March 30,2013
いよいよ!漆博士・佐野君の出撃だ!

漆博士とは揶揄しているのではない、、、
かれは正真正銘の漆博士、そう、あの末は
博士か大臣かの博士だ。正確には京都市立
芸術大学大学院後期博士課程 漆工研究領
域修了 博士(美術)となるらしいのだが、、

そんな彼?というか彼の作品に出合ったの
は確か今から3年前の京展だった。
なんとなく観たくなって、当時のアシスタント
と二人市美に観に行った。
当然、日本画・油画と新たな才能をと思って見
ていたのだが特段惹かれるモノもなく、あまり
期待していなかった工芸という領域に差し掛か
った時、、、、
ひと際目を引く作品が目に飛び込んできた。
大半は大きな作品なのだが、その作品は小さく
こちちらを睨んでいる?ように感じた・・・
近づいて見ると、可愛いクマのフォルム、、
しかしその表面には画鋲が・・・トゲトゲ
しく、しかし妙な可愛さ、しかも、どこか
で見た様な、、

なんだこれ?
漆??肝心の漆部分の大半を画鋲で埋め尽
くしている、、とは、、なんとも挑戦的な!
なんとなく、ただなんとなくだが彼のしたい
言いたい事が薄らと感じ取れた。
一発で気になりアシスタントに指示し連絡を
取ったのだが、、
返信は無かった。。。
縁がないのか?と落胆したのだが、、、
数カ月後、、やはり気になったので何度か
改めてメールした!此の時は返信があった。
どうも最初のメールはスパムになっていた
ようだったのだが、、なんとか繋がった、、
急ぎ会いたい旨を伝えてギャラリーに来て
もらい色々な話をした。
彼のホームページで博士号取得という情報
は掴んでいたので、その先入観で対面した
のだが、つまり、、理論、論理、理屈、屁
理屈・・・etc、、つまるところ”頭でっかち”
そんな事だが、、、向き合った彼はそんな
色は微塵もない、ナイスガイだった。
この仕事をしていてつくづく感じるのは人だ。
作品ももちろん大事だが、人がその半分を
占める。これは従順という基準、つまりこ
ちらにとって都合が良いという意味ではな
い。芯というのか、こだわり、どういう拘
りを抱え込んでいるのか?という事だ。
佐野君へは、そういう意味で”漆”という
ものへの只ならぬこだわりを感じたのだが、
それは従来の古典的な漆だけではなく、新
しい漆の世界への強い意欲、その拘りを感
じた。

普通冷静に考えれ博士号取得には時間も金
もかかる。取れたとしても30歳近くにな
る。そこまでしてその先それを支える盤石
なマーケットがあれば別だが、正直そんな
ものはない、大体、厳格なアカデミズムが
ないこの国では、、、ただの勲章にしかな
らない。。。。。
しかし彼の中では突き詰める必要があったのである。
その時、彼は博士論文を置いていってくれた。
相当数のページ数のある論文であったが、一気
に読み切った。
漆の持つ”アウラ”=(霊性)や漆という素材
そのもの、材料としてのレポート、そしてそこ
から彼が今後なにを作品としていくのか?その
意義等、かなり論理的に纏められていたのだが、
私の目をくぎつけにしたのは、、、、、
日本は先天的なキャラクター文化圏だという項目だ、
その中でも象徴的に解説していたのは、ピーポ君な
のだが、ピーポ君とは、警察のマスコットだ、、、、

へぇーと普通は聞き流すのだが、
よくよく考えれば彼が解説する通り、公権力側が
自らをキャラクター化するという、冷静に考えれ
ばなんか捻じれた感覚、しかし其処を起点として
考えると、案外我々の周りには他の文化圏とは違
うキャラクター性が溢れている。
京都などは建物へも、何かの概念的な集団性にも
”さん”づけして呼ぶ。
これは尊称としての意味合いもあるが、実際には
何かの人格的なものを付与している。つまりこれ
も広義にはキャラクター的醸成に感じるのである。
武将の兜の前立てなどもその象徴的なもので、
自らの内面を表現している。それ以外にも様々
な仮託がなされている。ムラカミなどとは違う
アプローチだなと感じた。


そうか、そういう所から日本を見つめるという
のもあるか。。。。
あー、、、そうかと感じた。
この部分からKAWAIIも含めてコンセプト化し漆という
素材及び技術との融合を考えているのか・・・と、、、、
画鋲のくまさんに込められた意味と、、、
こちらを射る様に見つめていたのは、、、
佐野君の視線だったのだとこの時気付かされた。
***********
さのあきら うるし展

【場所】
〒460-8430 名古屋市中区栄三丁目16番1号
松坂屋名古屋店 南館6階美術画廊
【会期】
2013年4月3日(水)-9日(火)
10時~19時30分 最終日は16時閉廊
【アクセス】
電車でお越しの場合
地下鉄名城線矢場町駅 地下通路直結(5・6番出口)
/ 地下鉄栄駅 16番出口より南へ徒歩5分
お車でお越しの場合
名古屋高速 白川出口、東新町出口、東別院からお越しいただくと便利です
http://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/access/

漆博士とは揶揄しているのではない、、、
かれは正真正銘の漆博士、そう、あの末は
博士か大臣かの博士だ。正確には京都市立
芸術大学大学院後期博士課程 漆工研究領
域修了 博士(美術)となるらしいのだが、、

そんな彼?というか彼の作品に出合ったの
は確か今から3年前の京展だった。
なんとなく観たくなって、当時のアシスタント
と二人市美に観に行った。
当然、日本画・油画と新たな才能をと思って見
ていたのだが特段惹かれるモノもなく、あまり
期待していなかった工芸という領域に差し掛か
った時、、、、
ひと際目を引く作品が目に飛び込んできた。
大半は大きな作品なのだが、その作品は小さく
こちちらを睨んでいる?ように感じた・・・
近づいて見ると、可愛いクマのフォルム、、
しかしその表面には画鋲が・・・トゲトゲ
しく、しかし妙な可愛さ、しかも、どこか
で見た様な、、

なんだこれ?
漆??肝心の漆部分の大半を画鋲で埋め尽
くしている、、とは、、なんとも挑戦的な!
なんとなく、ただなんとなくだが彼のしたい
言いたい事が薄らと感じ取れた。
一発で気になりアシスタントに指示し連絡を
取ったのだが、、
返信は無かった。。。
縁がないのか?と落胆したのだが、、、
数カ月後、、やはり気になったので何度か
改めてメールした!此の時は返信があった。
どうも最初のメールはスパムになっていた
ようだったのだが、、なんとか繋がった、、
急ぎ会いたい旨を伝えてギャラリーに来て
もらい色々な話をした。
彼のホームページで博士号取得という情報
は掴んでいたので、その先入観で対面した
のだが、つまり、、理論、論理、理屈、屁
理屈・・・etc、、つまるところ”頭でっかち”
そんな事だが、、、向き合った彼はそんな
色は微塵もない、ナイスガイだった。
この仕事をしていてつくづく感じるのは人だ。
作品ももちろん大事だが、人がその半分を
占める。これは従順という基準、つまりこ
ちらにとって都合が良いという意味ではな
い。芯というのか、こだわり、どういう拘
りを抱え込んでいるのか?という事だ。
佐野君へは、そういう意味で”漆”という
ものへの只ならぬこだわりを感じたのだが、
それは従来の古典的な漆だけではなく、新
しい漆の世界への強い意欲、その拘りを感
じた。

普通冷静に考えれ博士号取得には時間も金
もかかる。取れたとしても30歳近くにな
る。そこまでしてその先それを支える盤石
なマーケットがあれば別だが、正直そんな
ものはない、大体、厳格なアカデミズムが
ないこの国では、、、ただの勲章にしかな
らない。。。。。
しかし彼の中では突き詰める必要があったのである。
その時、彼は博士論文を置いていってくれた。
相当数のページ数のある論文であったが、一気
に読み切った。
漆の持つ”アウラ”=(霊性)や漆という素材
そのもの、材料としてのレポート、そしてそこ
から彼が今後なにを作品としていくのか?その
意義等、かなり論理的に纏められていたのだが、
私の目をくぎつけにしたのは、、、、、
日本は先天的なキャラクター文化圏だという項目だ、
その中でも象徴的に解説していたのは、ピーポ君な
のだが、ピーポ君とは、警察のマスコットだ、、、、

へぇーと普通は聞き流すのだが、
よくよく考えれば彼が解説する通り、公権力側が
自らをキャラクター化するという、冷静に考えれ
ばなんか捻じれた感覚、しかし其処を起点として
考えると、案外我々の周りには他の文化圏とは違
うキャラクター性が溢れている。
京都などは建物へも、何かの概念的な集団性にも
”さん”づけして呼ぶ。
これは尊称としての意味合いもあるが、実際には
何かの人格的なものを付与している。つまりこれ
も広義にはキャラクター的醸成に感じるのである。
武将の兜の前立てなどもその象徴的なもので、
自らの内面を表現している。それ以外にも様々
な仮託がなされている。ムラカミなどとは違う
アプローチだなと感じた。


そうか、そういう所から日本を見つめるという
のもあるか。。。。
あー、、、そうかと感じた。
この部分からKAWAIIも含めてコンセプト化し漆という
素材及び技術との融合を考えているのか・・・と、、、、
画鋲のくまさんに込められた意味と、、、
こちらを射る様に見つめていたのは、、、
佐野君の視線だったのだとこの時気付かされた。
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さのあきら うるし展

【場所】
〒460-8430 名古屋市中区栄三丁目16番1号
松坂屋名古屋店 南館6階美術画廊
【会期】
2013年4月3日(水)-9日(火)
10時~19時30分 最終日は16時閉廊
【アクセス】
電車でお越しの場合
地下鉄名城線矢場町駅 地下通路直結(5・6番出口)
/ 地下鉄栄駅 16番出口より南へ徒歩5分
お車でお越しの場合
名古屋高速 白川出口、東新町出口、東別院からお越しいただくと便利です
http://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/access/