RECENT POSTS
light and shade
丁度一年前だった。


以前のBAMI galleryで個展を開催するにあたり展覧会
のタイトルを求めた。


これで行こうと思います、、


「光と陰」


“ひかりとかげ”


ある意味、良く使われる響きだ

言葉は悪いが“ありきたり”だ・・・・・



自らの作品を情緒的に詩篇化するにはうってつけの
言葉でありメタとしての領域も広いから、、、


大抵のものは内包できる・・・・・


少しニュアンスは違うが“癒し”という大嫌いな言葉も
同様な作動があるような気がする・・・・・・


問題は自らの中から濃縮したものか?どうかだが・・・


ひかりとかげ



この場合大抵“光りと影”が多いのではないだろうか?



実際の光りとそこに出来る影という事に仮託した状況を
この言葉で表すのが常のような気がする。



格差、、成功と失敗、不条理、、、、


挙げればきりがない。。。



逆に考えれば、、全てがそうではないか?


必ずといって社会、人間と人間、



その人間が形にしてきた、又これからするであろう、
目に見えるもの、目には見えないが風のように感じ
るもの全てがそうなのではないか?



そう考えれば、妙な臭気がしなくもない・・・
30歳そこそこの“ガキ”が使う言葉なのか?



つまり格好つけたわりには稚拙。。。



しかし、



光と影ではなく



光と陰。


選んだ言葉が違うと意味は違う



なによりもその選択の意思が大きい。



light and shadow

light and shade



【影】

光が遮られてできるもの。光。姿。身代わり。


【陰】

光の当たらない場所。目の届かない場所。



物体や人などが、光の進行を遮る結果、壁や地面
にできる暗い領域とは違うのが“陰”というものだ。



この差を明らかに提示してきた松本君に関して



これまでの彼の制作の苦悶から、、、
又、レンブラントを私淑する彼を知るからこそ



丁度一年前の私は理解できた。



“光の当たらない場所。目の届かない場所。”


つまり、厳然とした存在を認知した上で生まれる
差異ではなく在るのにその存在を無視もしくは
感知されない、、、



見えないもの・・・



それが陰だ



実は、そこにこそ



我々凡夫には及びもつかない



本来、芸術家の鋭い視線
芸術家にしか見えない



美しい世界がある筈だと私は思う。




▲TOP