April 14,2016
いよいよ個展が近付いてきました。
3月は今までで1番密度の濃い制作の日々を過ごし、その制作ペースに体もようやく慣れてきました。
新作が続々と仕上がってきましたので今回はその内の1つの作品の紹介と制作についての話をさせて頂きたいと思います。
思いのままの文章のため長く読みづらい所もありますが良ければ最後まで読んで貰えればと思います。

「Engine Factory」F12
この作品はフォードGPWいわゆるジープのエンジンルーム内に、エンジンをモチーフにした架空の工場群を描いています。
しばらく展覧会のフライヤーに載っているような海や空など自然の多い爽やかな画面を続けて描いてきたので、今回は少し雰囲気の違う作品をと思い制作を始め、今までの作品以上に構図やモチーフの配置、光と影のバランスなど色々な事の強弱を意識して制作を進めました。
最近は洗練された車のボディの中に沢山の機械が詰め込まれたエンジンルームの魅力に惹かれ、車のエンジンルームを舞台にした作品を多く制作しています。
エンジンルームに惹かれるきっかけになったのは去年の夏、先輩の展示を見るために広島県まで行った時にたまたま寄った自動車博物館でした。
たまたまと言っても元からエンジンをモチーフに何か出来ないかとぼんやり考えていた時に発見した自動車博物館を見て取材にもってこいだという事で立寄りました。
その博物館では日本の昭和の大衆車や欧米のレトロカーなど数多くの車が体育館の様な場所に所せましと並べられており、壊さない限りどれだけ車をいじっても構わない写真もいくら撮っても構わないという素晴らしい博物館でした。


そうゆうことならと片っ端から全ての車のボンネットを開けエンジンルームの中身を見ていきました。
実際に手で触れ自分の目で見る事によって一気にその魅力に惹き込まれました。

自分ではこの時の経験より車をモチーフにする作品が増えましたが、それまでにも作品の中に多く車が登場してきました。
連続して作品を制作していると改めて作品は自分の奥底の経験や記憶から出来がっているんだと気付かされます。
小さい頃僕は常にミニカーに囲まれて遊ぶ子供でした。
本や積み木を街に見たてて走らせたり、車が紹介されるだけのビデオを飽きることなく何度も繰り返し見ていました。
父親が車好きだという事もあり実家にはミニチュアのコレクションカーが並んだりと思い返せばずっと近くに車の存在がありました。
現在制作している、誰でも見たことのある物の中に小さな世界を描きこむ作品のシリーズはこうした子供の頃のおもちゃを使ってどんな場所も道路や街に見たて遊んだ経験が大きく影響しています。
そして自分はこれまでの作品でエンジンルームを含め洗面台やシンク、散水栓、灰皿、メーターボックスなど中に物を入れ込める形状のモチーフが舞台の作品を多く制作してきました。
限られたスペースに沢山の物が入り混んでる様子に強く惹かれるのですが、その理由もこれまでの経験に基づいてるのだと気付かされます。
前回の個展に引き続き今回の個展でも「ヒミツ基地」という言葉を使っていますが、
小さい頃に作ったヒミツ基地は狭くて閉じられた空間が多く、それは本来基地とは呼べないどんな場所でも「ヒミツ基地」という言葉で説明出来てしまう感覚がありました。
押入れの中や2段ベッドの下、頭から被った布団の中ですらその限られたスペースに自分だけの物を沢山持ち込めば「ヒミツ基地」として認識できてしまう何かがありました。
そういった経験から作品の舞台となるモチーフを選ぶ時も物の入れ込める「ヒミツ基地」を作れる場所を自然と多く選んでいるのではないかと思います。
作品を描けば描くほど自分というものがはっきりと現れてきます。
自分の中の忘れていた面、知らなかった面が現れてきます。
1から自分で作品を作っておきながら全てを理解出来てない。
自分を探しながらの制作の日々。
そういった理由からも今回の個展タイトルはヒミツ基地【 探サク中】と現在進行形のタイトルとなっています。
もがきながら進み、描き上げた作品達を是非見に来て貰えればと思います。
「ヒミツ基地探サク中」
2016.05.05 (thu) - 2016.05.11 (wed)
at 福屋八丁堀本店 7階ギャラリー101
http://www.fukuya-dept.co.jp/honten/access/
会期中全日在廊予定
〒730-8548 広島市中区胡町6-26
TEL 082-246-6111(代)
営業時間
10:00〜19:30(金・土20:00)

3月は今までで1番密度の濃い制作の日々を過ごし、その制作ペースに体もようやく慣れてきました。
新作が続々と仕上がってきましたので今回はその内の1つの作品の紹介と制作についての話をさせて頂きたいと思います。
思いのままの文章のため長く読みづらい所もありますが良ければ最後まで読んで貰えればと思います。

「Engine Factory」F12
この作品はフォードGPWいわゆるジープのエンジンルーム内に、エンジンをモチーフにした架空の工場群を描いています。
しばらく展覧会のフライヤーに載っているような海や空など自然の多い爽やかな画面を続けて描いてきたので、今回は少し雰囲気の違う作品をと思い制作を始め、今までの作品以上に構図やモチーフの配置、光と影のバランスなど色々な事の強弱を意識して制作を進めました。
最近は洗練された車のボディの中に沢山の機械が詰め込まれたエンジンルームの魅力に惹かれ、車のエンジンルームを舞台にした作品を多く制作しています。
エンジンルームに惹かれるきっかけになったのは去年の夏、先輩の展示を見るために広島県まで行った時にたまたま寄った自動車博物館でした。
たまたまと言っても元からエンジンをモチーフに何か出来ないかとぼんやり考えていた時に発見した自動車博物館を見て取材にもってこいだという事で立寄りました。
その博物館では日本の昭和の大衆車や欧米のレトロカーなど数多くの車が体育館の様な場所に所せましと並べられており、壊さない限りどれだけ車をいじっても構わない写真もいくら撮っても構わないという素晴らしい博物館でした。


そうゆうことならと片っ端から全ての車のボンネットを開けエンジンルームの中身を見ていきました。
実際に手で触れ自分の目で見る事によって一気にその魅力に惹き込まれました。

自分ではこの時の経験より車をモチーフにする作品が増えましたが、それまでにも作品の中に多く車が登場してきました。
連続して作品を制作していると改めて作品は自分の奥底の経験や記憶から出来がっているんだと気付かされます。
小さい頃僕は常にミニカーに囲まれて遊ぶ子供でした。
本や積み木を街に見たてて走らせたり、車が紹介されるだけのビデオを飽きることなく何度も繰り返し見ていました。
父親が車好きだという事もあり実家にはミニチュアのコレクションカーが並んだりと思い返せばずっと近くに車の存在がありました。
現在制作している、誰でも見たことのある物の中に小さな世界を描きこむ作品のシリーズはこうした子供の頃のおもちゃを使ってどんな場所も道路や街に見たて遊んだ経験が大きく影響しています。
そして自分はこれまでの作品でエンジンルームを含め洗面台やシンク、散水栓、灰皿、メーターボックスなど中に物を入れ込める形状のモチーフが舞台の作品を多く制作してきました。
限られたスペースに沢山の物が入り混んでる様子に強く惹かれるのですが、その理由もこれまでの経験に基づいてるのだと気付かされます。
前回の個展に引き続き今回の個展でも「ヒミツ基地」という言葉を使っていますが、
小さい頃に作ったヒミツ基地は狭くて閉じられた空間が多く、それは本来基地とは呼べないどんな場所でも「ヒミツ基地」という言葉で説明出来てしまう感覚がありました。
押入れの中や2段ベッドの下、頭から被った布団の中ですらその限られたスペースに自分だけの物を沢山持ち込めば「ヒミツ基地」として認識できてしまう何かがありました。
そういった経験から作品の舞台となるモチーフを選ぶ時も物の入れ込める「ヒミツ基地」を作れる場所を自然と多く選んでいるのではないかと思います。
作品を描けば描くほど自分というものがはっきりと現れてきます。
自分の中の忘れていた面、知らなかった面が現れてきます。
1から自分で作品を作っておきながら全てを理解出来てない。
自分を探しながらの制作の日々。
そういった理由からも今回の個展タイトルはヒミツ基地【 探サク中】と現在進行形のタイトルとなっています。
もがきながら進み、描き上げた作品達を是非見に来て貰えればと思います。
「ヒミツ基地探サク中」
2016.05.05 (thu) - 2016.05.11 (wed)
at 福屋八丁堀本店 7階ギャラリー101
http://www.fukuya-dept.co.jp/honten/access/
会期中全日在廊予定
〒730-8548 広島市中区胡町6-26
TEL 082-246-6111(代)
営業時間
10:00〜19:30(金・土20:00)
