The Cargo Cult
2008
カーゴ・カルト
H130.3 x W162.1 cm
100 F
acrylic on canvas
(c) 2009 COMBINE

『カーゴ・カルト』を大きく定義するなら、それは未知なるテクノロジーを崇拝することで富や幸運がもたらされる、という考えに基づく迷信的信仰だ。ここに描かれているのは、今から数千年後の未来のカーゴ・カルト。発展にともなう完全オーバーロードなんて、もう日常茶飯事というご時世だ。急激に加速する技術革新のめくるめくアークをくぐり抜けると、そこには過去と絶縁された、これまで誰も目にしたことのない新世界が広がっている。

僕はそれを現在の僕達でもひと目で識別できるようなアーキタイプをシンボリックに使って構成した。これらは全てシンボルに過ぎず、その真意は今の僕達には理解不可能であるということを忘れないで欲しい。例えば、二千年前の人間が現在の宇宙探査機を見たとしても、正しく定義することなどできないだろう。そこで、彼らは炎と金属の塊、あるいは神といった自分達の知っている言葉に置き換えて説明しようとするだろう---ここで作品に表現しようとしたことは、それと同じことだ。ただ、僕の考える僕達の未来を覗く旅へと君たちを案内したいだけなのだ。
※カーゴ・カルト:主としてメラネシア(ニュージーランドを含むポリネシア、ニューギニアを含むメラネシア、そしてミクロネシア全体を指す地域)などに存在する招神信仰。いつの日か、先祖の霊・または神が、天国から船や飛行機に文明の利器を搭載して自分達の元に現れる、という現世利益的な信仰である。
※オーバーロード:過負荷
※アーキタイプ:元型。分析心理学(ユング心理学)における概念。「始め・原初・原理・根源」などの意味を持つ