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アートフェア東京2022お礼 小橋


アートフェア東京2022

無事に事故病気怪我無く、終え、帰宅しました。

皆様、本当にありがとうございます。

沢山見ていただき、ご購入いただいたり、お客さんとも作家ともバイヤーの方とも、お話して、お話を聞いて、ブレストでき、これからに向けてブラッシュアップできそうな気がします。

こういう場のすごいところは
視覚的に俯瞰できる状況があるので
超長期的、長期的、中期的、短期的な構想が
この世界の中の相対的な私という観点から湧いてくるような(あくまで、ような)刺激がいただけるところだと思いました。
一人で作って、単体で発表している場面ではこのようなタイプの刺激は受けられません。

生々しさがあるというのは生き生きとしていることでもあります。
少なくとも、今の社会の中で活きているということです。
そういうものを抱きしめながら、なんとかしっかりと生き抜いて
死んだ後でもいいから、何か意味のある、役割を果たしたと言ってもらえるような
今作っている作品に込めた内容にも気づいてもらえるような
何かを残していきたいなと感じました。

すべては相対的な出来事だけど
その中にあっても
そのうえで
自分のやるべきことを見出していくこと。

15年前には備前焼窯元の会社員としてロクロ職人をしていた僕が
特に流れを変えるような劇的な変化を求めて強い行動を取ったわけでもなかったのに
いろいろな潮目に押し流されながら
外からの刺激を受け入れ、今やるべきだと思ったことをやっているうちに
いつの間にかどんどん変化せざるを得なくなって
今、こんなことをしている。

これからもどんどん変わって行ってよい作品と状況を作れると良いなと思いながら
次の作品に取り掛かっていこうかと思います。






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アートコレクターズ2021年3月号
アートコレクターズ No.144 2021年3月号【第二特集】
アートフェア東京2021、注目ブースにて作品をご紹介していただいています。


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COMBINE/BAMI galleryからアートフェア東京 2021
に出展いたします!
セクション : ギャラリーズ [ブース # : G027]
出品作家:釜匠 小橋順明、宮本大地、岡部賢亮
※art fair Tokyo -COMBINE/BAMI gallery-Worksページに順次新作をアップロードしております。
https://artfairtokyo.com/2021/galleries/607
https://artfairtokyo.com/2021/galleries/607
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開催日程:
2021 年 3月 18 日 (木)~ 3 月 21 日 (日) 4 日間
(最終入場は各日終了 30 分前)
プレスビュー 3 月 18 日(木) 13:00-14:00
プライベートビュー 3 月 18 日(木) 14:00-16:00
ベルニサージュ 3 月 18 日(木) 16:00-19:00
パブリックビュー :
3 月19 日(金) 12:00-19:00
3 月 20 日(土) 12:00-19:00
3 月 21 日(日) 12:00-16:00
※時間は全て予定
会場: 東京国際フォーラム・ホール E(東京都千代田区丸の内 3-5-1)
[JR ・地下鉄 有楽町駅] 徒歩約 1 分/ [JR 東京駅(京葉線)] 徒歩約 5 分
■アートフェア東京 2021
公式ホームページ https://artfairtokyo.com/https://artfairtokyo.com/

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"皮膚-抜け殻は生きている-"



"皮膚-抜け殻は生きている-"
2020
陶(備前土・焼締焼成)、パネルに陶土、顔料

H18.3×W14.3×D5.5cm(F0)
H3.2×W2.9×D2.3cm(昆虫のサイズ)
H40.6×W23.3×D7.8cm(アクリル額装サイズ)




生きた証がそこにある。
が、それはあくまで証であって「生」そのものではない。
死せる皮膚的なものに「生」を乗せたら、それはミイラのようなものだ。
人工的に作られるミイラは、再生の願いだから
これはこれで不死と再生の願いということでいいのだろうか。



子供のころの純粋な感動
セミの羽化
残った抜け殻をたくさん集めた思い出。

なぜあんなにも「抜け殻」に魅せられるのだろうか

あまりに生きていた形を残すがために、なのか妙に命を感じてしまう。
「いのち」を入れることが出来たら、再び動き出すかもしれないと思ってしまう。





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作品に関しては「なにでできているの?」と聞かれることが多いので
作品を構成する物質的な部分について説明を書いておこうと思います。


F0号のパネルにセミの抜け殻がくっついています。これが作品です。
そのバックの縦長のパネルが額装です。これにアクリルケースカバーが付きます。

F0パネル部分については
木製のパネルに定着材を混ぜた陶土を塗り、同様に定着材を混ぜた酸化ジルコニウムを塗っています。
これらはひたすら「素材」なので、絵画的絵の具の質感に慣れている人は、どのような印象を受けられるでしょうか。
土の塊、陶板と感じられるのでしょうか。空間的なものを感じられるでしょうか。
僕にとっては「満たされた無」というイメージです。

セミの抜け殻部分は爪先から触覚まで陶製です。
備前焼という焼き物の産地の土で作っています。
関節ごとに分けて造形、焼成までした後、接着剤で組み立てています。
いわゆる釉薬による色付けは使っていません。作品を炭と一緒に電気窯に入れて1200度で焼く「炭化焼成」という焼き方を何度も繰り返すことで素材の深いところまで厚みのある化学変化を起こさせます。
小さな部品に薪窯のような「コントロールできる/できない」のせめぎあいが現れた多様な窯変を表現します。
変化する、というのは生きている、ということなのでそうしたかったのです。
目の部分には金属皮膜を生成する「ラスター彩上絵」という上絵の具のようなものを800度くらいで焼き付けています。
「目の黒い内」というように目の輝きが欲しかったからです。

陶製のセミの抜け殻は、パネルにはお腹の部分からステンレス棒で支持しています。
ステンレス部分は鑑賞の邪魔をしないように白く塗っています。

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5月25日発売の月刊アートコレクターズ6月号
“アートを買って家に飾ろう!”大誌上頒布に
作品"皮膚-抜け殻は生きている-"を掲載していただいております。。

合わせてオンラインでも
アートコレクターの本企画ショップページが起ち上っていまして
全作品が閲覧、購入可能となる試みのようです。。


アートコレクターズ2020年6月号誌上頒布 オンラインショップ
↓↓↓

https://www.tomosha.com/news/n34969.html

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【初めての誌上頒布②】作品のこと
5月25日発売の月刊アートコレクターズ6月号
“アートを買って家に飾ろう!”大誌上頒布に
作品"皮膚-抜け殻は生きている-"を掲載していただきます。
大誌上頒布ということで、多くの作品が誌上よりご購入可能という取り組みです。
ぜひご覧ください。
アートコレクターズ6月号詳細はコチラ
↓↓↓↓↓↓↓↓
https://www.tomosha.com/book/b511228.html



僕の昆虫の作品は関節ごとにパーツを焼き物で制作し、
焼成後にシリコン系の接着剤で組み立てる構造です。

このような作品を制作し始めたのは6年前。
だいたいこんなことからです。
↓↓
当ブログ過去ログ「どうして昆虫を作るのですか?」

どんな小さなパーツでも限界まで凹凸で自然に組み合わせられるように造形するよう努力します。
昆虫は基本リアルサイズですので
触覚などの部品は細いもので0.3㎜の細さになり、ちょっとした衝撃でも陶なので折れてしまいます。
関節ごとに弾力性のあるシリコンが仲介することで
シリコン部分が衝撃を吸収し、移動に耐え、一般的にコレクション可能な作品強度を得ることができました。
加えて
UVカットのアクリルケースでのケーシングをデフォルトにすることで
接着剤の劣化する要素を取り除き、現代美術としての持久性も得たとしています。

ここまできたのが5年前
やっと作品のコンテンツに集中することができるようになりました。



焼物との出会いを通じて「変化」「現象」というイメージと得て以来
これまで
私たち、私たちが存在している、命がある、とはどういうことなのか。
制作を通して本質と向かい合いたいと考えて、
焼物を使い普遍的なコンセプトを共有できるような作品を作りたいという気持ちで制作してきました。

自分の作品がどうカテゴライズされるかということにはこだわらないようになってきているのですが
お話しする機会のある時は、技巧ではなく、コンセプトに触ってほしい気持ちがあるので
アートとしてコンセプトを大事にして制作している。と言っています。
それでも
なにしろ素材があまりに強い作品なので工芸との違いは何か、と問われることがあります。
いつもいつも口頭ではうまくお話しできないのですが

僕の作品と素材の関係でいえば
焼物であることが作品のコンセプトの中でどう機能しているかということが、工芸としての陶芸と違う点だと思っています。

そもそも作品をどうカテゴライズするかということに関しては
芸術にはすべて、テクニカルな部分、物理的な部分、コンセプチュアルな部分、文脈的な部分などの要素があって、きちんと分けて考えられるべきだと思っています。
もちろん工芸にも絵画にもそういう見方は当てはめることができるはずなのですが
芸術とか絵画、アートなどは、輸入した経緯があるからそういう考え方になじみもありますが、
工芸はもはや日本にとって、血肉となっている文化と歴史そのもののようなものなので
当然知っていて完全に共有できているつもりでも、本当に人それぞれの多様な「工芸とは」観を持っていて、
通じているようで通じていないのに、わかりあっているような気になっている議論をよく見受けます。
だから
この話も、それを乗り越えてコンセンサスを取ることも、見た目以上に難しく、作品の鑑賞を邪魔してしまうことだと思いました。

そういう矛盾というか、議論は自分の中でも常にあって
出てくる作品、見られ方、自分の文脈とかいろいろと考えてしまうことはありますが
制作者としては、黙って受け止めて、誠実に正直にあがくことだと今は思えます。


結局、目の前の作品は独り歩きしていくし、それこそが作品があることの意味だし
その時、やっと作品は作品になれるのだと思うようになりました。

作品という出来事の前には、僕個人の自覚できるような意識がどう考えているかなんてことは本当は関係ないのです。

鑑賞される方それぞれのバックボーンを持って、観察しながら想像しながら真剣に、自由に作品と向き合っていただけることが
僕と僕の作品の幸せです。
その出来事の中には、自ずから僕のアイデンティティも溶け込んでいるはずです。
それが作品の意味になるのです。

散文失礼しました。
脱線と言うか、あっちこっちして、掲載作品のことまでたどり着けませんでした。
すみません。。




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【初めての誌上頒布①】発送の壁
まだ発売前ですが5月25日発売の月刊アートコレクターズ6月号
“アートを買って家に飾ろう!”大誌上頒布に
作品"皮膚-抜け殻は生きている-"を掲載していただきます。
誌上頒布ということで、この度は誌上より作品をご購入可能とのことです。
ぜひご覧ください。
アートコレクターズ6月号詳細はコチラ
↓↓↓↓↓↓↓↓
https://www.tomosha.com/book/b511228.html


誌上頒布そのものはこれまでもありましたが
多くのギャラリーが参加しての
このような規模での頒布はこれまでなかったのではないでしょうか。

僕のとしても初めての参加となり、いろんな意味でどきどきです。

誌上頒布ですが
実は、これまでもオファーがなかったわけではありません。
ただ、あまりに繊細な作品群のうえ、配送必須の企画ですので
お客様と私たちとの間に、お取引そのものを含めて、僕の作品のことをあまり知らない方々を中継する可能性もあり
あらゆる危険を避けて、できるだけ対面でお取引していこうと、お断りしてきたのでした。

運送、シッピングは僕の作品のある意味最大の課題だとギャラリーからも言われてきたのでした。

そして、この度。ギャラリーの上山さんからお話をいただき、いろいろ相談もしました。
いよいよ配送と正面から向き合う時が来たのかもしれません。
図らずもその機会がやってきたのです。

幸いなことに編集部の方には何度も掲載、取材していただく中で作品を実見していただき、お話する機会も数度得られました。
みなさん丁寧な方でギャラリーとの連携もよく、対応もきちんとしていただけそうです。
ギャラリー、作家サイドでも額装など、追加情報など必要な場合は、お伝えできる情報を準備します。
また、そのためのSNSやネットでの発信だと改めて感じています。

作品も、配送に耐えられる作品をチョイスしました。

梱包は作品外箱(外箱と作品の間にも緩衝材入ってます。)のさらに外に
数センチふわふわの緩衝材を挟んだうえでの段ボールで発送となります。
天地無用!!この面が上!精密機器、ガラス、われもの!!貼りまくります。
(発送機会の多い方に伺うと、そういうアピールは案外大事だそうです)

実は、これまで、ギャラリーから宅配業者での作品配送の経験がないわけではありません。
実際、事故はありませんが、ギャラリーが堂々と「これは発送できます。」と言えるためのノウハウをギャラリーと共に作る、いい機会になるかもしれません。
送れるものは、きちんと送る。

発送ノウハウとは関係ありませんが、
箱の中にもお礼のメッセージを入れてみようかな、とか
荷物が届いて開ける時の感動は
例えそれが自分で買ったものだったとしても
プレゼントを贈ってもらった時のような喜び。。独特の良いものがありますよね。

次回は作品のことです。

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