通業を押しのけ、今まで順調
に伸びてきた?事は誰しも疑う余地のない事実なのだが、さてここで
面白いのは、果たしてこの一号店がオープンしたとき、一番最初に
売れた商品がなんだったか?ある意味、この商品が日本における
コンビニという流通業のスタートとなり、今に至る過程を形成した
象徴的なものであったのじゃないか?なぁ、、と私は考えている。。


それは何か?


実は“サングラス”だったらしい。。。


当然、この一号店における商品構成は現在とかなり違うであろうが、
本質的な部分がそう違うということはなかった考えられる。


実際オープンして最初の販売物が“サングラス”ということは意外では
ないだろうか?


しかし、実はこの意外さが私は後々のコンビニの発展を支えたような
気がしてならないのである。


ここで最初に申し上げた


期待値商品という概念が出てくる。


この期待値商品というものの象徴は


よく思い出してもらいたいが、コンビニには何故か“ロウソク”などが
必ず隅かもしれないが陳列されている。


基本的にコンビニはデイリーであったり長くてもウィークリー対応の
商品による高回転というのが一般的な認識のような気がするのだが、
ロウソクという商品を考えた場合、平均的に一人の人間がロウソクを
使う頻度など一年のうち何回あるがろうか?


そう考えると、他の商品に比べれば明らかに回転率は落ちるどころか
論外の商品なのであり、商売的にそうも売れないもに陳列棚を占拠させ
て置く事は非常に勿体無いような気がする。


しかし全店とまでは言わないが、ロウソクないしはそれに類似するような
商品が必ずコンビニには陳列してある。


これが所謂、期待値商品と呼ばれるものなのである。


フッと考え直せばわかることなのだが、ほとんど必要ないものとして
コンビニで買うことはないのだが、認識は植え付けられている。


コンビニには“ロウソク”がある・・誰がわざわざコンビニで買うんだろう?
などというような…


これが実は大きい!


もし、自分の中で何かを探し買い求めなくてはならない状況が生まれたとき
当然、その専門店を探し向かうだろうが、そういう環境が明らかになかった
場合はどうだろうか?頭の中でどこにそういった商品があるだろうか?と
思案をめぐらせた場合、このコンビニのロウソクというのが、、、、、


ひょっとして!?


という気持ちを引っ張ってはこないだろうか?


ここが期待値商品の大きなところなのである。


ロウソクという存在が店内にあるだけで、おにぎりや雑誌その他の
商品だけで固定化してしまいがちな商売の印象をより大きく広げ、
より以上の奥行きを持たせてしまうのである。


実はこの期待値商品という概念


私はすごく参考に今もしている。


この、


考え方も実は田村さんと行なった数々の仕事の中で
教えてもらった一つだと私は認識している。


その壁の向こう!そこに何かがある。
そう思わせないと…・そういうことをする“場所”だと・・
思ってもらわないと…




なにがある?という事ばかりを拙速に伝えるのが
大事ではなく、、、、


なにかがあるかも?という部分、、


そういうイメージこそが商売にとっては


一番大事な商品なのではないかなぁ?


と、、、、今日も理想を頭の中で思い描いている…・



つづく。。




次回は一旦会社を辞められた田村さんとの
再会を書きたいと思います。。

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