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Noir Collection

画像作品 八木佑介 午前二時三分 500×652(㎜)P15



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Noir Collection



2014年英企業が「世界で最も黒い物質」を開発した。



その物質はまるでブラックホールのように光を吸い込み、
それで覆われた物体の形状を人間の目で見分けることは
できない。



「ベンタブラック」と名付けられたこの物質は光の
99.96%を吸収する。黒い塗料や布地などに見
られる通常の黒色は吸収率が95~98%程度であり、
世界でもっとも黒いという判別は、この光の吸収率
の度合いが全ての要件を構築する。







では黒とは何か?


色の一つで、無彩色。



光が人間の可視領域における全帯域にわたりむらなく
感得されないこと、またはそれに近い状態、ないしそ
のように人間に感じられる状態である。




つまり黒とはもっとも光を感じられない状態と考えられる。



そうなると逆に色とは、



「光によって感じる、物の感じ方の一つ」



であると考えられ、反射された光の波長を目の
網膜が受け取り、「色」として脳が認識すると
いう事になる。



光の無い世界=黒



これは恐らく西洋も東洋も同じ感受性があるのではないか?
と考えるのですが、しかし、何か、東洋の中の日本人は
他民族に比べ黒に執着するようなな気がします。



私の稚拙な知見ですが、世界に打って出る日本の
芸術家がこれまで黒と言う基調色をベースにして
いる事は少なくないような気がします。


川久保玲、





河原温、






版画家の数々、、



又、国内のこれまでの歴史的な芸術品を大別しても、
墨を代表に黒色というものがかなりの割合をしめて
いる事に気付かされます。



国宝第一級・長谷川等伯・松林図を始め。








この差は一体どこからくるのだろうか?と考えた場合。
確かに黒色の定義とは色の一つであると科学的な判別は
ありますが、捉え方の差があるように思います。



光の無い世界=黒



この部分において我々日本人は光の無い世界=黒=消滅
(もしくは過ぎ去った)ではなく、


光の無い世界=黒=意志(もしくは堅持される)


と捉えているのではないか?と考えます。


我々は光が無い世界を消滅状態ではなく、単に目に見
えない意志の所在として黒を色として捉えているので
はないか?と考えます。



黒にどのような色を混入しようとも黒は変化しません。
これは絵具であろうが染料であろうが同じ結果だと思
います。



その時、この変化の無い変化世界をどのように捉えるか?



故にそこから先は何も無い消失と捉えるのか、何事にも
変わらない動じないという意志として色を捉えるのか?
この差があるように感じます。




実は、ここから、日本人は黒=光の無い世界こそが
他のどの光を感得する色彩よりも雄弁であり、
千差万別の意思表示の色の現われと感受してきたの
ではないかと考えます。



今展は、この点より各作家が表現する黒に焦点をあて
様々なテーマの中に取り入れ基調となす黒色の意志を
感じていただこうと企画いたしました。



ぜひ、ご高覧賜りますようご案内申し上げます。




Noir Collection
2015.10.28 (wed) - 2015.11.09 (mon)
OPEN12:00-18:00
会期中無休



Noir Collectionプレスリリース by COMBINE


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