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佐野 曉  出撃! 松坂屋名古屋
いよいよ!漆博士・佐野君の出撃だ!





漆博士とは揶揄しているのではない、、、


かれは正真正銘の漆博士、そう、あの末は
博士か大臣かの博士だ。正確には京都市立
芸術大学大学院後期博士課程 漆工研究領
域修了 博士(美術)となるらしいのだが、、






そんな彼?というか彼の作品に出合ったの
は確か今から3年前の京展だった。


なんとなく観たくなって、当時のアシスタント
と二人市美に観に行った。


当然、日本画・油画と新たな才能をと思って見
ていたのだが特段惹かれるモノもなく、あまり
期待していなかった工芸という領域に差し掛か
った時、、、、


ひと際目を引く作品が目に飛び込んできた。


大半は大きな作品なのだが、その作品は小さく
こちちらを睨んでいる?ように感じた・・・


近づいて見ると、可愛いクマのフォルム、、


しかしその表面には画鋲が・・・トゲトゲ
しく、しかし妙な可愛さ、しかも、どこか
で見た様な、、




なんだこれ?


漆??肝心の漆部分の大半を画鋲で埋め尽
くしている、、とは、、なんとも挑戦的な!



なんとなく、ただなんとなくだが彼のしたい
言いたい事が薄らと感じ取れた。


一発で気になりアシスタントに指示し連絡を
取ったのだが、、


返信は無かった。。。


縁がないのか?と落胆したのだが、、、


数カ月後、、やはり気になったので何度か
改めてメールした!此の時は返信があった。


どうも最初のメールはスパムになっていた
ようだったのだが、、なんとか繋がった、、


急ぎ会いたい旨を伝えてギャラリーに来て
もらい色々な話をした。


彼のホームページで博士号取得という情報
は掴んでいたので、その先入観で対面した
のだが、つまり、、理論、論理、理屈、屁
理屈・・・etc、、つまるところ”頭でっかち”
そんな事だが、、、向き合った彼はそんな
色は微塵もない、ナイスガイだった。



この仕事をしていてつくづく感じるのは人だ。


作品ももちろん大事だが、人がその半分を
占める。これは従順という基準、つまりこ
ちらにとって都合が良いという意味ではな
い。芯というのか、こだわり、どういう拘
りを抱え込んでいるのか?という事だ。


佐野君へは、そういう意味で”漆”という
ものへの只ならぬこだわりを感じたのだが、
それは従来の古典的な漆だけではなく、新
しい漆の世界への強い意欲、その拘りを感
じた。





普通冷静に考えれ博士号取得には時間も金
もかかる。取れたとしても30歳近くにな
る。そこまでしてその先それを支える盤石
なマーケットがあれば別だが、正直そんな
ものはない、大体、厳格なアカデミズムが
ないこの国では、、、ただの勲章にしかな
らない。。。。。


しかし彼の中では突き詰める必要があったのである。


その時、彼は博士論文を置いていってくれた。
相当数のページ数のある論文であったが、一気
に読み切った。


漆の持つ”アウラ”=(霊性)や漆という素材
そのもの、材料としてのレポート、そしてそこ
から彼が今後なにを作品としていくのか?その
意義等、かなり論理的に纏められていたのだが、
私の目をくぎつけにしたのは、、、、、



日本は先天的なキャラクター文化圏だという項目だ、
その中でも象徴的に解説していたのは、ピーポ君な
のだが、ピーポ君とは、警察のマスコットだ、、、、





へぇーと普通は聞き流すのだが、


よくよく考えれば彼が解説する通り、公権力側が
自らをキャラクター化するという、冷静に考えれ
ばなんか捻じれた感覚、しかし其処を起点として
考えると、案外我々の周りには他の文化圏とは違
うキャラクター性が溢れている。


京都などは建物へも、何かの概念的な集団性にも
”さん”づけして呼ぶ。


これは尊称としての意味合いもあるが、実際には
何かの人格的なものを付与している。つまりこれ
も広義にはキャラクター的醸成に感じるのである。



武将の兜の前立てなどもその象徴的なもので、
自らの内面を表現している。それ以外にも様々
な仮託がなされている。ムラカミなどとは違う
アプローチだなと感じた。







そうか、そういう所から日本を見つめるという
のもあるか。。。。



あー、、、そうかと感じた。



この部分からKAWAIIも含めてコンセプト化し漆という
素材及び技術との融合を考えているのか・・・と、、、、


画鋲のくまさんに込められた意味と、、、


こちらを射る様に見つめていたのは、、、



佐野君の視線だったのだとこの時気付かされた。


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さのあきら うるし展






【場所】
〒460-8430 名古屋市中区栄三丁目16番1号

松坂屋名古屋店 南館6階美術画廊

【会期】
2013年4月3日(水)-9日(火)
10時~19時30分 最終日は16時閉廊

【アクセス】
電車でお越しの場合
地下鉄名城線矢場町駅 地下通路直結(5・6番出口)
/ 地下鉄栄駅 16番出口より南へ徒歩5分

お車でお越しの場合
名古屋高速 白川出口、東新町出口、東別院からお越しいただくと便利です

http://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/access/

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遠藤良太郎 Ceramic Works スタート!
本日(3/1)より

BAMI galleryでは

遠藤良太郎 Ceramic Works
裏アイデンティティは放たれた



を開催させていただいております。

※2013.03.01 (fri) - 2013.03.25 (mon)
gallery close 3/2.3.9.10.16.17.20.23.24
open 12:00~18:00

遠藤君の個展は今回で2度目となります。

前回はこれまで作りためた小作品が中心の個展でしたが
今回は彼が学ぶ京都精華大学の卒業制作展にて発表した

高さ2m20cm~2m40cm 重さ100キロの巨大陶作品
を6点配置した”インスタレーション”展開になります。





前回の個展から、以降、百貨店に作品を移動し、様々な
意見を頂戴し、その都度、彼とは色々な事を話しました。



これまでの作品ポートフォリオ


遠藤良太郎 Ceramic Works by COMBINE






ご意見を頂戴した中には、世界的な

石の彫刻家である流政之先生の


「もっともっと悩み、そして苦しみなさい」


というお言葉はじめ、、、


お客様方からも厳しい、しかし期待をいただくような
暖かいお言葉を沢山頂戴いたしました。


その後、卒業制作を迎えるにあたって


何を作るのか?

そのことについて彼とは意見を交換しましたが、

軸となったのは、大きいもの、今しかできない、




これはカタチも含めてですが、それよりも

今自分の中にある、、、

たぎるような思いを吐き出せということ、そして





それが例え未完に終わったとしても、くだらない

予定調和のような”ぬるい”作品だけは作るな!

という事でした。





今回遠藤君はその期待に見事こたえてくれたと

正直私は感じています。

そして今後の彼にとっても今回の作品は

非常に重要なものになったと確信しております。


未熟であたりまえ、仕事の精度がマダマダ、当たり前

しかし、今、示す情熱のMAX度合いは合格点だと

思います。

是非、彼の内なる闘志を現場で見ていた
だきたい。そして今後の彼の才能溢れる可能性を
感じていただきたいと切に願っています。


昨日は京都精華大学の大先輩”伴清一郎”先生にも
来ていただき、様々なアドバイスをいただきました。

作品のこと、制作のこと、そしてなによりも


芸術家として、、





彼にとっては大変良い出会いだったと思います!


今回の個展に彼が書いてくれたステートメントです!


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あらゆるものが自らの意識とは別に猛烈な勢いで簡略化

されていく現代社会において、自分自信が受ける

「生への実感」が薄れていっているように私は感じている。

自らの実感が薄れていくにつれて、自分が自分であると

いう意味のアイデンティティという言葉の裏に潜む胡散臭

さは肥大化していくように思う。



自分が自分であるという認識は、表面的な情報から形成され

るものだけではなく、自らが受けた生々しい実感と合わさる

ことではじめて成立し得るのではないか?

そうした考えから、私は人間の本能に響く感動を大切にした

いと思った。そして芸術にはその力があると思った。

人の心を動かすような感動が、私が現代社会に欠けていると

思う「生への実感」につながると信じて、私は私なりの感動

を表現をする。



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内側から出てくる、たぎるようなエネルギー、

そのエネルギーから生み出さ れたプリミティブ

なフォルム、それらが静かにそして激しく、何か

に抵抗し、何かに攻撃をしかけるような空間。


是非ご覧頂きたい! 

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