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Kyoto Art for Tomorrow 2023 ―京都府新鋭選抜展―
展示作業が終わりました。

1月21日㈯から京都文化博物館にて開催いただく展覧会へ出品致します。
洛西ニュータウンについての絵巻物を制作致しました。
ぜひご高覧ください。

Kyoto Art for Tomorrow 2023
―京都府新鋭選抜展―

2023年1月21日(土)~2月5日(日)
月曜日 休館

10:00~18:00(金曜日は19:30まで)※入場はそれぞれ30分前まで

京都文化博物館 4階展示室
https://www.bunpaku.or.jp/exhi_special_post/kaft2023/

2月4日㈯のギャラリートークに参加します。



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絵巻物


はじめて絵巻物を制作しました。
手元でスクロールしながら鑑賞する絵巻物という絵画形式は、より身近に風景を体感できるように思います。

今回は全面を開いた状態で、来週6月2日(木)より個展「洛西ニュータウン」に展示予定です。



「憶燈舟」 
サイズ281×23.5cm(絵部分229.5×23.5cm)
墨、アルミ泥、岩絵具、顔料

洛西ニュータウンを題材にしたこの絵巻は、伊藤若冲の絵巻「乗興舟」に着想を得て制作しました。「乗興舟」は若冲が淀川の川下りを行った際に見た風景を時系列に沿って描いた絵巻物です。

今回の絵巻では洛西ニュータウンを深夜に散策・取材し、ニュータウン内のいくつかの地区を開発工事完了順に描いています。それまで未開発の山麓地域だった土地に街が誕生し、明かりが燈っていく経過を、現在の風景を用いて、追体験できるよう描きました。

京都市による公的な都市計画として始まった洛西ニュータウンですが、1975年に入居が開始、その30年後には地域の高齢化に伴い、人口減少が始まります。
同じ京都市民にとっても普段、馴染みの少ない洛西ニュータウンが、このまま人々の記憶からも薄れていくのではないか、ということに対してこの街を絵にしたいと思い制作しました。




個展「洛西ニュータウン」
2022/06/02(木)~12(日)
12:00~18:00
※最終日午後4時閉廊

BAMI gallery
京都市下京区二人司町21

どうぞご高覧ください。



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洛西ニュータウン
私が初めて洛西ニュータウンに訪れたのは2年前、同じ西京区に引っ越してきた頃だった。この地では古くから筍農家が営われており、自宅から西に向かうと巨大な竹林がある。その竹林の中、延々と坂道を登っていくと、徐々に視界が開け、洛西ニュータウンの高層住宅群が広がる。「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」の現代版ともいった風景の転換に、その時は妙に高揚した。

1975年、洛西ニュータウンの入居が始まった。1950年代後半から京都市内でも人口増や工業化による乱開発が問題となっていた。そこでタケノコの農業地域として未開発のままだった京都市南西部において、民間に先んじて公的なニュータウン計画が行われた。市街地から遠い山沿いに立地した洛西ニュータウンであったが入居開始から5年で全戸数の60%が入居、最盛期には3万5000人だったものの、現在は若年層の流出に伴い22899人に減少する。当初は京都市営地下鉄東西線が延伸される計画であったが、財政難を理由に頓挫しており、1980年にこの地に移設された京都市立芸術大学は京都駅東部、崇仁地区の再開発事業により2023年、移転する。
現在、京都市において洛西ニュータウンが話題として触れられることはかなり少ない。かつての拡大指向からコンパクトシティと言われるよう都市像は転換していく。突如、山麓部の田園地帯に公共事業として誕生したこの街は激動の変遷を持つ。だが街を歩くと、それとは裏腹に、ごくごく一般的で普遍的な暮らしの風景が広がっている。そのようなこの街を私は記憶し、絵にしたい。

6月2日(木)より個展「洛西ニュータウン」を開催致します。ぜひご高覧ください。

個展「洛西ニュータウン」
2022/06/02(木)~12(日)
12:00~18:00
※最終日午後4時閉廊

BAMI gallery

アクセス
http://combine-art.com/html/gallery/ga_access.php




「New Town」
岩絵具、土絵具、アクリル、墨、顔料
131.5×161.7cm 二曲一隻屏風

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「進路」
4月12日(月)よりBAMI galleryにて個展を開催いただきます。VOCA展 2021の出品作を中心に新作4点を展示予定です。ぜひ、ご高覧下さい。

30才になっていたので、あらためて自分について、展覧会のステイトメントとして書きました。


八木佑介 「進路」

2021/04/12(月)~04/25(日)
休廊日 4月17日(土)、18日(日)、24日(土)

12:00~18:00
※最終日午後4時閉廊

BAMI gallery
京都府京都市下京区二人司町21
http://combine-art.com/html/gallery/ga_access.php

ステイトメント
地中に隠されていく電線。我々は何故電線を見たくないのか。
かつて電線のある風景は近代文明の象徴であった。文明の根底には私達の生存への欲求がある。生産消費活動の場としての都市に溢れる様々な製品はデザインされパッケージされる。その内面には我々の強烈な生存本能があるのだがそれを覆い隠すよう洗練された包装紙で包まれている。
電力化と通信の発展によって都市の中では電線の密度が上がり、その姿はまるで毛細血管や絡み合う蔦のような形へと近似していく。それが人の本来の姿であるかのように自然界の形態へと還っていく。
電線というものはパッケージが施されず外部に露出してしまっている都市の内部構造であり、その密に絡み合う姿にはそのまま生き物としての欲望が現れている。
我々は何故電線を地中に隠そうとするのか。私達は私達を見たくないのだ。

私が好きな立川談志は文化や文明という言葉をよく使っていた。
昨日より今日と科学は進む。より生きやすい社会へ向かっているようである。だが人は間違える。情や孝行や恩義を重んじ、迷い、悩み、欲望を押さえきれず過ちを犯す。人間性は文明から排されていく。人は一方では合理性を理想とし、一方では個々に感情や欲望を持つ。そのような合理性の外にある複雑で混沌とした人間的な思考が文化なのだろう。人が生んだ文明と文化。文明が巨大な力で世界を変えるならば、対して文化が思うこと。
絵描きという社会のはみ出し者ができること(はみ出し者だからこそ見えるものがあるのではないか)について。それは、人間という不条理で複雑で小さく、臆病で欲深い存在を認め、表すことではないか。気付けば30才になっていたが、何が正解かは分からない。ずっと分からないまま絵を描いて考えることが道なのだろうというような気はしている。




「共喰い」
2020年制作
アクリル、土絵具、岩絵具、顔料、キャンバス
312.5×250.0(cm)



「2:38」
2021年制作
アクリル、岩絵具、キャンバス
37.8×45.5(cm)


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VOCA展 2021
12日(金)より上野の森美術館で開催中の「VOCA展 2021」に作品を1点、出品しております。

VOCA展は今年で28回目の推薦制による40才までの若手平面作家の展覧会で、今回は30名の作品が展示されます。

高松市美術館の学芸員、牧野裕二さんにご推薦をいただき、電線の絵を描きました。
30日(火)までです。
ぜひご高覧下さい。


VOCA展2021 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─

https://www.ueno-mori.org/exhibitions/voca/2021/

上野の森美術館
2021年3月12日(金) 〜 30日(火)
会期中無休
10:00 〜 17:00(最終入場閉館30分前まで)
一般800円/大学生500円/高校生以下無料




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