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一つ事への執着
今日で無事、田村さんの個展も終了する。


会期中雨の日が多く足下が悪いにも関わらず、沢山の
方にお越しいただいたこと心より感謝いたします。


誠にありがとうございました。


田村さんとの出会いは相当前のBlogで紹介
させていただきましたので、改めてここでは割愛
させていただきますが、田村さんと一緒に仕事を
する意味?二人の中で阿吽として共感している部
分を少し紹介したいと思います。


COMBINEをスタートさせるとき、私の中には
マトリックスがありました。


何のマトリックスかと言えば、作家の枠組みとして
当然表現が偏らないようにという思いはあったの
ですが、年齢のマトリックスというものも大きな
割合として持っていました。


若い人だけでは駄目、私と同世代だけでも駄目
若い人+私と同世代、これでも駄目でした。


そこには私の上の世代、このジェネレーションが
必要に感じていたのです。


何故か?


それは一つ事に執着しコツコツと周りの騒音と
無関係に自分を見つめる、これが出来る人、
また実践している、そんな人が欲しかったので
した。



何の為にそれをやっているのか?





私は現代美術という”タグ”が付いた商品を扱っている
訳ではない。



同時代に生きる鋭い視線を持つ作家
アーティストを自らが選択して紹介している
のであり、そこには表現の材料も年齢も
性別も国籍もまったく要素としては関係が
ない。



表現=生きるために生きる=等価



ギャラリーという機能を運営していると、様々な
事が起こります。



思いも寄らずメディアに取り上ていただき、華やか
な紹介をしていただく事もあれば、色んな方が起こし
くださり購入していただく、又次の展開のお誘いなど


しかし、逆もあります、何の反応もない、お客様の
入りも悪い・・・等々


実際には後者の方が多いのであるが、僅かな良い
事柄が全てを帳消しにしてしまう・・・・



が、、常にこれの繰り返しの現実に変わりはない。。



しかし、基本はなんなのか?



私達の基本は選んだ作家・表現をじっくりご紹介し、
その優れた考えや表現、又成長を広く伝えていく、
これに尽きると考えます。


ビジネス・商売の手法はあるでしょう、しかし
根本的な本質とはこの事だと私は信じています。


当然全て思った通りにはいきません。しかし、時間差
はあると思います。その時間差は待てど結局結論が
でないものも確かに存在します。しかし全て含めてそこ
には我々が選択した、その選択根拠に対しての責務
というものが確実に存在します。


逃げられないと思うのと同時に
終わりはないのです。


一時の華やかな紹介に浮かれていては、本来の
本質的職責を見失う、そんな状況にすぐに陥って
しまうのも又確かな事です。


また先述のように


まったく無反応という逆の状況も同様に
拗ねた虚脱感を無責任に抱く、まさしく
客観性なく自らの立場を見失うのです。


いずれにしても、いつも軸が揺らいでいる・・


そんな時、田村さんのアトリエに伺うと、初期の
思い、本質的な責務がひしひしと沸いてくるのです。


山小屋で一人作品を作る決して若くない、そして
失礼だが無名の田村さん・・・・・・


ただ一点を見つめ


作品を作り続ける。


そんな姿を見ると、、、


自分が選択した仕事の意味を改めて感じるのです。


いつも最初の時と同じ距離でいてくれる・・


そんな田村さんの存在が


私の勝手な思いですが、、、


羅針盤のような・・・



・・・・・



作家もそうであるように


我々も同じだと感じる、ある一点があります。



一つ事を追求する。


それは、、


水に書いた文字のようなものかも
しれません。


ずっと書き続けていなくては
ならないような、実感を得たかと
思うと消え、また書く・・・・


それを続ける


続けるに値するものを見つめないと
いけない。



我々は我々が選択した作家の成長・進化と同じように
我々も成長・進化し、お互いが共感しそこから発生する
大いなる遠心力の渦を生み出す、それこそが幅広く様々
な方へ、その生き方の姿や考え方をご呈示できるように
なれる唯一の方法だと信じています。そしてこの一事へ
の執着が全てのような気がいたします。




田村さんにはいつも多くのことを教えていただきます。



今回は本当にお疲れさまでした。










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