歩き旅 part2
April 12,2009
2日目の朝。
5時頃に起きて、目覚めのコーヒーを一杯頂き、
そのカラオケボックスを後にしました。
歩き旅、2日目のスタートです!
外はまだ真っ暗で、空気はひんやりしていて、少し寒かったけど、
でも、その夜明け前の雰囲気がとても気持ち良かったのを覚えています。
また西に向かって歩き続けました。
空が明るくなり始めた頃には、お腹もかなり空いてきていたので、
道沿いにあった吉野家で牛丼を食べることに。
そう、朝から牛丼です!!
でも、これがすごくおいしい!
きっと普通でも、吉野家で牛丼はすごくおいしいんだろうけど、
歩き疲れた体と、空腹の胃袋に牛丼がしみわたるようでした。
そして、エネルギー満タンになった私は、また歩き始めました。
とにかく西へ、西へ!
ちょっと道を間違えたりしつつも、ひたすら、西へ西へ!
少し気分に余裕も出てきたせいか
(もしかしたら、バックパックを前につけた方が軽く感じるかもしれない!)
などと変なことを思いつき、バックパックを前に回して、歩いてみました。
そうやって、バックパックを前につけ、わけのわからない変人状態でただひたすら歩いている私を、
途中ですれ違った女性の方が、微笑ましそうな表情で見ていました。
その表情を見て、私もちょっと嬉しくなりました。
その女性にとっては、こんな私も、
平和な日常の微笑ましい一場面になれていたりしたのかなぁ、
と思うと、なんだか嬉しい気持ちでした。
その後も、一日中、とにかく歩けるだけ歩いて、
日が暮れた頃に、なんとか姫路駅までたどり着くことができました!
姫路駅を見た時は、うれしくてたまりませんでした。
しかし、すでにかなりの疲労がたまっていたため、
この日は、お風呂に入って、ちゃんとベッドで寝たいと思い、ビジネスホテルに泊まることにしました。
なかなか手頃なホテルが見つからず、歩き回り、やっと泊まれそうなホテルが見つかった時には、
もうクタクタになっていました。
そこは、少し薄暗くて、不思議な雰囲気のするホテルでした。
そして、渡されたキーを見ると、部屋は最上階の1番端。
エレベーターで最上階に上がり、廊下を見ると、
端に行くほど薄暗くなっていて、ちょっと恐かったのですが、
そんな恐怖心よりも、歩き疲れた体の疲労の度合いの方が完全に勝っており、
私は、とにかく部屋へ行きました。
そして、その部屋に入った瞬間、
やっと休める場所を見つけた安心からか、溜まっていた疲労がどっと出たのか、
理由はわからないけれど、
とにかく自分でもびっくりするほどの涙が溢れ出てきて、自分の意思とは無関係に声まで出てきて、
大声でワーワー泣いてしまったのです。
本人をも驚かすほどのその号泣は、本人も驚くほどあっさりと、一瞬でおさまり、
私は、とりあえずお風呂に入って、お湯につかり、足の疲れをとることにしました。
実は、このホテルにたどり着くまでに、私の足はかなり痛み出し、
片足を、少し引きずって歩くようになっていたのです。
ちょっと不安はありつつも、
(お湯で温めてマッサージもして、一晩寝たら、きっと明日の朝には、足も回復しているだろう。)
と、この時は楽観的に考えていました。
そして、その夜はベッドの上でぐっすりと眠りました。
- 続 -
歩き旅 part1
April 10,2009
生活をしていると、時々、日常を休憩したいなぁ、と思うことがあります。
日常を休憩する方法は、
映画鑑賞、読書、芸術鑑賞、音楽、スポーツなどなど色々あると思うんですが、
私にとって、最大の休憩手段は"一人旅"です。
一人旅では、日常出会う人や、場所から離れて、
少しの間、別の空間を体験することができます。
というわけで、
そんな私がこれまでに行った一人旅について、ちょっと振り返ってみたいと思います。
私が生まれて初めて思いついた一人旅は、これでした。
「大阪から下関への歩き旅!」
大学3回生の時でした。
確か、11月頃だったと思います。
テストの関係で、大学が10日ほど休みになることがあり、
この期間に旅をすることを決意しました。
その頃、まったく運動をしていなかった私は、
旅に出るまでの3週間、
当時、下宿生活をしていた家の近くを流れる鴨川の土手を
毎朝、30分ほどランニングしました。
これで、体力作りはバッチリ!(と思い込んでいました…。)
そして、国道などが載っている大まかな地図を購入しておこうと本屋に行ったのですが、
関西は簡単に通り過ぎてしまうだろうと軽く考えていた私は、
中国地方のツーリングマップのみを買い、
そのまま、出発の日を向かえました。(浅はかでした…。)
出発地点は「JR大阪駅」
そこから、ひたすら西に向かって歩く、歩く、歩く…。とにかく歩き続けました。
お昼頃、道沿いの公園で、家で作ってきたおにぎりを食べて、また歩く、歩く…。
途中で、海が見えたりして、
(なんだか気持ちいいなぁ。)
などと思いながら、旅を満喫していました。
けれど、しばらく歩き続けていくと、建物がなくなり、人気もなくなり、
車だけがひたすら横を通りすぎという状況。
しかも、だんだんと日も落ちてきて、少しずつ不安になってきました。
(どうしよう、このまま何もないところで、真っ暗になってしまったら…。
そうなったら、とりあえず、建物のあるところまで猛ダッシュしよう。
でも、そんな体力残ってるかな?)
けれど、完全に日が落ちかけた時、前方に少しずつ明かりが見えてきました。
(助かったぁ!)
その明かりは、どこかの駅の駅前の建物の明かりだったようで、
私は、その駅の近くにあったマクドナルドで夕食を食べました。
そのマクドナルドの店内からは、
なんと、ライトアップされた大きな橋が見えていました!
(もしかして、これがあの明石海峡大橋かな!?)
そして、その夜、どこに泊まるか迷ったのですが、
残りの旅に備えて、資金を節約しておこうと、
駅前のカラオケボックスで夜中のフリータイムを利用して、泊まることに決めました。
フリータイムが始まるのは夜11時からだったので、
人通りの多い駅前のベンチに座って、しばらく時間をつぶすことにしました。
すると、突然、40才くらいの女性の方に声をかけられました。
「何か悩みごとはありませんか?」
何かの勧誘のような方に見えたのですが、私は正直に
「そうですね…。色々ありますが、なんとか頑張ってます。」
すると女性は、私の格好(ジャージにバックパック)を不思議そうにチラチラ見ながら、
「今は、誰かを待っておられるんですか?」
そこで、私は、またまた正直に、
大阪から歩いてきて、今、カラオケボックスのフリータイム待ちであること、
そして、目的地は下関であることを説明。
すると、その女性は、
「へ、へぇ~、す、すごいですね~。頑張ってくださいね~。」
と言って、ちょっと後ずさり気味に去って行かれました。
(あ、あれ、行っちゃうの??)
何かに誘われるのかと思ってたので、少し拍子抜けしてしまいましたが、
もしかして、ちょっと気持ち悪い人だと思われたのかな!?
私は、ちょっとホッとしたようなちょっと淋しいような複雑な気分で、
その人が去っていく後ろ姿を眺めていました。
まぁ、それは、さておき、
夜も更け、やっと11時になり、私はカラオケボックスに。
こんな身なりで、夜中に一人でカラオケに来たら驚かれるかなぁ、と思っていましたが、
受付の方は、全く驚く様子もなく、
「お一人様ですね。フリータイムのご利用でよろしいですか?」
と、普通に対応してくれました。
(もしかしたら、ここには、私みたいな人が、意外としょっちゅう来るのかな?
意外と世の中には旅好きが多くて、
しかも、カラオケボックスを利用している人が結構いるということ??
やっぱり、みんな考えることは似てるのかなぁ…。)
などと余計な穿鑿をしながら、自分の部屋に行き、
とりあえずカルピスを一杯だけ飲んで、そのまま寝ることにしました。
椅子が固かった上に、他の部屋の人の歌声が気になって、夜中に何度か目が覚めましたが、
なんとか、体を休めることはできました。
- 続 -