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人工UMA展
以下の展覧会にて新作を発表させていただきます。







『人工UMA展』
- Artificial Unidentified Mysterious Animal Exhibition -


この展覧会は昨年同時期に開催された『発見?京都!未確認生物UMA展』の第2回目となります。

しかし、ただの"2回目"という訳ではありません。

前回は"京都に生息しているUMAを作家が発見し紹介する"という客観的視点からの展覧会でしたが、
今回はUMAの前に"人工"と付くことからもわかるように、何らかの理由で人の手により作り出された生命を作家が発表するという、前回よりも主体的視点に重きを置いた展覧会となっております。



私は都市開発により激減する昆虫を救うべく、ある研究者により産み出された新種の昆虫達を発表・展示させていただきます。

"擬態"という能力を飛躍的に向上させられた昆虫達が、人類の生活圏にいかに混ざり込む事が出来たのか。

その研究結果をご覧下さい。





「混蟲標本」
2018/318×410mm(F6)/木製パネルに綿布・アクリル絵の具



■研究発表文ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

混蟲 -こんちゅう-

私は"それ"を街に解き放った。
想定を遥かに超える適応能力だ。
彼らは見事に擬態し人間の生活圏に混ざり込んだ。
もはや生み出した私にすら見付け出すのが困難な程に。

私はそれを"混蟲-こんちゅう-"と呼ぶことにした。



私は幼少期から大の昆虫好きだった。
特別"昆虫"というカテゴリーに拘っていたわけではないが、都市部に暮らしていた私にとって身近に出会える生物となれば必然的に昆虫が多かった。
近所の公園に行けばダンゴムシやセミを捕まえる事が出来たし、河川敷に僅かに残る草原にはバッタやカマキリが生息し幼い私の心を踊らせた。

彼ら昆虫は自然環境に巧みに"擬態"していて一目では見付け辛い。
木に留まるセミは木肌と似た色をし、葉っぱに留まるバッタも色・形ともにまるで葉っぱそのものだ。
しかし、大人の目は誤魔化せても幼い私の目は誤魔化せなかった。
私は河川敷に入り浸り毎日沢山の昆虫を捕らえて観察した。

しかし、そんな日々はある日突然終わりを告げた。
護岸工事と称してアスファルトが敷かれた河川敷では、それまで生息していた昆虫達が一気に姿を消してしまった。
子供だった私は、そんな事を平気で出来る大人達が恐ろしく、そして憎かった。

そして、その日から私はある研究に没頭するようになった。
目的は適応能力の高い新しい昆虫を生み出すこと。
人の営みに翻弄されない。
それどころか、逆に人類の進化を糧にして適応し自らも進化し続ける昆虫。
人類の生活圏に巧みに溶け込み擬態する昆虫。



私はついにその昆虫達を生み出す事に成功した。
大層に生み出したと言ったが、私が行った事はたったひとつだけ。
昆虫の"擬態"するという能力のみを飛躍的に向上させたのだ。

私は彼らを街に解き放った。
想定を遥かに超える適応能力だ。
彼らは見事に擬態し人間の生活圏に混ざり込んだ。
もはや生み出した私にすら見付け出すのが困難な程に。

私はそれを"混蟲-こんちゅう-"と呼ぶことにした。


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↓展示詳細↓

■『人工UMA展』
- Artificial Unidentified Mysterious
Animal Exhibition -
  2018/05/30-06/10
  OPEN 12:00-18:00
※最終日のみ16:00まで
  期間中無休
http://www.combine-art.com/html/gallery/ga_schedule.php

■会場
  BAMI gallery
  〒600-8824
  京都市下京区二人司町21番地
  TEL 075-754-8154
  office@combine-art.com
http://combine-art.com/html/gallery/ga_access.php

■発表者
釜匠 (かま・たくみ33歳)
佐野曉 (さの・あきら37歳)
宮本大地 (みやもと・だいち27歳)
松本央 (まつもと・ひさし35歳)
遠藤良太郎 (えんどう・りょうたろう31歳)
太田夏紀 (おおた・なつき25歳)
岡部賢亮 (おかべ・けんすけ28歳)

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