RECENT POSTS
明日(3/19)からの予定
このブログでもお伝えいたしましたが

いよいよ当月末日を持って


高松天満屋が閉店となります。




開設準備室が出来てまもなくから
出入りしていた私としては、、


13年間近くお世話になったのですが、、、





とりわけ開店から約2年半後に増設され運営させて
もらったアートギャラリーが無くなるというのは
断腸の思いです・・・・


多くの若者の実験的な作品を挑戦的に展開してきた
アートギャラリー、、、、COMBINE/BAMI galleryと
常に企画連携をとって来ました。


現在のCOMBINEの作家は全て世話になった場所であり
数多くのお客様にご意見を頂戴した場所です・・・・

そんな思いの深い店も31日に閉店となります・・・

私は明日(3/19)より閉店の日まで応援に行く予定と
しております。





この店に対しては本当に感謝の気持ちで一杯です。
色々なことを教えてもらいました。そして今の私の
仕事の根幹を成すものがここで生まれたと言っても
過言ではありません。


色々ありましたが、今は感謝の気持ちで一杯です。


長年この場所を守り続けてきた青野女史と共に
最後の感謝を込めて接客したいと思っております。






**************




高松天満屋の閉店後

残務処理をした後ですが、、、、


4月24日(木)からは以下展覧会を企画しております


◆PowanPowan Fleur◆
   ポワンポワン フルール
  公庄直樹 佐野曉 二人展

2014年4月24日(木)~4月30日(水)
午前10時~午後8時 ※最終日は午後5時で
閉場させていただきます。

あべのハルカス近鉄本店
タワー館11階 アートギャラリー



3月7日にグランドオープンしたあべのハルカス

その余勢を駆って??


若武者二人が出撃します!





かわいい動物を木で彫る公庄直樹と、
漆を使ってへんてこキャラクターを
生み出す佐野曉の二人展。

木と漆が織りなす不思議で可愛い
いきものたちが花咲きます。

色とりどりのポワンポワンな世界にぜひ
お越しくださいませ。


***************

そして

公庄直樹 佐野曉 二人展終了一週間後

釜くんの

第二回目となる松坂屋名古屋店での個展
を開催いたします。


アニマルボックス
第2回 釡 匠 洋画展

会場/松坂屋名古屋店南館 6階 美術画廊
会期/2014年5月7日(水)~13日(火)

10時~19時30分 最終日は午後16時に閉廊





【ステートメント】


絵画という四角い“箱”の中に描かれた動物達。

彼等は姿形を様々に変化させながら私達の生活
の中に潜んでいます。

じっと目を凝らして見ればそんな彼等に気付く
かもしれません。

どうか少し足を止めて“箱”の中で繰り広げら
れるオカシな世界を覗き込んでみて下さい。



************


松坂屋・名古屋店
電話(052 )251-1111
〒460-8430 名古屋市中区栄3-16-1
www.matsuzakaya.co.jp


▲TOP
アイ・ウェイウェイとひまわりの種 Sunflower seeds and Ai Weiwei 
ネットのニュースを見ていてオッ!というものが
飛び込んできた・・・



【艾未未(アイウェイウェイ)展で1億円のつぼを
故意に割る、芸術家を逮捕】



ロイターの動画を見たのだが

面白いなぁと率直に感じた。


”天才の一面は明らかに醜聞を起し得る才能である。”
(芥川龍之介)


アイウェイウェイ自らが起こした訳ではないが、、
しかし、自らの知らない所で、こういう事により
存在が際立つのも才能の一つだなとつくづく感じ
る。


また、今回の事件、壷を割ると言う行為が、少なから
ず彼が作品に込めた意味とリンクし、それが別の意味
を生み出しているところも又面白い。


私はアイウェイウェイが好きだ。


このブログでも以前少し紹介しましたが、昨年、台湾に
友人を訪ねたおり、彼の代表作である”ひまわりの種”
を貰った。


凄く嬉しかったのであるが、


その後、親しい人に何個か分けた。


ギャラリーに尋ねてくる若い人たちも
凄く興味を持ってくれている。


やはり大きな魅力があるんだ!と素直に感じた。


そんなおり、、、


ある方からアイウェイウェイを知りたいと言われ
レポートを書くことになったのですが、併せて
私自身も断片的な印象しか持っていなかったので
この際、自分なりに纏めてみようと思いました。




以下はそのレポートになります。




■アイ・ウェイウェイとひまわりの種
 Sunflower seeds and Ai Weiwei





どのような作家を説明する場合も経歴というのは
大変重要なのですが、特にアイ・ウェイウェイを
理解する場合においては、経歴そのものが“作品”
的要素を深く孕んでいます、先ずは私なりの
彼の経歴における作品及び活動の流れを記したい
と思います。



著名な詩人艾青(がいせい、アイ・チン、Ai Qing)
を父に同じく詩人である高瑛(こうえい、カオ・イン、
Gao Ying)を母に1957年5月18日 北京に生まれている。



所謂芸術家一家に生まれた彼ですが、1957年時代の
中国には芸術に限らず二つのタイプが存在したと私
は考えます。一つは体制恭順的もう一つは反体制的。
ただしこの反体制とは、自らの意思というのはごく
僅かであり、文化大革命による恣意的なレッテルだ
と考えます。



アイ・ウェイウェイの父は本人がそう自覚してなのか、
もしくは色々な経緯の末烙印を押されたのかは分かり
ませんが反体制派として文化大革命で非難され、一家
で新疆ウイグル自治区の労働改造所(労改、強制収容所)
に送られ幼い艾未未も5年間を労働改造所で暮らして
います。


私は以降説明させていただこうとする彼の活動内容
(反体制的)の約90%以上が実は、この事実から
全て派生していると考えています。



つまりこの時の記憶と現在の中国の状況、ひいては普遍的
な人間と国家という関係性を彼は生涯考え続ける“十字架”
を背負ったような気がするのです。


あるインタビュー記事を読んでいても、それは如実に
感じることが出来ます。



*****************


父アイ・チンはランボーやボードレールといった詩人の影響
を受け、中国に帰国した後は最高の現代詩人と称されるよう
になったが、モダニストとして共産党からの矛先が向くこと
になる。文化大革命の時代、アイ・チンは反革命主義、反人
民の烙印を押され、人口200人の僻地に送られ公衆便所の
掃除夫となる。


Q:あなた(アイウェイウェイ)は世界的に有名なアーティ
  ストで、とても成功しているにもかかわらず、いつ
  投獄されてもおかしくないリスクを冒している。投獄さ
  れることを恐れていますか?


アイ・ウェイウェイ:

もちろん投獄は恐れているが、私の父は詩人だった。
詩人としては尊敬していないが、20代で6年も投獄され、
その後20年も追放されて、最悪な状況の下、公衆便所の
掃除をさせられていたが、彼は生き延びた。

そこは尊敬している。私の父が監獄や劣悪な扱いに耐
えられたのは、人間として、詩人としてのとても強い信念
があったからだ。私はそう自分に言い聞かせている。

だが、実際に監獄でなにが行われているのかは誰も知らない。


*******************



彼の様々な芸術家としての思想及び行動規範とは、私はこの
父の姿が何よりも大きいのではないかと考えています。


彼の青年期の経歴を見ると、彼が20代30代を過ごした時期は、
中国でも前衛芸術の萌芽が生まれています。文化大革命後と
その後における鄧小平が進める改革開放の機運が僅かながら
広がり、芸術家を中心に先端志向が花開こうとしていた時期
になるかと思います。


その中でも先鋭的なグループ、星星画会に彼も結成に加わり、
芸術家としての経歴をスタートさせます。


しかし、あまりにも過激な表現の星星画会は中国当局の圧力
を受けて1983年までには活動を停止させられ、主なメンバー
は国外へ散っていきました。


こののちアイウェイウェイはアメリカに渡り、彼のキャリア
の中核をなす芸術的仕事の基礎を養うのですが、これは現代
美術家・キュレーター・建築家・文化評論家・社会評論家と
いう彼の現在の一般的な肩書きでの事です。


この辺りまでは現在のような社会性を濃く滲ませたタイプで
はない現代美術作家であったと思います。


その後帰国し、若い作家を中心としたグループを結成し活動
を中国国内に戻します。この状況は欧米にて活動したある種
の著名な作家を頼りに若い作家たちがというありふれた風景
だと私は考えます。彼の年齢としては35.6歳、、、こののち
約7年ほどはこういった風景の中に存在しますが、、、



彼を一躍有名に、もしくは今の活動の起点となる出来事が起
こります。


2000年グループ展「不合作方式 Fuck Off」をキュレーショ
ン(企画)し、上海ビエンナーレにぶつけるように上海市内
で開催した。この展覧会は、肉体を酷使するパフォーマンス
アーティストのみならず、人間の本物の死体を用いた作品を
作るアーティストまでが登場する激しいものであった。



私は彼のこの展覧会について感じるのは、完全に反逆の狼煙
を上げたと感じています。上海ビエンナーレは、私も幾度か
上海に行く機会があったので調べましたが、基本中国共産党
が当然牛耳っているのですが、その内容は金銭的援助をして
もらっている共産党へ阿るような内容であり、当然、ビエン
ナーレ主催の美術館側もドップリ体制派であるという事です。



又政治的な背景をリンクして考えれば、この2000年前後は
江沢民絶対権力時代であり、江沢民は上海閥の領袖として
共産党内で君臨し、幹部の殆どを上海閥で固めていた時期
とも符合します。



この当時は北京で政治は動くのですが、導火線は全て上海
に繋がっていたような気が私はいたします。その濃い空気
の中、あえて上海で過激な事をぶち上げたアイウェイウェイ
の心境は、おそらく芸術家として反体制的反逆の狼煙だった
のではないか?と私は考えています。



またこのことを契機に当局は彼を危険分子として監視し始
めたとも感じております。


2000年のこの過激な展覧会から現在の2013年まで、彼の
トピックスは3つあると考えます。彼の現在の存在を明確
に示す経歴は、ある意味この13年の内の約5、6年、
2006年~2011年だと考えています。



そして彼を国際的な現代美術作家として不動の地位に押し
上げたのは、2000年から2005年の5年間で、この間、国際的
なビエンナーレやその他展覧会で勇名を馳せました。



その流れ=国際的な著名な芸術家、それ故に、その後3つの
トピックス(2006年~2011年)に突入します。



つまり国際的発信力を持つ芸術家、国内的には国際的に
活躍するわが国の芸術家




この二つの要素が絡まり出します・・・・・



その一つ目は北京オリンピックの主会場である北京国家
体育場(鳥の巣)の建設にあたり、芸術顧問として設計
者のスイス人建築家ユニットヘルツォーク&ド・ムーロン
と共同制作を行いましたが、結局オリンピック開催に
失望し反対する考えを示していましたが、これら意思表示
は中国の報道からは無視され挙句、後に彼は国家体育場建
設やオリンピック関係のイベントから手を引きました。



この行動=オリンピックを糾弾したことが中国共産党に対
して決定的な危険分子としてマークされる結果を導きまし
た。


中国国内で黙殺されましたが、彼の発言は、国際的なニュ
ースとして伝播され、そのことが返って彼の身をその後
危険にさらす事となります。



二つ目は、2008年5月の四川大地震で多くの児童・生徒・
学生が校舎の下敷きになり死亡し、家族の抗議を中国当局
がはねつけ、被害の全貌が明らかにされないでいることに
関して、2008年12月15日、艾未未は自らのブログを通じて
犠牲の実態調査を始めることにしました。



このプロジェクトは事実、責任、権力といった事柄を考察
するためのもので、2009年5月12日の震災一周年までに、
地震で死んだ児童・生徒・学生すべての名簿(学校、氏名、
年齢、学年など)を作成することにあったのですが、、、、
、ここに至っては当局も黙殺することができず




2009年8月に学校倒壊や欠陥を調査する目的で活動家らと
成都市を訪問した際に艾未未は警官に殴打され、以後頭
痛を訴えるようになった。





9月にはドイツ・ミュンヘンで入院し、脳内出血と診断さ
れ手術を受けます。



この辺りで国際的に彼を擁護する機運が高まります。



そして逆に国内では、この時点を境に、彼と中国共産党と
の対立は決定的となります。



三つ目は、2010年11月、北京の自宅において中国当局に
より軟禁されます。


約1年軟禁は続きますが、各国からの非難が高まり2011年
6月22日釈放



その後、当局はとどめを刺すように、、、、北京市地方
税務局は艾未未のスタジオに対して、脱税を理由に1,200万
元以上の巨額の追徴金支払いを命じます。



これは現在も争われていますが、アイウェイウェイの出廷
は認められず欠席裁判?=中国に法の下の平等など存在せ
ず、事実上活かさず殺さずという当局の策略であると考え
ます。



世界中から注目されている存在のため、殺す事は出来ない、
ただだからと言って自由な行動も当局にとっては目障り、
故に軟禁したのですが、やはり世界各国の非難はやまない、
、最後金銭をむしり上げて、その活動を封殺する手段に出
たと思います。




彼は裁判にて積極的に当局と戦おうしましたが、出廷は出
来ず、自らの知らないところで全てが運ぶという居たたま
れない=彼にとって一番恐怖する状況=無視=黙殺、、、
が現在も続いています。そして、、、、



現在、彼は沈黙を続けている?沈黙させられている??



ここに父親と同じような境涯をたどる彼の、以前のインタ
ビューにおける言葉が蘇ってきます。



------------



20代で6年も投獄され、その後20年も追放されて、
最悪な状況の下、

公衆便所の掃除をさせられていたが、彼は生き延びた。


そこは尊敬している。私の父が監獄や劣悪な扱いに耐
えられたのは、人間として、


詩人としてのとても強い信念があったからだ。


私はそう自分に言い聞かせている。



だが、実際に監獄でなにが行われているのかは誰も
知らない。



-------------




現在56歳の彼・アイ・ウェイウェイ、、、


果たして晩節はどのような事をするのか?



まだ当局と戦うのか?





はたまた、このまま消えていくのか?





【作品について】





アイ・ウェイウェイには所謂一般的な現代美術家・
キュレーター・建築家・文化評論家・社会評論家
という肩書きの仕事の中で、その内容的傾向が
4種類位に大別できるのではないか?と私は考
えています。


それに関しては2009年7月25日(土)~11月8日(日)
に森美術館で開催された“アイ・ウェイウェイ展-何
に因って?”でのコンセプトが非常に上手く纏めてい
るので引用させていただきます。



「基礎的な形体とボリューム」


「構造とクラフトマンシップ」


「伝統の革新と継承」




この3つは、社会活動=政治的な色彩のあまりない、
彼のこれまでの作品を要約したキーワードとして的
確だと判断します。



プラス私は彼の“生き方=社会活動”というものを
作品と考える者なので、あえてこの3点の要約に一つ
“生き方”という項目を加えます。



3つの要約点を作品画像ごとに見ますと



「基礎的な形体とボリューム」




誰にでも分かる形状・地図や蛇?もしくはそう言った
印象を想起する形状というものを実際の大きさとは逆
の形状を示すことにより、ある種のトランス感覚=通常
とは異なった意識状態に導く手法をとっています。






また基礎的な形状を留保しつつも、それが存在し得ない
空間への表出により、実際把握できない地図を立体物と
して提示するなどし、そのボリュームへの固定観念を揺
さぶる手法を取る。





あまり難解ではない見て瞬時に感じるセンセーションが
アイウェイウェイの特徴でもあると私は感じます。






「構造とクラフトマンシップ」





本来融合しない物体同士を強引にくっつけてしまう。




「生々しさを制御する」とは異なるやり方で、
新しい質感/表象を起こしています。





「この世に無い不可思議な感じ」が心の中に残ります。







比較的アイウェイウェイの作品には伝統的な技術を使い
作品を制作している側面が見受けられます。



所謂クラフトマンシップ=職人魂というようなものが響
いてくるものが多く登場します。



特に木工、陶芸に関してはそう言った内容が色濃く反映
されているように感じます。







「伝統の革新と継承」




3つ目ですが実はこれまでの2つは正直、そう綺麗な別れ目
があるコンセプトの差異ではないとも思えます。一つの流
れとしてみる方が自然かな?とも思います。


二つの要素が入っている作品もあれば、一つの要素だけと
いうのもあります。



例えば上記椅子などは確かにクラフトマンシップであり
ますが、ある種の基礎的な構造とボリューム世界も有し
ています。


そういった基本コンセプトの要素が複合的にくり返し
作品の中に現れてくるのもアイウェイウェイの特徴かな?
とも感じます。しかもシンプルに!




さて3つ目ですが、これも当然上記複合要素を含みますが、
代表的なものと、上記複合要素を加えたものの2種。





歴史的価値がある「つぼ」を無表情で落とすというパフォ
ーマンスアートです

※これは、漢時代の壺を落とす様子を撮ったものです。







「コカ・コーラの壺」1997年 唐時代の壺(206BC-24AD)、
塗料にて着彩。







彼の中で今と言うことを端的に現した表現。




確かに伝統の上に今は成り立っていますが、逆に言えば
今は伝統を下敷きにして成り立っています。こういう
乱暴な行為が果たして良いか悪いかは別にして、実際の
革新とはある意味の伝統的遺産を破棄する、もしくはそ
ういった気概から生まれてくるという事を考えれば、こ
の行為の持つ単純なメッセージは理解しやすいかも知れ
ません。








この自転車のタイヤを幾重にも組み重ねた作品は彼の代表
的なものですが、これには先述の2つの要素とプラス「伝統
の革新と継承」が加味されたものだと感じます。






この作品の発想の起点は、数十年前の中国の朝の風景だと
彼は語っています。





現在の発展した中国とは違い当時貧しかった中国の大半の
人間の移動手段は“自転車”でした。



その当時の名もない大勢の人間の原風景を示しているのと
同時に、自転車そのものが姿を消した訳ではない事を考え
れば、その革新性とは如何なるものか?ある意味、自転車
で移動することで事が足りた時代は貧しかったかも知れま
せんが、それ故に人と人の間の関係は?どうだったのか?



社会的な因果関係、「何が何に因って在るのか」、そして
「自分はどこから来て、どこへ行くのか」という集団=画
一的=数値的集積としての人間ではない人間個人の根源的
な問いが浮き彫りになってきます。



急速な経済発展、社会的変革の渦中にある中国に身を置き
ながら、独自の視点で現代を過去と繋ぎ、個人を世界と繋
ぐアイ・ウェイウェイ。




彼の作品はヨーロッパのアーティストに見られるような
複雑な観念性もアメリカのアーティストに見られるよう
な瞬間的かつ刹那的なPOP感覚も全体を占めることはあり
ませんが、どこかアジア独特の志向性をベースにしたシ
ンプルで“感じやすい”ものが多いように私は感じます。





■生き方




経歴で説明させていただいたとおり、2000年以降
の彼の活動は過激です。過激すぎ、ついには軟禁、現在は
沈黙という事態を招いています。



しかし、彼がいる居ないという事を考えたとき、作品とは
別に、彼の存在そのものが誰しもイメージできるのではな
いか?つまり作品と離れた“人間”という部分のみで存立
する彼がいる事に気づかされます。



当然それに類するような存在はあります。政治家などもそ
うでしょう、又、彼と同じような活動家と言う存在も基本
作品があるわけではないので、今私がいうような存在とし
て併記できなくもないと考えます。


しかし果たしてアイウェイウェイと比べた時、この同時代
に比肩できる存在は誰がいるのか?という単純な回答がそ
れらの同列の意見を排するに足ると私は感じます。



単純な政治思想をベースにした社会活動家ではない、ある
意味、自らが起爆剤となり社会に激震を走らす、その行い
そのものに、私は低レベルな社会的メッセージではない、
高度な芸術家としての生き方の作品性を見出すのです。



この辺りに関して興味深い彼のインタビューがありますの
で転載いたします。



***************


アイ・ウェイウェイ:

まず、中国のインターネットでは“明日”という文字が入っ
ている文章は検索できないようになっている。“明日”とい
う言葉自体が、規制対象になったのだ。


Q なぜですか?


アイ・ウェイウェイ:

なぜって、人々が「明日、王府井(中国ジャスミン革命が
起こっている北京市内の中心のエリア)を行進しよう」
などと言うからだろう。
  

“今日” という言葉も検索できないようになっている。
コンピューターは“今日”という文字が入っているすべ
てを規制しているんだ(笑)。


“明日”と“今日”が使えない状況というのは、すごいこ
とだよ。彼らがどれだけ脅かされているかわかるだろう。
議論や知性ある話し合いや討論の予知は皆無だ。


昔の中国人の親みたいなものだ。子供は、一切反抗せずに
親の言うことをきかなければいけない。経済と政治に意見
を持つことは許されていないのだ。


これは非常に悲惨なことだ。この国では過去100年におい
て何も創造されていない。


影響力を保ちたければ中国国内にいる必要があると思います。


国内にいて、自分自身への被害も含め、結果を甘んじて受け
入れる。


そうでなければ公平ではありません。


外から何か言っても、「あいつはアメリカのパスポートを
持ってるから、あんな説教ができるんだ」と言われるかも
しれない。

実際には私はアメリカのパスポートなど持ってはいず、
政府によって下される処罰に直面していて、それについて
オープンに議論をしている。


これは、中国の若い世代にとって大いに模範となる行為で
す。



責任をもって応答し、与えられるかもしれない打撃に耐え
ること。


これこそが倫理的に非常に重要だと思います。



Q  アーティストとしての顔と活動家としての顔がある
   わけですね。
 


アイ・ウェイウェイ:


私にとっては、そのふたつはひとつです。アーティストは
活動家であり、よき活動家はアーティストにほかならない
と思います。


私のあらゆる活動はひとつであり、社会の中に暮らし、
自身の意見と理想を持つひとりの人間としてのものです。


Q  それはすなわち、あらゆる艾未未作品は政治的メッセ
   ージを内包するということですか。       


アイ・ウェイウェイ:


そうです。それは分離できない。分離されたら不完全なも
のとなります。


Q  とすると、中国国内に留まり、体制を変革することが、
   艾さんの活動における中心的課題でしょうか。



アイ・ウェイウェイ:


はい。もちろん自分では変革などできません。でも私は国内
に留まり、自らの権利を行使しなければならない。それは、
アーティストであるためには極めて基本的な権利なのです。









■"Sunflower seeds"について



これまで長々と彼の経歴と作品内容の傾向について偉
そうに説明させていただきましたが、それらを踏まえ
て結論を言えば、、、


私はこの"Sunflower seeds"という2011年にロンドンの
テート・モダンで発表されたインスタレーション作品
は彼の“最高傑作”だと考えています。



年代としてもこの作品を構想した時期は2008年から
2009年、まさしく彼が四川大地震と直面した時期で
あり、発表が2011年という彼にとって当局に存在を
消されそうになった時期と符号することを考えても、彼
の中にある今まで全てのものが詰まっていると考えても
おかしくないと私は判断しています。





「ヒマワリの種」は、1億個以上のヒマワリの種を、
テートモダン・タービンホールの床1000平方メートル
に敷き詰めたもの。






種は本物そっくりに見えるが磁器で出来たフェイクで
ある。






中国の北京からおよそ1000km離れた江西省景徳鎮市に
ある小さな工房で、一つ一つ人の手によって着色され
ました。


1億個の種は1600人の人達が約2年半の歳月をかけて
制作されました。



アイ・ウェイウェイにとって、ヒマワリの種はとても
パーソナルな意味をもつ。それは(中国では)日常的
なスナックであり、毛沢東の大躍進政策が引き起こし
た大飢饉の中、比較的簡単に手に入った食べ物であり
ました。





また、一つ一つ手作業で作られた、微妙に大きさや形
が異なる磁器製の種子からは、それまでの「メイド・
イン・チャイナ」の大量生産にはない作り手の個性を
感じる事ができる。




何より「圧巻」と言える景色に、しばらく見とれてし
まうのは間違いないことだと思います。


アイウェイウェイ曰く、


「とてつもない努力や芸術や職人技を、役にたたないと
いうか名前もないものに注ぎこむというのを、わたしはじ
つに面白いと思っている。それを名付ける事はできないし、
それらは存在しない」



私はこの膨大な無駄に思える作業の中に




“神々しい人間の輝きと栄光を感じます”







そしてこの作品の最高に優れている点は、もう存在し
ない、つまりそういう事があったという事実だけが皆
の脳裏に強烈に焼きついているという点だと思います。


我々の歴史とは悲しいかな須らくこういった形の伝播
であり、名も無い人間の記憶の積算でもある。


アイウェイウェイの全ての根底には人間の確かな記憶
を感じて止まない。


私は、彼、アイウェイウェイは、この21世紀初頭の
東アジアにおける最高の芸術家だと感じています。




▲TOP
トヨタ・アートマネジメント/ネットTAM 寄稿
今回、12月お世話になりました大隅秀雄さんの紹介で


アートマネジメント総合情報サイト


■トヨタ・アートマネジメント/ネットTAM 様の


リレーコラムのコーナーに寄稿させていただくことに


まりました。


サイト

↓ ↓ ↓

http://www.nettam.jp/topics/column/110/








実に拙い文章ですが、ご一読いただければ幸いです。

▲TOP
2014年始動!
大変、、、遅くなりましたが、、、


あけましておめでとうございます・・・・


皆さま本年もどうぞ宜しくお願いいたします。


さて、、先ずは昨年末の報告から


先のブログで紹介させていただきました


■大隅秀雄 メタルワークス 色めくKAZE

■八木佑介 午前2時


両企画とも無事終了いたしました。
沢山の方、又遠方からも起こしいただきました
皆様に遅くなりましたがこの場をお借りして
御礼を申し上げます。


誠にありがとうございました。




又、年末忙しい中、スケジュールを調整し
在廊協力をいただきました大隅秀雄さん
最年末まで在廊し接客を頑張ってくれた八木佑介くん
共にありがとうございました。





そしてお疲れ様でした。




このブログではまだ触れていませんでしたが、
これまで様々な企画を行わせてもらい、又
専用のアートギャラリーまで運営させてもらって
いました高松天満屋さんが残念ながら本年3月末日を
持って閉店いたします。


2001年9月1日のオープンの日及び開設準備室
への出入りから立ち会って来ました私としても
悲しい限りです。


実は今回の画廊催事企画は、私としては高松天満屋
美術画廊での最終の企画でした。


最後に良い企画をさせていただけたこと、関係者の
方々に対して深く感謝しております。


これまで他の業者が提案しない、独自色に拘り
コンテンポラリー=同時代性を強く意識してきた
だけに、、、、


最後に、


大隅秀雄さんの百貨店ではほとんど紹介されることが
無いダイナミックなキネッティクアートを紹介
出来た事、又、22歳現役の大学生、おそらく百貨店
美術画廊での紹介メニューとしては最年少だろう
と思う、八木くんの個展を高松天満屋の美術画廊で
紹介できたことは、これまでの仕事の面目躍如となった
と溜飲が下がる思いでした。





全館・閉店セールの機運が高まる中、正直美術の個展
企画にとってあまり良い環境下ではない中、、、
そんな中でもじっくりとご覧いただき、、、そして
これまでにない若い方々に沢山来ていただいたこととや、
コレクションしていただけた事は本当にありがたい事
でした。





なによりも、今回、どこで展覧情報を掴んだのか???


DMを送ったという事はない、、、SNS???


普段画廊では見ないような若い方が、何時間も悩んだ末に
購入していった姿の数々、、、


明らかに時代の変化を感じるのと同時にある種の確信を
掴んだように感じました。





そんな年末でした。。。


さて年が変わってからですが、、


本年は1月6日(月)から始動しております。


BAMI galleryでは昨年から引き続き

遠藤良太郎 Ceramic Works 私は私をやめることは出来ぬ

2014.01.20 (mon) まで開催しております。


そして高松天満屋では

アートギャラリーの最終企画を1月22日より開催いたし
ます。


松本央 洋画展 高松天満屋5階アートギャラリー 
2014.01.22~02.05





高松天満屋にアートギャラリーが出来て10年、基本
3週間を企画サイクルにて年間平均約10企画を10年間
=100企画前後を行ってきました。


ギャラリーコンセプトは若い作家の道場的役割であり、
予定調和により運営されているギャラリー的紹介ではなく、
様々なお買い周りのお客様=つまり、ギャラリーを目的に
せず=ほぼ知らずに及び好意的でない、、、


来られたお客様に正面から向き合い自らの作品に対して
辛らつな意見を頂戴するというものでした。


今回松本くんにはアートギャラリーの最終企画をお願い
いたしました。


画像作品 松本央 「祝福」 P20(530㎜×727㎜)
oil on canvas


************


高松天満屋が出来て12年


先述の通り開設準備室から出入りし2001年の9月1日に
オープンしたその日から今日まで、本当に色々な事を
教わりました。


オープン1年目


本当に大赤字を出してしまい


青野女史と二人頭を抱え


店全体で一番最初の撤退になるのか??と真剣に
悩んだものでした・・・・


ある時、、と言っても、、一年半後ですが、、、


転機が訪れました


今、やっている事のベースになるような
作家の紹介、、、つまり百貨店ではあまり
扱わないようなもの、、、、


半ば”やけくそ”でやった所、、、思わぬ反応が出


そこからやっと上昇気流に乗れたそんな感じでした。


その突破口が同時代感覚でした。


そしてCOMBINEの前身となる活動をスタートさせ
高松天満屋アートギャラリー及び美術画廊と連動
させていくことを一つのプロモーションラインに
設定していく事となりました。


やっと、、どうにか流れを掴めた瞬間です


それまでの間の現場での青野女史の辛さは



大変なものだったと思います。



そしてそれまでの経験からイッパシのプランナーを
気取っていた私の鼻もぐちゃぐちゃにへし折られました。



そんな事があった高松天満屋ですが


これまで12年間、多数の優秀な若者を紹介できたことは
私たちの誇りです。


そして今現在、私と仕事をしてくれている若者の
ほとんどが、一度はこの高松天満屋を経験している
そこに何物にも変え難い感謝の思いを抱いております。


ある意味、高松天満屋がなければ今は無い。


そんな私の周りにいる若者達が先日1月8日


ある会を催してくれました!


「新年会兼“青野さんお疲れ様でした&
これからもよろしくお願いします!会”」





現場で一貫して若者達を温かく時に厳しく
見守ってきた青野さんに対して、お世話に
なった若者達が新年会を兼ねて集結してく
れました!





本当に楽しい会でした。


高松天満屋は3月末日に終わりますが


COMBINEと若者達の戦いはこれからです


そして加えて青野女史も力の限り今後も
若者達を支える覚悟です。


これまでの感謝


そしてこれからに向けて


気勢を上げた一夜でした!!!




















▲TOP
大隅秀雄展 八木佑介展 始まります!@高松天満屋5階美術画廊
12月も半分過ぎた・・・・

今年もあとわずか。。

今年最後の企画は

このブログでも少しずつ告知させてもらいましたが、

2企画あります。

先ずは!

12月18日(水)からスタートする


大隅秀雄 メタルワークス 色めくKAZE



【プレスリリース】

大隅秀雄 メタルワークス 色めくKAZE プレスリリース by COMBINE




風は生きている、風は美しい、心を揺さぶり人を動かす。

春・夏・秋・冬・移りゆく季節、刻々と変化する風景。

ここちよい風・いじわるな風・ささやく風・さまざまな
表情を持つ風。風の言葉に耳を傾け、ゆったりとした時
が流れる空間に彷徨い、美しく色めく風を感じて下さい。

(大隅秀雄)


■百貨店では珍しい”キネティックアート=動くアート”
 の展覧会です。しかも鉄が自然のKAZEで動きます!!

■Youtubeにてご参照ください!  

 http://www.youtube.com/user/yamasemi






大学時代より一貫して鋼材を使用した金属彫刻を制作する
大隅秀雄。

固定化した彫刻で終わらず、その作品は”動態”を示し、
キネティックアートの要素をふんだんに取り入れています。

又、その特異な作品は大学卒業時より注目を集め多くの
パブリック作品(屋外展示)を手がけています。作品の
最大特徴は金属が自然の風で生き物のように動くという
ことです。

そこには風の存在=風の形=風の姿を我々に示してくれる
という情緒豊かな風景が広がります。日本の工業界で使わ
れている鋼材・動態部分に仕込まれている高性能なベアリング、
それらを自ら削り組み立て制作するスタイルは国内でも
稀有な存在として高く評価されています。


今展では本来屋外に展示する大型作品を画廊中央に設置し、
そのダイナミックな世界感そして目に見えない風を
皆様にご覧頂こうと企画しております。


************


2013年12月18日(水)~24日(火)
高松天満屋5階美術画廊
直通電話087(812)7548
※最終日は午後4時閉廊


■作家在廊 12月21日(土)~24日(火)


〒760-8516 高松市常磐町1丁目3番地1
http://www.tenmaya.co.jp/takamatsu/




---------------


つづいては

連続して開催します!

八木佑介 午前2時





【プレスリリース】

八木佑介 午前二時 プレスリリース by COMBINE




午前二時、私は誰もいなくなった街を散策します。

見慣れたはずの風景も、深夜には私の知らない全く
別の場所へと姿を変えます。

冷めた空気の中で、人々が眠りに就いた静けさの中で、
光だけはただ煌煌と都市を照らしているのです。

夜が明る過ぎるのではないか、

私達の生きる無人の街にこの世界の姿があると信じ、
私は描き続けています。

(八木佑介)


■弱冠22歳(現役大学院生)超新鋭が日本画の技法で
 描く午前二時の風景




弱冠22歳。おそらく国内百貨店美術画廊では最年少の部類
に入る超新鋭の個展。現在京都造形芸術大学院にて日本画
コースを専攻する八木は、伝統的な日本画材料と技法を駆
使し、これまで誰も描く事がなかった日本の深夜二時を表
現します。


夜が明る過ぎるのではないか?


10代より感じ続けているこの疑問、昨今のエネルギー問題
より以前から彼は研ぎ澄まされた感受性で感知し、社会の
中にある矛盾を正面から描き続けています。



彼の画力及び表現世界は、この数年の斯界の評価が示すとおり、
同世代の描き手の追随を許さない程抜きん出ています。




本年は学部卒業制作が佐川美術館にも収蔵され今後が大いに
期待される新鋭です。






**************



2013年12月25日(水)~30日(月)

高松天満屋5階美術画廊
直通電話087(812)7548
※最終日は午後4時閉廊

■全日作家在廊予定

〒760-8516 高松市常磐町1丁目3番地1
http://www.tenmaya.co.jp/takamatsu/

▲TOP