July 30,2009

一週間の出稼ぎ?から戻ってきた・・
この一週間の中で大きなトピックスは
お客様と一緒に高松市立美術館で開催中の
大岩オスカール「夢みる世界」を見る機会
があったことです。
その日は大岩オスカール
ギャラリートーク「夢みる世界と私」が催され
約一時間展覧中の作品について彼自身が様々な
考えを披露してくれました。展覧作品のほとんど
がMOTのコレクションでその他法人、個人の
コレクションが並んでいました。
40歳過ぎでこれほど多くの、しかも巨大な作品が
コレクションされているとは・・それだけでも
現代の並み居る作家の中では群を抜いた存在で
あることは間違いない・・
実は私、同じ内容の展覧を昨年夏、東京のMOTで
見ていました。しかし、今回の展覧の方が何か
感じるものが大きかったのです・・その最大はもち
ろん作家本人が作品について語るという現場に立ち
会えたことなのですが、それ以上になにか基本的
なものを改めて見せつけられたような気がいたし
ました。
彼は約100号のパネルを年間約50点制作
するらしい..。この数量をもっと身近な時間
軸で換算すると一週間に1枚の計算になる・・・
朝7時に起床しそこから約7時間ぶっ通しで制作、
これを毎日繰り返して今に至っているらしい・・
作家には様々な制作スタイルが当然存在する
のであるが、ここまで巨大なものを数多く制作
する画家は世界でも稀有な存在であることは
間違いない。これは逆に考えれば、作品の内容
を別にしても、一個の強烈な個性となり、それ
だけでも注目に値する。。
大きいものが多いから良いのか?と疑問を呈する
方も多いかもしれないが、、、私は確実に
大きいものが多い方が良いと答えてしまう。。
絵は悲しいかな大きいものの方が圧倒的に良い
これは間違いない。できれば自らの身体を超える
大きなキャンバス・画面に幾ら向きあえるか、
これによってその絵描きのスケールはかなり決まる
ような気がする。
手元で確認取れる程度の大きさでは、きつい
言い方かもしれないが、お絵かきとしては
優れているが、多くの人の心をライブで揺さぶる
芸術を描いているとは感じ取り難い。
だから極端な解釈ではあるが作品の大小には
確実に優劣が生まれ、その作家の在り様が如実に
浮き彫りにされるように私は感じた。
このオスカールの大量の大きな絵にはもう一つ
の大きな要素が含まれている。
この大作、これが世界中を流通するという事である。
ここに作家及び作家を取り巻く関係者の
大きく強烈な戦略性が存在する。
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culture power website転載
オスカール、インタビュー部分
岡部:NYに住むと、すべてにおいて自分で解決する
ことを強いられるし、プロフェッショナルであるこ
とも強いられる。ともかく甘えられない。この二つ
は相当厳しいと思いますが、それがプロフェッショ
ナルになる鍛錬にもなるかもしれません。ここのハ
ードさを味わうと、ちょっとやそっとではへこたれ
なくなると思いますね。
大岩:日本人のアーティストもいろいろいるけどやっ
ぱりちょっと甘いと思う。僕みたいに朝7時に起きて、
まぁ7時に起きなさいとは言わないけど、仕事は朝か
ら夜までちゃんとする必要があるし、一週間に一定時
間は仕事をしたり真剣に考えていかないと、十年経っ
ても良いアートは出来ないと思う。仕事のジャンルは
別でも、どんな仕事でもそれはしないと。
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