January 26,2012
BAMI gallery新春第一弾の
COMBINE SELECTION
2012.01.11 (wed) - 2012.01.25 (wed)
昨日無事終了いたしました。
雪が降る寒い中お越しいただきました
皆様、誠にありがとうございました・
さて来週31日(火)からは
炭田紗季 solo exhibition【大魔術師】を開催いたします。
と言う事で、、、
本日から31日までは閉廊なのですが・・・
展覧会と展覧会の間を数日空けるスケジュール
を通常よく組みます。
当然作品の出来上がりやその他諸事情があって会期と
会期の間が開いているわけなのですが、、、、、
実はその間を利用して、、、たまに、、一人で愉しん
でいることがあります・・・・
もちろん先述の理由が元であり、、愉しむために
故意にて会期をコントロールしているわけではあり
ませんが・・・・
できる機会がある場合は、、短時間ですが、、、
一人愉しんでいます。
何か?
【一点展】です!

実はいつか【一点展】をしたいのです。
私はこういったギャラリーの究極的
エキジビションは【一点展】なんじゃないか?
とかなり前から考えています。
一点の作品で空間を支配する。
そういう夢想をしています。
当然、それに負けない実力がないと
まったく整合しない空間と展覧会に
なり、かえって軽薄な奇をてらった
ものにしかならないという危険も
十分理解してるつもりです。
まぁ平たく言えば、、、
今はとてもできないなぁ~と
言うのが率直なところです・・・
又、実はこの愉しみには別の意味もあります。
ライティングの設定(大してライトのバリエーション
はありませんが・・)そして、、、
各作家の絵の強度を測る、、、という
為にしていることでもあるのです。
一点だけ正面に掛け、もしくは立体の場合は
置き、
しばらく一人で交信を測ります。
出てくるものがどれだけあるかな?

単純にコンセプトや意図や着想なんかをできるだけ
排除してプリミティブに人間が作り出したものと
向き合う、そしてそこから出てくるものを感じる。
そんな事を、、実は会期と会期の合間にしています。。
そして今日は炭田さんのエキジビジョン用の作品で
先に一点預かっているものと交信していました。
ここで私の感想はあえて書きません、、、、
できましたら
来週からの【大魔術師】に是非足をお運びください。
今回は大作3点での空間構成を予定しております。
通常のBAMI galleryのエキジビションにしては
寡作ですが、敢えてという所です。。。
つまり、ギャラリーの一壁面に一点という構成
ですので、かなり一点展に近い雰囲気を味わって
いただけるのではないかと考えております。
****************************
炭田紗季 solo exhibition
『大魔術師』
2012.01.31 (tue) - 2012.02.29 (wed)
gallery close 2/4・5・11・12・18・19・26
open 12:00~18:00

炭田紗季 solo exhibition 『大魔術師』について
-COMBINE director 上山潤 2012.1-

岡山県牛窓在住の炭田紗季と出会ったのは今から
7ヶ月前、昨年の夏、香川県高松だった。
提示された過去の作品を纏めたポートフォリオの
ページをめくるといきなり上図にあるようなピン
ク色の世界が視界に飛び込んできた。
しばらく眺めるとピンク色の世界が落ち着き、気
にならなくなった所でモチーフが浮かび上がって
きた。
その時、言わんとすることはすぐに理解できた。
物が存在するには理由がある。それぞれに意味が
あると言っても良い。
しかし、本来的な意味を無視したところ、今この
時点で唯存在しているという客観的な視線を対象
物に向けると、そのフォルム(形)は別の物に変
化しだす。
日本画の世界で言うところの“見立て”という考
え方の範疇に近いが、そういった見方で物と物と
を組み合わせると、元来持ち得なかった意味が生
まれ、新たな物語が動き出す。
絵描きという人種が魔法をかけた瞬間とでも言お
うか?そういった魔術を持つものが絵描きという
のか?いずれにしても人間の固定観念をほんの少
し弄ることにより、新たな世界観を可笑しく可愛
く生み出しているなぁ、、と感心した。

その後、新作として私の前に提示したのが上図に
あるスターバックスと富士という内容の作品であ
る。
この図はインターネットの図像を参照に描かれて
いる。当然実際に存在する風景なのだが、上記の
ような可笑しさは取り立てて感じる事はない。
しかし、それはこの時代に生きる我々が感じる感
覚であり、原始的な富士という存在を絵にしよう
とした時、果たしてこのような構図を選択するだ
ろうか?という単純な疑問に突き当たる。
日本の歴史においてある意味普遍的な存在の象徴
と増幅を繰り返す現代資本主義社会に生れ落ちた
スターバックスという対比には恐ろしい時間軸の
違いが存在する。
その差の中に含まれているものとは一体なんなの
か?このような図像を日常的に見ている我々の感
覚というのは一体?と考えさせられてしまいます。
富士という固定的な背景に浮かび上がるレイヤー
としての現代。
人間の歩みの中に内包されている当然だと思って
いる事への曖昧さ、この静かな絵には彼女独特の
何十年も先から現代を見るような冷徹な視線を感
じました。

このような制作の流れを汲んで迎える今回の個展
ですが、彼女はタイトルを『大魔術師』と決めま
した。
ステートメントにもあるように、ある時代までは
真実として広く世間では認識されていた、所謂常
識という枠組みが、ある時点から大きな変貌をと
げ非常識となる。
ある意味、人間の歴史における宿痾のようなサイ
クル、魔術師がいて成し得たかのような劇的な変
貌と差異。
彼女は自らが生き生活する現代社会という時代、
その材料から変貌という名の魔術、その差異を考
察し表現する。
常に変化を遂げる真実とは人類に対しての魔術の
ようなものではないか?魔術が解け、新たな魔術
にかかる。
このような事を繰り返し、真実を求め続ける人間
という存在は何を探し求めているのだろうか?そ
して何がその魔術をかけているのか?
古代と現代、そこに生きる人間の差とは何か?
なぜ人間は真実を追究し続けるのか?何がそれを
させているのか?
今回の絵の中央に描かれた3億年前から変わらぬ姿
で現代に存在するゴキブリが静かに語りかけてくる。
COMBINE SELECTION
2012.01.11 (wed) - 2012.01.25 (wed)
昨日無事終了いたしました。
雪が降る寒い中お越しいただきました
皆様、誠にありがとうございました・
さて来週31日(火)からは
炭田紗季 solo exhibition【大魔術師】を開催いたします。
と言う事で、、、
本日から31日までは閉廊なのですが・・・
展覧会と展覧会の間を数日空けるスケジュール
を通常よく組みます。
当然作品の出来上がりやその他諸事情があって会期と
会期の間が開いているわけなのですが、、、、、
実はその間を利用して、、、たまに、、一人で愉しん
でいることがあります・・・・
もちろん先述の理由が元であり、、愉しむために
故意にて会期をコントロールしているわけではあり
ませんが・・・・
できる機会がある場合は、、短時間ですが、、、
一人愉しんでいます。
何か?
【一点展】です!

実はいつか【一点展】をしたいのです。
私はこういったギャラリーの究極的
エキジビションは【一点展】なんじゃないか?
とかなり前から考えています。
一点の作品で空間を支配する。
そういう夢想をしています。
当然、それに負けない実力がないと
まったく整合しない空間と展覧会に
なり、かえって軽薄な奇をてらった
ものにしかならないという危険も
十分理解してるつもりです。
まぁ平たく言えば、、、
今はとてもできないなぁ~と
言うのが率直なところです・・・
又、実はこの愉しみには別の意味もあります。
ライティングの設定(大してライトのバリエーション
はありませんが・・)そして、、、
各作家の絵の強度を測る、、、という
為にしていることでもあるのです。
一点だけ正面に掛け、もしくは立体の場合は
置き、
しばらく一人で交信を測ります。
出てくるものがどれだけあるかな?

単純にコンセプトや意図や着想なんかをできるだけ
排除してプリミティブに人間が作り出したものと
向き合う、そしてそこから出てくるものを感じる。
そんな事を、、実は会期と会期の合間にしています。。
そして今日は炭田さんのエキジビジョン用の作品で
先に一点預かっているものと交信していました。
ここで私の感想はあえて書きません、、、、
できましたら
来週からの【大魔術師】に是非足をお運びください。
今回は大作3点での空間構成を予定しております。
通常のBAMI galleryのエキジビションにしては
寡作ですが、敢えてという所です。。。
つまり、ギャラリーの一壁面に一点という構成
ですので、かなり一点展に近い雰囲気を味わって
いただけるのではないかと考えております。
****************************
炭田紗季 solo exhibition
『大魔術師』
2012.01.31 (tue) - 2012.02.29 (wed)
gallery close 2/4・5・11・12・18・19・26
open 12:00~18:00

炭田紗季 solo exhibition 『大魔術師』について
-COMBINE director 上山潤 2012.1-

岡山県牛窓在住の炭田紗季と出会ったのは今から
7ヶ月前、昨年の夏、香川県高松だった。
提示された過去の作品を纏めたポートフォリオの
ページをめくるといきなり上図にあるようなピン
ク色の世界が視界に飛び込んできた。
しばらく眺めるとピンク色の世界が落ち着き、気
にならなくなった所でモチーフが浮かび上がって
きた。
その時、言わんとすることはすぐに理解できた。
物が存在するには理由がある。それぞれに意味が
あると言っても良い。
しかし、本来的な意味を無視したところ、今この
時点で唯存在しているという客観的な視線を対象
物に向けると、そのフォルム(形)は別の物に変
化しだす。
日本画の世界で言うところの“見立て”という考
え方の範疇に近いが、そういった見方で物と物と
を組み合わせると、元来持ち得なかった意味が生
まれ、新たな物語が動き出す。
絵描きという人種が魔法をかけた瞬間とでも言お
うか?そういった魔術を持つものが絵描きという
のか?いずれにしても人間の固定観念をほんの少
し弄ることにより、新たな世界観を可笑しく可愛
く生み出しているなぁ、、と感心した。

その後、新作として私の前に提示したのが上図に
あるスターバックスと富士という内容の作品であ
る。
この図はインターネットの図像を参照に描かれて
いる。当然実際に存在する風景なのだが、上記の
ような可笑しさは取り立てて感じる事はない。
しかし、それはこの時代に生きる我々が感じる感
覚であり、原始的な富士という存在を絵にしよう
とした時、果たしてこのような構図を選択するだ
ろうか?という単純な疑問に突き当たる。
日本の歴史においてある意味普遍的な存在の象徴
と増幅を繰り返す現代資本主義社会に生れ落ちた
スターバックスという対比には恐ろしい時間軸の
違いが存在する。
その差の中に含まれているものとは一体なんなの
か?このような図像を日常的に見ている我々の感
覚というのは一体?と考えさせられてしまいます。
富士という固定的な背景に浮かび上がるレイヤー
としての現代。
人間の歩みの中に内包されている当然だと思って
いる事への曖昧さ、この静かな絵には彼女独特の
何十年も先から現代を見るような冷徹な視線を感
じました。

このような制作の流れを汲んで迎える今回の個展
ですが、彼女はタイトルを『大魔術師』と決めま
した。
ステートメントにもあるように、ある時代までは
真実として広く世間では認識されていた、所謂常
識という枠組みが、ある時点から大きな変貌をと
げ非常識となる。
ある意味、人間の歴史における宿痾のようなサイ
クル、魔術師がいて成し得たかのような劇的な変
貌と差異。
彼女は自らが生き生活する現代社会という時代、
その材料から変貌という名の魔術、その差異を考
察し表現する。
常に変化を遂げる真実とは人類に対しての魔術の
ようなものではないか?魔術が解け、新たな魔術
にかかる。
このような事を繰り返し、真実を求め続ける人間
という存在は何を探し求めているのだろうか?そ
して何がその魔術をかけているのか?
古代と現代、そこに生きる人間の差とは何か?
なぜ人間は真実を追究し続けるのか?何がそれを
させているのか?
今回の絵の中央に描かれた3億年前から変わらぬ姿
で現代に存在するゴキブリが静かに語りかけてくる。
