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伏見港の千年鯉




ある日ネットで

伏見港に千年生きた鯉がいるとの情報を知り、

なんとロマンがある話なのだと心動かされた私は、

実際に奇妙な鯉を捕獲された男性に取材を申し込んだ。

男性を訪ねると自慢の池とそこに泳ぐ鯉を見せてくれた。

鯉の品評会での自慢話や、

自作のろ過装置の説明などを二時間ほど受けた。

その後、ようやく千年鯉を

捕獲した当時の話や特徴を聞くことができた。

今回、その証言を元に絵で再現してみる

ことにした。

その作品を6月8日より公開させていただきます。


↓展示詳細↓



■『発見?京都!未確認生物UMA展』
 2017/06/08-06/19
 OPEN 12:00-18:00
 期間中無休

■会場
 BAMI gallery
 〒600-8824
 京都市下京区二人司町21番地
 TEL 075-754-8154
 office@combine-art.com

■出品者
 釜匠 佐野曉 公庄直樹 松本央 遠藤良太郎 太田夏紀 岡部賢亮


UMA報告書






最後に元となった

ネットの記事を載せておきます。



2017年4月京都市伏見区濠川にて

推定年齢1000歳を超える鯉が捕獲された。

発見者は伏見区在住の男性72歳で、

早朝伏見港公園付近を散歩中に川の中を

見慣れぬ白い魚が泳いでいるのを発見。

川に近づきよく見てみると1メートルは

あろうかという全身白い鱗に覆われ、

長い鰭を持った鯉であった。


「いやぁ、あれは本間に見事なヒレナガゴイ

や思いましたわ。プラチナのように全身真っ白で、

心なしか鯉の周囲の水も黄金色に光り輝いて

見えてねぇ、一目惚れですわ。」


男性は愛鯉家でもあり、

自らの自宅の池で数多くの錦鯉を飼育している。

自らのコレクションに加えようと、

自宅に戻り網を持って捕獲。池に放つ前に

水合わせをするため別の水槽に鯉を入れると、

ただの鯉ではない妙な特徴があることに気づく。


「よう見たら鉢(頭)に角みたいな突起があるし、

口周りには髭みたいな緑色の苔も生えとる。

けったいな個体やなぁと。

次第にこんな個体飼うてるのは他にはおらんと

愛着が湧いてきましたけどね。」


と、男性はその時の様子を語ってくれた。

その後、同じ愛鯉家の仲間にも

その変わった鯉を見せようと仲間に連絡する。

男性の自宅訪れた仲間と鯉の居る水槽に戻るが、

すでに鯉は水槽から姿を消していた。


「蓋するの忘れてたんですわ。

ちょっとの間や思うて目離したすきに

跳ねたんですやろなぁ。」


飼っている鯉が水槽、あるいは池から跳ねて

外へ飛び出してしまことはよくある。

しかし、たいていは池、水槽の付近に

鯉が落下しているはずなのだが、

この時は様子が異なっていた。


「どこにも居らんのですわ。

池も庭もよう探したやけどなぁ。」


鯉の入っていた水槽から池を超えて

男性の家の外まで5mはある。

鯉がそんなに跳ねることはふつうあり得ない。

どのように男性の前から姿を消したのか

全く見当がつかない。謎である。

しかし、謎はこれだけに収まらなかった。

この奇妙な鯉の残した置き土産が

さらに謎を深めることとなる。

跳ねた際にはがれたとみられる

鱗が残されていたのだが、それを専門科に

見せたところ驚くべきことが分かったのである。

木の年輪のように、鯉の鱗から年齢が分かる

ことは詳しい人にはよく知られている事実である。

その残された鱗を鑑定した結果

1000年近く生きていることが判明したのだ。

鯉の平均寿命は20年で、過去には200年近く

生きた個体もいると言われている。

しかし、ながら1000年という数字は俄かに信じ難い。

この鑑定結果が正しければ、男性の捕獲した

奇妙な鯉は1000年もの間いったいどこに身を潜めて

いたというのだろうか。


「あれは、水の神様、龍神様の使いやったんや、

子供のころにひい爺さんがそないなこと

言うとったん思い出しましたわ。あれは人間が

捕まえたらあかんもんやったんやろなぁ。」


鱗の鑑定結果を受けて男性は

清々しい表情を浮かべていた。

もしかしたら今もこの千年生きた鯉は京都の河川の

どこかに身を潜めているかもしれない。




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