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【スキゾ / パラノ】
先日、ある雑誌を見ていたら・・


と、、言ってもかなり前だが・・

巻末に“あれっ?うん?”という文章があり目に
とまった。

「エイティーズ!!80s」

モードの世界で、たびたびキーワードとして登
場するのが

「エイティーズ」。


【ファッションテーマとして話題に事欠かない活気
溢れる時代でした。映画、音楽、アートなど、
影響力を持ったカルチャーがたくさん出現した時
代でもあります。新鮮なインパクトを受つづけた
この時代に対し、多くのクリエーターがオマージュ
を捧げています…・・】




へぇ~?エイティーズ???




誰しも自らが青春(なぜか気恥ずかしいこの言葉・・)
時代を過ごした一番ディープな部分、その時、自分を
取り囲んでいた時代の熱い息吹と、その強烈な洗礼
が、その後の自らのある種のスタイルを物語ったり、
今もってそのスピリットを貫きとおしていたり、と言
うのがあるはずだ。


例えば我々が過去見たもので言えば、50sやアイビー、
安保闘争、ヒッピー等々に象徴されるような時代など、
とてつもなく強烈なムーブメントであり、その時代に
青春時代を過ごした人間は、未だに自らの中心線に
それらを据えている人も少なくない。


これら時代の息吹は基本的に普遍性をもったメインカ
ルチャーではなく、どちらかと言うとサブカルチャー
なのだが、人によっては自らの人生におけるメインカ
ルチャーやスタイルとして今尚大事にし、マイノリテ
ィーではあるが確実に存在している。。


それから考えると、私は間違いなく“80s”である。


私の時間軸においては80年代のカルチャーはかなり大
きなものがある。


これは選んだものではない。生まれたタイミングがそ
うなのである。


私は1966年生まれで1980年突入時は14歳の中学2
年生である。仮に80sの修了を1989年とした場合私
はその時、23歳であり、きしくも働き出し社会に出た時
と合致する。


私の人生の時系列だけで言うと、間違いなく“80sBOY”
であった!!!


改めて自分が“80s”??などと考えると不思議な気分
になる。


そうかぁ!俺は80sかぁ!などと単純な私は、妙に興奮
したりするのである・・


そして、あえて言うがこの80sのど真ん中の世代が、戦後
教育で初めて先生を“ぶん殴った”世代である。


いろんな意味で今の日本を見る上で、大きな部分を背負
っているのかも?しれない。。


断わっておくが、これは定義づけられたものでは当然ない。
私が感じるだけで、実際、80Sなどという定義・定型は
具体的な形としてはない!


しかし、案外、私の考え方の基準?判断材料を担ってい
ることも否定できない。


今の時代のものも極力素直にかつ自然に受け入れるよう
にと思っているが、なにか相反する時必ずこの時代に培
った情報・美意識が一つの線を引いているのも間違いない。


不思議な時代であった。


私が18歳を向えた時、時代は1984年である。


まさしく80年代のど真ん中だった。


今では考えられないが、若者は皆“スーツ”であった。
正直、Gパンをはいている人物を探す方が困難なくらい
皆DCブランドのスーツで決めていた!!



今からこのような風景を想像できるだろうか??


音楽ではニューロマンティックスなどというアンドロギュ
ニュス的な美意識が支配し、男性が堂々と化粧をし始めた。


間違いなく“バブル夜明け前”であり、狂乱的な飽食時代に
突入する機運がムクムクと台頭してきていた…


今から思うと、これも信じがたいが、皆社会は途切れる事
無く発展するものだという確たる信念によって夢想していた
のではなく、ただなんとなく・・・・・


“うわぁー”


というような濁流の中で嬌声を上げていたような雰囲気だ
った。。


ある意味、こののちバブルが崩壊し、バランス感覚を10年以
上、いや現在もまだその後遺症に悩んでいるのかもしれない
が取り戻しにかかっているのだが、この時代の最大の功罪で
いう功の部分は、豊満な資金によって、かなりの実験的な事
象が体現できたことではなかったかと思う。


実際、現在、バブル期で出来たものに敵うものはそうたやす
くは作り出せない…


これ以外にもこの時代の象徴的な現象はあるのだが、私が一
番この時代の特徴なんじゃないかなぁ?と思うのは、若者に
ファッションの一部として“哲学”が流行ったことでは無い
かと思う。


まぁ実際には本質を理解したのか?というとかなり疑問であ
るが、とにかくこの時代浅田彰という京大の助教授か助手か
というような若者(確か当時26歳だったと思うが・・)が逃
走論なるものを執筆し、一躍時の人になった。哲学書として
は異例の10万部という部数を売上、突如世の中に哲学ブーム
を巻き起こした。


この時代これ以外にも多数、現在で言う“文化人なるメディ
アキャラクターが登場し、それら学者や哲学者、とくに浅田
彰を中心とする考え方、ポストモダンに近い指向性の哲学者
や学者の枠組み集団を“ニューアカデミズム”などと呼んで
もてはやした!!!


正直、少しダダイズムの匂いが立ち込めていた、それは総じ
て他人事であったのだろう・・


ある意味デカダンスのみが持てる巨大な許容の時代だったの
かもしれない・・


その中でも浅田彰、彼の理論は哲学を数式的?構造的に解説
し、人間の行動原理を、、、、


【スキゾ / パラノ 】



と二極化し、より分かりやすく論じた事が、爆発的に受け入
れられる要因となった。


従ってこの時代の若者の流行語として、この、スキゾ / 
パラノというのはそれまでの、瞬間的な感覚の言葉や、世相
を表したりというものとは一種違う感覚で持てはやされた。。


我々”馬鹿”は、この言葉を言う事によって少しブランドの
“紙袋”をぶら下げて見せびらかしているのと同様の感覚に
浸ったのは間違いない。


あー!そう言えばこの時代、ロゴの時代でもあった。


BIGIなんていうロゴが入ってさえいれば皆ありがたく着込ん
でいたが、よくよく考えると、皆して金払って、メーカーの
サンドウィッチマンしてたにすぎないんだけど・・


アホやなぁ・・


うーん??


【スキゾ / パラノ】 


現在、この言葉を知っているものはもちろんだが、使う人
間がいるのだろうか??


あれほど、流行ったのに?・哲学も流行なのか??と今と
なっては考えさせられる。。。。


なんだったんだ??


この時代のこの、【スキゾ / パラノ】 は、今でも面
白い論理の展開だと思う。



かなり不完全で今は少し違和感があるかもしれないが・・




人間はパラノ型とスキゾ型に分けることができ、パラノ型
は言うまでもなくパラノイア(偏執狂)ですなわち、結婚
し家を建て子供を生産しその子供がまた同じように結婚し
家を建て子供を生産していくという「パラノドライブ」に
よって「やめられない、とまらない」とばかりに走り続け
るもので、人類は主にそうやって発展してきた。



対してスキゾ方はこれも同じように心理学で言うスキゾフ
レニー(分裂症)ですなわち、一定の考え方によらず従来
の価値観からとにかく逃げるというもので、浅田彰はパラ
ノ型からスキゾ型への転換を進めておりその理由は「その
ほうが面白いから」というものであった。



確かに、この、スキゾ / パラノ を自分に当てはめる
と、一体どっちの人間なのか?



それがいいのか悪いのかは別にして、この2極分化は意外
と自分自身を深く掘り下げ考えさせられる効力を発揮する。
そして程度の問題であるが、結局どちらも本質的には持ちえ
ているのだろうが、この割合、どちらが大きく、また、それ
を許される環境か否かという自分を取り巻く集合体にまで考
えが及んで行くところに面白さが潜んでいる。。


いろいろ考えるのだが、結局、パラノドライブしかしてない
んだけど・・


少数のスキゾが変革をもたらし、大多数のパラノが安定性
を求める。この綱引きにより、人類は安定しながらより良
い変革を遂げていく。というのが簡単だが論旨だったんじ
ゃないだろうか?(違うかもしれないが・・)



しかし、バブルの波が大きくうねりを上げて日本という国
家を飲み込み、本来スキゾだったはずの考え方・行為や事
象がパラノ化し、みなして破滅に突き進んだのと同時に、
この、【スキゾ / パラノ】は雲散霧消した。


そして80sは何のなごりもなく消えてなくなり、この20
年近く、誰も何も言わなくなってしまった。。。


そんな時、雑誌の巻末をみて


へぇーと感心したのだが、よくよく考えると、確かになぁ!
あれから20年近い。。。


もう、現代のスピードから言うとかなりの過去のカルチャ
ーと捉えられてもおかしくない。。


私が感じてきたものと、現代のオマージュは別物かもしれ
ない。。。


うーん!!

そうだなぁ!!

80s、90sなんてそんな小さな区切りでないかも…
もっと大きなスパンの区切りがある…


今、平成22年で21世紀!!


そう、平成時代に入って生まれた子が二二歳になる。
そして21世紀に入って生まれた子は、とうに小学校
に通っている。。


我々は、昭和世代であり

20世紀BOYである。。

そして私は80Sなのだ…


誰も興味なんてないけど…



だけど私は、今の“ガキンチョ”に我々の時代を




「あー!80s?結構いいじゃん!」




などと言われると、ぶん殴りたくなる!!!


あえて勇気を振り絞り宣言するならば!


俺たちゃ


カルトな時代のポップな存在で、あきらめの悪い
おっさんなんや!!!!



テメェラに分るかい!!



俺たちゃ


いや



俺はいまだに“スキゾ・ドライブ”を諦めきれない



おっさんや・・・・・・・・・



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