Apollo Forgotten 1
2008
忘れられたアポロ計画 1
H130.3 x W162.1 cm
100 F
acrylic on canvas
(c) 2009 COMBINE

『忘れられたアポロ』はシンプルな場面を表している。知性を持ったネコ科生物が、輸送機とおぼしきネコ型マシンのようなものを巧みに制作している。どうやら、彼らは月面にいるようだ。共同作業で、クレーンのようなものを操作しながらドーム状パーツを降ろそうとしている。僕はこの状況と時代設定について何も知らない。だから、これが何を象徴するのかは想像することしかできない。もしかすると、カーゴ・カルトのひとつ、イースター島の巨頭のように、巨大な頭部を建造することによって何らかの大災害から逃れようとしているのかもしれない。深読みすればキリがないけれど、僕が思うに、人間と同じように、ネコ達も単純に自らの形になぞらえてネコ形マシンを作っているのではないだろうか。

この絵の中に現れた状況と時代においては、20世紀アメリカの最も誇る偉業であるアポロ計画などは人知れず土埃に埋もれたように、もう誰からも見向きもされないのかもしれない。