RECENT POSTS
時と時を縫い合わせるモノ
鬱陶しい雨続き


梅雨だから仕方がないのだが
何が嫌かと言えば、、、、、


服が濡れること、これが一番
嫌いである。。


という今日も大雨。


京阪電車を降りて地下から地上へ
毎日見ている風景で変わることは
ないのだが、今日は少し違った。。



鴨川が”怒ってる”かのように、
恐ろしい勢いで濁流が・・・・







雨の日の鴨川は何度か見ているが
今日の鴨川のような雰囲気はあまり
見たことがない。





ご存知の方も多いと思いますが、鴨川
は両脇に石垣のようなものがあり普段
はその石垣の真ん中を静かに流れてい
て情緒あふれる風情が楽しめるのです
が、今日の鴨川はその石垣まで水が
増水し尚且つものすごい勢いで流れて
おり少し恐ろしさを感じさせていました。





私は誰に見せることもなく結構、仕事の
行き帰りに携帯のカメラで鴨川を撮って
いるのですが、今日は思わず傘で濡れ
ないよう保護しながら必死にシャッターを
切った・・・・





昔、そう明治より前、鴨川は”暴れ川”
だったと聞いたことがある。





時の為政者が護岸や川の流れなどを
改修してきたらしいのだが、それにもまして
の暴れぶり、、だったと聞き及ぶ。





確かに、鴨川から100m強ほど西側の
通りが現在”河原町”という呼び名になっ
いるが、おそらくその辺りまでが往時は
河原だったのかなぁ?などと想像する・・





今日のあの川の流れだったら当時は本当に
大変だったろうなぁ~と思いを馳せた。。





私は基本的に京都で仕事をし、京都で生活
をしているのだが、特別この街に対しての感賞
は持っていない。


しかし、鴨川だけは何故か特別な思い入れ
というのか好きなのである・・・


それには大きく二つの理由がある。


一つは街区を流れる川でこれほど四季の風情
に富んだものは他にはないという事が一点、









もう一点は、色々な史跡が京都にはあるが、
特別誰々がという固定的な強烈な縁がないにし
ても、間違いなく1000年前もこの場所を流れて
いたという歴史との交信がとり易い場所である
という事。








付け加えていうならば、ある意味川の流れが古
からの時間の流れを映し出しているようなそん
な感覚に浸れる場所だと言うことである。







今日の大雨、濁流というような風景は、意外と
歴史の彼方、、古の人たちの苦労を想像させ
かなりクリアーな交信ができる瞬間なのであった。







歴史、時の流れで言えばもう一つ付け加える
要素がある。


それはこの川の河原が昔”刑場”であり、
晒し首の場所であったという事である。


それも普通の罪人の刑場という事ではなく
歴史の戦いのなかで敗れ去ったもの達の
此岸であり、彼岸への門戸であったという
事である。この事も少なからず歴史との
交信上、この河原が媒体となる要素なので
あった。。





※これらの写真は鴨川河原ではありませんが、
幕末の資料写真です・・



様々な歴史が京都は重層的に積み重なって
日本中の方々がこの街に対し色んな浪漫を
感じてお越し下さる。



我々のギャラリーもこの街にあり、日々少しづつ
ではあるが時を重ねている・・・・





日々、鴨川の流れを見ていて感じるのは、、、



この街に流れ


時と時を縫い合わせる糸のように、



止まることのないその姿に



我々は何を縫い合わせて行こうとしているのか?







と改めて考えさせられるのであった・・・・

▲TOP