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香港出張報告と29日ラジオ出演
11月25日(金)から11月29日(火・am6:00)


の間、香港に出張に行ってました。


香港に最初に行ったのは


2007年11月24日


二回目に行ったのは


2008年5月23日でした。



この間(リーマンショック前)に香港で何が起こって
いたかをご存知の方も多いと思います。


これまでその事にはこのブログではあえて触れてき
ませんでしたが、私もホンの少しその渦中にいました。



今回の出張


これは今後に対しての重要なリサーチであり
今の状況把握という内容が中心でした。


又本年ご縁をいただいたコレクター様への
挨拶とその他関係者との打ち合わせ等、4日間
かなり内容の濃い出張となりました。


この間の香港は


オークション・ウィークでした。


香港はもちろん日本からも台湾、韓国や
サザビーズといったオークションハウス
がプレビューも含めてこの間開催していました!


クリスティーズ香港






ここに伺うのは3年ぶり3回目です。


オークションの規模、内容は間違いなく東アジアNo1
であり、ミュージアムピースレベルの作品がプレビュー
では満載、ある種の社交場的雰囲気が様々な意味で
訪問する人々を魅了する。


正直、不遜かもしれませんが、ここを見ずして
東アジアのアートマーケットの状況を語るのは
如何かな?と思います。


結果からの考察に関してはまた別のエントリーにて
紹介させていただきたいのですが、かいつまんで
申し上げれば、現在香港の主要顧客は中国メインランド
台湾、シンガポール、インドネシアというラインナップ
だと思います。ボリュームで言えば中国と台湾がほとん
どでしょうか?


内容に関しては、時代的には、骨董、近代というのが
中心です。しかも近代中国の油画、国画と呼ばれる
彩色の墨彩画等が異常に高騰しています。
1800年代後半から1900年代初頭及び1960年代位かな?


所謂この時系列で考えた場合、、、


中国が極度に混乱していた時期と符合します。

つまり清朝末期、及び大東亜戦争期、そして
文化大革命期と言う事です。


中国のロストジェネレーション


つまりこの過酷な時代に苦境を乗り越えて
活躍した?もしくは再評価されている作家が
億円単位で取引されています。

特に西洋的な感覚を内包した、もしくは
実際にレオナルド藤田のように異邦人と
して活躍した等です。

これは様々な考え方はあると思います。

間違いなく中国人による中国的価値の投機的
な動きでしょう。

そしてもう一つは中国だけのある意味
相対的価値観による動きだと言う事です。


西洋と同期した値動きではない、、、、


どういった事かと言えば



モネ、ゴッホなどよりもずっと高い
中国近代作家がゴロゴロ存在するという
事です。

我々からすると少し理解に苦しむ
状況ですが・・・・・


価格、取引高だけで見れば事実です。


ここではこの程度の紹介しかできませんが
アートプライス社という所のレポートを
探してお読みください。



以下はその一端です。



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中国は2010年、世界の美術品

(絵画、展示品、彫刻、素描、写真、

印刷物)の33%を占めており、

米国は30%、英国は19%、

フランスは5%だった。



さらに2010年の競売額による

世界のトップ10に入る中国の

芸術家は4人(2009年は1人)

となり、そのうち競売額の一番低い

人で1億1200万ドルを生み出し

ている。斉白石はアンディ・ウォー

ホルや同時代の張大千を押さえて

2位となり、徐悲鴻は6位の

1億7600万ドル、傳抱石は

9位だった。中国芸術家の若い

世代もいまや先人よりさらに強力

に進出している。2010年の世界

トップ10に入る現代芸術家のうち

、半分以上が中国人である

(曽梵志、陳逸飛、王沂東、張暁剛、

劉小東、劉野)。米国はバスキア、

クーン、プリンスの3人である。




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特に斉白石や張大千、趙無極などは
恐ろしい値段に高騰している・・・


さて、、リーマンショック前に
高騰していたコンテンポラリー
はどうか?


実は上海で知り合ったあるギャラリスト
と偶然出会い、状況を聞いたところ、、
確実に買い控えていると言う事です。

しかし、まま、ある意味安定的な局面に
入ったかな?とも私は感じました。

そして日本人はと言えば、、、、、、


正直、草間、奈良、村上(?は確実に
以前ほどではない、と感じました。)
位でしょうか?


そして今回の特徴は


諏訪敦でしょう。


日本でもここ最近雑誌は毎月写実という括りで
特集を組んでいますが、、その流れか?


私は当然それもあるだろうとは感じますが、、
全体的に、写実に限らず、絵と言うものの
本質軸に回帰しているのではないか?と
感じています。


つまり泡沫的な動きではなく・・・・


当然、近代物の高騰という局面はあるにしても
コンテンポラリーの高騰から凋落局面は全体の
平均を下げる要因として否めません。


その中間で安定的な、所謂普遍性を持った価値観
に相応するものを提示していくとなればやはり
これらの感覚が中心となるのではいか?と感じま
した。


またもう一つの大きな流れは


中国の近代に反応?もしくはコミットすべく
日本の近代物が提示されているという点です。


児島善三郎、藤田嗣治等々、、、


つまり今後中国近代の流れ余波を買って
アジア近代という枠のイメージを持って
いるのか?と感じました。


冷静にその感性を考えれば


アーティストの生き方に対しての考察が
かなり重要な要素として感じられました。


瞬間的なハプニング性に近い直感的な
ものは退行し、重厚な感覚が求められて
いるのかな?と思います。


いずれにしても、、、、



3年前狂乱からクラッシュした、、あの時分の
銘柄は皆無に近い状態であることは間違いあり
ません。


そして、、ここが一番大事な事ですが


これはもう東アジアでは結論が出ている
状況の認識ですが、、、、、


日本人は売りに来ただけで


買わない・・・・・


これは正直、深刻な状況です・・・・
実際、、冷静に直視すれば、、、、
日本という枠の価値は毀損し
ほとんど無くなりかけてます・・






唯一


先ほど記した草間、奈良、村上が
ある意味守護しているような状況
かもしれません。


異論は多々あるでしょう、、しかし
私はマーケットの成立という観点から
考えればそう感じます。


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さてオークションから


本年ご縁を頂いたコレクターとお会いし
様々な楽しい会話、そしてご自身のコレク
ションをマンションまで伺い拝見させてい
ただきました。






ALEX氏


陶器、カメラ、コンテンポラリーアートの
コレクターで実に情熱的で優しいジェント
ルマンでした。





ご自身のコレクションを丁寧に説明して下さいました。

世界中を飛び回りながら、コレクションの研究
をされておられ、必ず質問する事には文献を示し
詳しく説明してくださいました。


そして台湾式のティー・ブレイク


マンションの24階、彼の部屋から臨む
オーシャンビューは気持ち良いの一言
に尽きました。








***************



その他にも様々な方とお会いし打ち合わせを
いたしましたが、タイムアップ!


29日深夜1時半フライト・・・









帰る数時間前、日本からメールが、、、


12時半からラジオの生放送が入りました!
12時から打ち合わせです。



大丈夫ですか?





午前6時に関空着、戻るにはなんの問題もないが、、
打ち合わせが一件、、、、


なんとか無事スケジュールは調整でき


生放送出演・・・


初めてラジオの中継生放送というのを経験しました
が、、実に面白い経験でした。






わずか30分で要点を取材

見事な手際でした。






約10分間の出演。

途中、、お客様???にも出演いただき
臨場感を演出!!!


「かわいい---!」








なんとか無事終了いたしました・・・・・



KBS京都様



ありがとうございました!












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