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今夜の光景
私が見た光景。

深夜、無人の街を散策する。
私達の不安を招く夜の闇は人工の光によって覆われ、目の前には、ありふれた都市の形が浮かび上がる。
文明は殊更、多くの光を夜に配置する。それはまるで、侵略した地に掲げる旗のようでもある。

アスファルトに籠った熱気も失せ、都市には冷ややかな空気が停滞する。
私はこの国の経済、技術、人口が急激な膨張を終えた後に生まれた。
丑三つ時の闇に潜む魔物へと目を凝らすように、午前二時に溢れる光の、その奥へと思いをやる。文明は地球規模に広がり、些細な街の片隅とも世界中のあらゆる場所が毛細血管のように繋がっている。底知れなく深い闇を覗いた時と同じように、その果ての無さに目が眩む。
物に溢れたこの時代に、新たに物を生み出すということ。
その意義と責任に答える為には、それを自らへ問い続けなければならない。
夜を覆う全ての光を点描として描き起こす。

これはあなたの、今夜の光景。





2016/03/18 2:02
60.6×45.5cm(P12号) 麻紙、岩絵具、顔料




2017/06/09 2:18
33.3×33.3cm(S4号) 綿布、岩絵具、顔料



第二回 八木佑介日本画展
「今夜の光景」

2017年7月19日(水)~25日(火)
10時~20時(最終日は17時閉場)
あべのハルカス近鉄本店 タワー館11階アートギャラリー

http://abenoharukas.d-kintetsu.co.jp

どうぞご高覧ください。



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